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2018_06
06
(Wed)20:00

My Fair Lady #61








ユノは「あぁ」とか「そうか」とか、頷く事の方が多く。
その隙にユノから距離を取ったのにどうやら僕が離れたのも気付いてない様子で、会話に集中をしていた。

映画もすっかり終わっていたので、電源を落として立ち上がっても、ユノはまだ電話を終わらせる気はないようだ。

空になったワイングラスをキッチンへと片付けているとユノがおもむろにリビングから出て行ってしまう。

「えっ、ユノ!?」

相変わらず耳にはスマホを当てたままだったからてっきり仕事部屋にでも行ったんだと思っていたら。
ガチャッと玄関のドアが開く音が聞こえて、思わず耳を疑った。

だから暫く物音を立てずに耳を澄ましていたんだけど、こちらの方に来る気配は無いようで。
それならと、リビングのドアに近付いて玄関の様子が分からないかと耳をそばだててみた。

「・・・?誰だろ」

確かにユノと誰かの声が聞こえるのに会話の内容までは聞き取れない。

そっとドアを押し開けると、途端に隙間から相手の声が明瞭化されて届く。
聞こえて来たのは女性の声だった。
もしかしてヘジンとか、、?

そのまま二人の会話を盗み聞きしていると、しきりに女性は訴えるように必死に同じ事を言っているのが分かって来た。

どうやらその会話の内容から、玄関に居るのはヘジンだと確信したのだ。





「───あの。中に入って話したらどうです?僕は出ますから」

いきなり会話に割り込んだ僕をヘジンは驚いた顔で見た。
てっきり家にはユノしか居ないと思っていたんだろう。

ずっと盗み聞きしながら思ったんだ。
決して玄関の立ち話で済むようなそんな軽い内容じゃないって事を。

財布とスマホを持って出て行こうとする僕の腕をユノが掴む。

「何処へ行くんだ」

振り向くとユノは僕を見ていて、そしてヘジンも僕とユノの掴んだ手を見つめていた。

「家に戻るだけですよ?」

精一杯の笑顔を向けてそう言うと、ユノの手の力が緩む。

その隙をついてユノの手を払って玄関を出た。



エレベーターが来るまで少しだけ待ったけれど、ユノは追って来なかった。

「これでいいんだ…っ」

キシキシと軋む胸にそう何度も言い聞かせて、どんどん減少する階数表示をぼんやりと眺めた…







一階に着くと、エントランスの窓を叩きつけるような雨が降っている事に気付き、思わず舌打ちをしたい気分になる。

再び傘を取りに戻るわけにも行かないので、近くのコンビニまで走ればいいかと意を決した時。

「傘をお貸し致しましょうか?」と、不意に背後から声を掛けられてビクッと驚いてしまう。

「あっ、・・」

「あぁ、申し訳御座いません。驚かせてしまったようですね」

振り向くとそこにはあの好印象のコンシェルジュが立っていたのだけど…服装がいつのも制服ではなくて、明らかに私服だったので面食らう。

「どちらまでお出掛けでしょうか?もし宜しければタクシーも直ぐに手配させて頂きますが」

ユノのこのマンションから僕の住むアパートまで結構離れているので、タクシーを使った際の運賃を考えると末恐ろしい。
なのでその提案は申し訳ないと思いつつ却下させて貰った。

「せっかく心配して頂いたのにすみません。でも傘だけお借りしてもいいですか?今走ればまだ間に合いそうなんです。終電に」

「えぇ、それは勿論お貸し致しますが…電車に乗られるつもりならば私がその目的地までお送り致しましょう、ね?」

「えっ!?そんな、それはご迷惑ですし、、」

と遠慮がちに断ってもコンシェルジュの男性は「直ぐに車を回しますのでここでお待ち下さいね?」と笑顔でごり押しをした。

だからそんな風に強引に押し付けられたにしても、好意を無下にするわけにもいかず。
結局僕は大人しく車が来るのを待っていたわけで、、、









「お待たせしました。シム様、この瞬間から私と貴方は友人になります、いいですね?」

「は!?」

「愛称はトゥギですよ?シム様はチャンミナで宜しいですね。さぁチャンミナ、乗って乗って」

見るからにトゥギの愛車だと思われるスポーツカーにまだ納得していない僕を無理矢理押し込んでしまったんだ。









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