My Fair Lady #84

あんなにいつも素敵で格好良いユノなのに、僕が愛撫に没頭するばかりに掻き毟ってしまった髪が酷く乱れていた。
それを見て無意識に伸びた手をユノに取られて指に軽いキスを受ける。
「大丈夫だ、鏡を見て直しておく…」
そう呟いたユノは、甘ったるい香りがむせ返るこの部屋にも負けない程の甘い笑みを見せる。
「ユノ…」
「ん、一人で戻れるか?」
「え?…えぇ」
前々からも優しかったユノなのに、今のユノはもっと輪を掛けたように優しい?
しかも物凄く態度が甘い気がする…
ポンポンと、柔らかく頭を数度撫でてユノの方が先に部屋を出て行った。
残された僕は取り敢えず身支度を整えて、いま一度ユノから与えられた黒い薔薇の花言葉を思い出す。
───”貴方はあくまで私のもの”もしくは”決して滅びることのない愛、永遠の愛”
「永遠の、愛…っ」
薔薇を掬って宙へと放る。
ユノの束縛にも似た愛が体へと降り注いだ。
「あの・・」
「えっ!もう終わった!?意外に早かったなぁ~ユノって早漏、」
ユノに言われた通り、一人でみんなの元に戻ったら僕の顔を見るなりドンへがそんな事を口走り。
その発言を横から肘鉄でヒョクが遮った。
そう言えば僕だけスッキリさせて貰ったのに、ユノはあの後どうしたんだろう…?
「あー、ドンへの事は気にしなくていいから。考えるより先に口が動いちゃうからさ」
「あ、///いえ、、」
苦笑いでフォローするヒョクに対して、寝室で何が行われていたのかを察してますという空気を感じてしまい、顔が勝手に熱くなっていく。
「あぁごめん!こんな日にお邪魔した俺達が悪いんだよね。そんなに落ち込まないで」
必死にフォローを続けるヒョクが優しく僕のガクッと落ちた肩を撫でて言う。
「ハハッ!ヒョク、お前がそんな風に言えば言う程シムさんは居た堪れないだろう?」
「あ、そっか。ごめんね?」
「いえ、大丈夫です///」
シウォンが見兼ねて割って入ってくれたお陰でこの話題も終わりだとホッと胸を撫で下ろした筈だったのに、、
「で?ドンへの言うようにユノは早いのかな?」
「っ、///!?」
終わったと思ったのにぃーーっ!シウォンッ!!
「それが本当なら見掛け倒しだな、ハハッ」
高らかに笑うシウォンはどこか勝ち誇ったような表情を浮かべている。
その後ろでは相変わらず関心ゼロのキュヒョナがワインに舌鼓を打っていて、その温度差に気が遠くなりそうだった。
だけどユノの威信にかけてもここは断言しなければ!
「ユノは」
僕が反論しようとそこまで言った瞬間、リビングのドアが開く。
「あぁ、残念。真相をシムさんの口から聞きたかったのになぁ?」
ユノを見据えるようにシウォンが大袈裟に肩を落とすジェスチャーをするので、恐らく会話の内容が聞こえてなかったであろうユノもその素振りに怪訝な顔を見せた。
「…何をチャンミンから言わせようとしたんだ」
言いながらそっと僕を背中にユノは隠してくれる。
実際は僕の方が背が高くて隠れてはいないんだろうけど、シウォンから守るように立ちはだかろうとしてくれる気持ちが嬉しくて思わず広い背中に擦り寄った。
「おいおい、勘違いするなよ?俺がシムさんを虐めたとか、そう誤解されると困るよなぁ」
周りに同意を求めるシウォンにユノは短く舌打ちをして、突然振り返ると小声で僕に何を言われてたのかと聞いてくるんだ。
「え、、っ///」
一瞬躊躇したけれど、僕も同じようにユノに小声で耳打ちをして経緯を話して聞かせた。
するとユノはてっきり怒り出すか、きっぱりと否定するのかと思っていたのに・・
「……………」
僕の目線からスッと逸らすようにして、無言で口元を手で覆ってしまうんだ。
「ユノ・・・?」
一同が僕等のやり取りを見て更に誤解を招くんじゃないかと焦るのに、ユノは全く否定をする様子が無いようだった。
「ハハッ!ユノも認めるのか!?」
場にそぐわないシウォンの高笑いが耳に触る。
早く!否定するなら今なのにっ、、!
一歩、前に踏み出そうとしたその時。
「どうせ本番はシテないんだろ?なぁユノヤ」
え、……?
ユノはまたしても顔を両手で覆ってしまっていた。
「シテないって、、、え、?」
僕の問い掛けにヒチョルはにっこりと笑って耳元に顔を近づけてこう囁いた。
「ココに、ユノのち◯こが入るのが男のセッ◯スなわけ。知らなかったのか?」
トントン、と。
僕のお尻の窪みの辺りをヒチョルは叩いた・・・・
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