My Fair Lady #42

「あ・・・」
モニターに映る人物は先程別れたばかりのヒチョルだった。
モニターを使って解錠した途端、ドアを自ら開けて中へと入って来たので、ヒチョルを出迎える為にリビングのドアを開けて待つ。
「ユノはどうだい?俺の読みが当たっていたかな?確認しようにも出ないしね」
リビングテーブルの上に置かれたままのユノのスマホをヒチョルは指差して困ったもんだと笑う。
「もしかして電話してくれたんですか?」
「そう。もし君がユノの家に入れない場合を考えてね。けれど良かった、チャンミン君だけは番号をユノから聞いてたようで。いつの間にか番号が変わってたから俺はこの通り、玄関のドアすら開けられないだろ」
そう言えば、ヒチョルはエントランスのオートロックをどうしたんだろ…
「いえ、僕もこの玄関の暗証番号は知らないんです。エントランスだってコンシェルジュの人から入れてもらったので」
「…へぇ、そう。俺達はね、お互いに独り身が長いからそれぞれのマンションに関する解除や解錠の番号は変更と共に連絡し合うようにしているんだ。まぁ滅多な事がない限り無断で来たりはしないけど。そう…ユノは変更したのをまだ誰にも教えて無いって事か」
「多分、そうですね」
「ま、その件についてはユノから後で聞くとして。ユノの様子を見ても?」
「あっはい!こっちで今着替えさせようとしてました」
「着替え?そう言えばどうしてそんな格好をしているんだい?」
ヒチョルの白い指が僕の腰に触れる。
そこでようやく恥ずかしい姿で出てしまった事に気付いて慌てた。
「あのっ、これはっ///!」
「もしかしてシャワーの途中で呼び出したかな?それは悪かったね」
「いえ、大丈夫です。ちょっと僕も着替えて来ます」
僕は着替えをする為に部屋に行き、ヒチョルはユノの様子を見に寝室へと向かう。
ズボンを履き終えてその足でヒチョルとユノの居る寝室へ行くと、丁度ヒチョルが部屋の窓を開けようとしている所だった。
「換気ですか?」
「あぁ、何だか部屋の空気が淀んでいるし。入った途端変な臭いがしたんだ。俺まで具合が悪くなりそうだったよ」
「……っ、すみません///」
「うん?」
「いえ、、」
ヒチョルの言葉が耳に痛い。
その臭いの原因が自分にあると言えずに部屋の換気をする様子を黙って見守るしかなかった。
換気をして空気が澄んだ後、ヒチョルに手伝って貰いながらユノのパーカーを脱がす事に成功をし。
ついでに汗を掻いた体を拭いたらどうだと言ったヒチョルの提案に従う。
そして熱の高いユノの負担を考えて事前に二人でやる事を分担した。
ヒチョルはユノの残りの服を脱がせる事、僕は脱がせた所から汗を拭き取って体を綺麗にする事。
テキパキと指示をするヒチョルはもう既にユノの上半身を裸にしようとしていたので、急いで濡らしたタオルを用意しに行った。
「相変わらず良い体をしていて厭味な男だ」
タオルを持って戻るとユノはヒチョルの手によって全てを剥かれた状態で横たわっていた。
その側でヒチョルが繁々とユノの体を見て呟くので、これから汗を拭く為に体に触れようとする僕の方が物凄く気不味い。
決して疚しい気持ちを抱いて触れるわけじゃないが。
ヒチョルが感嘆の声を上げる程に確かにユノの体は同性から見ても魅力的過ぎるのだ。
「あっ、脇も拭いてやって。ユノは意外と毛深いから」
「あ、ハイ」
何気なくスルーしたのも見逃さないヒチョルのチェック振りに冷や汗が出る。
ユノの脇とか…マジマジと見る機会なんて無かったのに…
なんて事を思いながら脇を拭く為に腕を上げるとそこの茂みはぐっしょりと濡れそぼっていた。
「へぇ凄い汗だ」
体を乗り出して見ようとするヒチョルの横で雑念を捨ててタオルでそっと触れると「ん」と擽ったいのかモゾモゾとユノが揺れる。
「…ここが敏感なのか、ハハッ」
他人事だからってヒチョルはおかしげにユノの様子を見て笑うけど、僕はそんな風に笑う余裕が無い。
だって、あのユノが。
熱い吐息で「ハァ」って捩るなんて。
僕にとっては拷問に違いない、、、
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