Road -進展の先-
別に。
ユノに対して怒りなんて無い。
だけど、どうしたって顔を見れば僕のを咥え込んでいた画が思い出されてしまうし。
思い出せば僕のあそこはむくむくと勝手に起き上がろうとしてしまうのだから。
あのリアルな映像が少しでも薄れるまで僕にも時間が欲しかっただけなんだ、、、
どうせ僕には経験なんて全く無い。オナニーだって人目を忍んでコソコソするぐらい。
要は僕にユノのフェラは刺激が強過ぎたんだ。
ベッドに仰向けになったまま。瞼をそっと閉じて、その暗闇の中でユノの口の熱に浸る。
とても…熱かったと思う。
人の口の中に含まれるという経験に震えたし。
それと同時に正直、怖さもあった。
果たして僕はユノと同様の事をしてあげられるのだろうか、と。
躊躇なくこの口に含む事が出来るのだろうか、と。
思わなかったと言えば嘘になる。
「でも…あんなに気持ちが良いなんてっ…」
知らなければこの未だに火照る熱のやり場に戸惑う事さえも知らなかっただろうに。
そっと触れると、ユノの口に含まれたそこは緩く勃ち上がり始めている。
「、ッ…ハっ、、」
緩々と自らの手で触るだけでも余韻がまだ残るそこは敏感だった。
中学生の時だってこんな風に盛ってやった事なんて無いのに…
その時、ドアの向こう側に人の気配を感じ取って思わず声を押し殺す。
「…ユノ…?もしかしてそこに、、、?」
暫く沈黙があった後、ユノの独特の響きを持ってあぁ、と答えが返って来る。
「…ごめんな。無理にした俺に怒ったんだろ」
ドア越しなのに少しだけ甘いユノの声。
僕は声を上げずに先端の丸みから溢れた雫を指の腹で広げてその何とも言えないぬる付きに背筋を粟立たせていた。
「チャンミン、、?」
ドアの向こうのユノは、返事の無い僕がどんな事をしているのか知らないんだ…
ぞわりぞわりと背徳感に包まれて、勝手に指が動きを早めていく。
粟立つ体はもう次に来る快感の波を期待している。
「入るぞ」
一拍置いてユノが部屋に入って来た瞬間、僕はとろりと甘く痺れる自慰に夢中で耽っていた。
「ッ、!ユノッ、、…み、ないで…」
見るな、と。口では発するのに。
立ち竦んで驚愕に見開いたユノの目を僕は離せずに、更に手の動きを早める為の材料としてしまう。
「っ、ハッ、っ、、、ん、、!」
ゆっくりと近付くユノを避けたいのに、覆い被さる厚い体に拒まれる。いや、僕の体はハナから拒んでなんてないのかもしれない。
だって、ぴったりと重ねられた唇に喜びを隠せなかったから。
ユノの絡み付く舌がやけに熱いと思ったら、僕が必死にユノのそれを吸っていたからだった。
その間も僕の手は緩々と動きを止める事を知らずに、はしたなく水音を立てる。
「頼むからそんな目で俺を煽るな、、っ、、」
あんなに綺麗な顔が、歪んでいる、、、
益々僕は握り締めた物を強く動かしてしまう。
「ん、っ、、ん…!」
ユノの唇への愛撫がかなり激しい。
今までがお子様向けのだったと思い知る。
まるで脳髄までを溶かすような。
痺れる舌先が柔くツンツンと軽く突かれて、すりっと硬い何かが僕の右手に当てられる。
「…チャンミンのはこっちだろ?」
囁かれながら舌を捻じ込まれ、ぞわりと背筋が粟立つ。
じゅぶ、と耳を犯す湿った音。
こっちと言われて差し出された物へとおずおずと手を伸ばした。
途端、握り替えた物の質感にずくんと腹が一気に重くなる。
形も太さも自分のとは恐ろしく桁違い。
「…凄いな、ユノの…」
ポツリと溢した本音をユノはすかさず拾うように、僕のをあの長い指で撫で上げていく。
「チャンミンは…ほんと無自覚に、、」
眉間の皺がいっそう濃くなったユノは壮絶に色っぽかった。
大学で顔を合わせるなり、怪訝な表情を浮かべたキュヒョンに「ムッツリチャンミン、漏らし過ぎ」といきなりマスクを投げ付けられてしまう。
勿論、僕は大人しくそれを着けたけれど。
そんなに顕著なんだろうか…、困ったな。
今朝も良いことまではいかないまでも、危うくあそこが反応しそうなキスをユノに玄関でされた影響が出ていたのかもしれない。
現に僕を見送ったユノの方は大きくなっていたんだし。
しかも糸引く唇を名残惜しげに見ていたら「…また後で、な?」と、ぽんぽんと。そんな風に頭を撫でられてしまう。
その”後でな”が、お昼に一緒に落ち合ってお弁当を食べようって意味合いなのは重々承知しているのに、別の意味を考えてぽぅっとしたり。
そんな諸々が顔から出ているとしたら、それは非常に恥ずかしい。
「なぁ、今日も昼はチョン・ユンホと?」
壇上の先生に視線を向けたまま、キュヒョンは僕に投げ掛ける。
「そうだけど。キュヒョンも一緒に食べる?」と、聞くと無言でばつ印を作られてしまう。
そして。
「今日もカフェテリアは大盛況って事か」
と、意味深な事を呟いていた。


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