--_--
--
(--)--:--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2018_06
07
(Thu)20:00

My Fair Lady #63








「………僕はここに泊まります、ユノは帰って下さい」

「待てっ!チャンミンッ」

ユノがまた濡れてしまわぬように、傘を押し付けて僕は自分のアパートへと走った。

バシャバシャと足元に水が跳ね返るのもお構い無しに走ったのに、途中であっさりと追って来たユノに捕まってしまう。

「、、離して下さいよっ、、!」

「嫌だ、また離すと逃げ出すだろうが」

「逃げるって、、自分の家に帰るだけなのにっ!?」

夜の遅い時間にユノのマンションならまだしも、僕の住むアパートの壁は薄くて。
こんな風に外で男二人が言い争っていたら他の住人に迷惑が掛かると思って足早に自分の部屋へと向かうのに、ユノはその後ろをぴったりとくっ付いて一向に僕の腕を離そうとしない。

「あの、本気で離してくれないと困るんですよ。あまりここで煩くすると他の人達が起きてしまうし」

振り払おうにもかつてない程の力でユノは掴んでいて、一切離す気が無い。

「それなら部屋の中で話し合えばいいだろ」

「……っ、」

そうして僕は結局、ユノを招き入れてしまうんだ、、、、










「狭いですけど、適当に座って下さい」

前に来た時に冷蔵庫の中身を処分しているから、水くらいしか出せない事を伝えると「何も要らない。取り敢えず理由を聞かせてくれ」と再びユノに腕を取られてしまう。

「理由なんて別に・・自宅に帰るのにユノの承諾が必要だなんて、、」

「じゃあどうして俺を見ない。何故帰らないと拗ねるんだ」

「っ//!拗ねてなんて無いですよっ」

てっきりからかわれているものだと思ってユノを睨み付けたのに、、、、

「…何だ、俺の顔に何か付いてるのか?」

マジマジと見たユノの方が何だかまるで、怒られた時の子供みたいなどこか膨れっ面をしているように見えた。

「ユノ」

「何だ」

「…僕が居なくなって寂しかったんですか?」

もしかしたらそうなのかもしれない。
そう思ってユノに問うと、その膨れっ面が一層歪んで行く。

「…それは今は言えない」

ここで素直にユノがそうだと答えてくれたら、嬉しくてまたあのマンションに連れて帰って欲しいと願っていたかもしれないのに。

そのユノの不器用さが僕を無意識に傷付けるのだ──





「ユノ、僕は貴方が好きなんですよ。だからもう平気なフリしてあのマンションに戻る事は出来ないんです。だからユノだけ帰って下さい、お願いします」

トゥギの気遣いで胸の中に溜まっていた澱が除去されたお陰で、今まで隠していた思いの丈をすんなりと口に出来た。

そうして軽くなった胸に痛みが伴わないわけではないけれど、ヘジンの存在が身近になってしまった今の状況であのまま居候を続ける方がどれだけ辛い事か。

それをユノにどうしても伝えたくなった。


「どうしてそれを今言う、、っ!」

舌打ちと共にユノは怒りを露わにして嫌だと言うのに僕を無理矢理にでも連れて帰ろうとし出す。

揉み合っているうちに僕の肩が柱にぶつかり、ユノがハッと我に返ったみたいに強引な行為を止めて僕の体から手を離してくれる。

「僕は、、ユノが何を考えているのか分からなくなりました、、っ、どうして引いてくれないんですか!?」

痛めた肩がジンジンとして熱を持ち始めたからか、傍若無人振りのユノに対しても腹が立った。

だけど声を荒げた僕に反して、ユノは疲れたような声色で「大切にしたいと思うとこれだ」と髪の毛を無造作に掻き毟って呟く。

「大切にって、、ヘジンさんをでしょう…?僕じゃないのに…っ…」

ユノのマンションで盗み聞きした時、ヘジンはしきりにユノに訴えていた事があったんだ。

僕とユノが初めて出会ったあの日、ユノはヘジンとヨリを戻す為に会う予定だった。
だけどその場にヘジンが現れずに、ユノが再び振られる事になったと聞いていた。

でもヘジンはあの日ユノとヨリを戻すつもりでいた事。
そしてそれを父親に邪魔されて行けなかった事。

その二つの事実をユノに伝えようと必死だったんだ。

ヘジンもユノへの未練があるからこそ、父親の目を盗んでこんな夜更けにマンションに尋ねて来るぐらいの行動をみせたのだから、、、

二人の想いが通じた今、僕の気持ちは迷惑なだけなのに──









「頼むから黙って付いてきてくれ」





何故、ユノは分かってくれないんだろう……












ランキングに参加中です(*˘︶˘*).。.:*♡
1ポチ、1拍手を宜しくお願いします。
応援有り難うございます(。>∀<。)



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

関連記事
«  HOME  »
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。