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2018_05
14
(Mon)20:00

My Fair Lady #34








家に着くとユノは僕を先にシャワーを浴びに行くように促し、自分はこれから夜食を作ると言う。

何だかんだ甘やかされてる自覚はあるけど、今はまだそれに浸っていたいと思った。
いつこの部屋を去る事になるか、分からないのだから…



「はぁ~サッパリしました!ん、良い匂い」

「冷えたビールもあるぞ」

「えっビール、、飲みたかった~!」

磨かれたグラスにトプトプと黄金の液体が注がれ、キメの細い泡がしゅわしゅわと立ち上がる。
ユノは飲み掛けのグラスを持ち、僕に渡したグラスとかち合わせて一気に残りを飲み干した。

「俺もシャワーを浴びて来るから、ここにあるのを全部食べて構わない」

「あ、ハイ」

そう言い残してユノが離れたテーブルには手付かずのショートパスタと、ナッツとドライフルーツが盛られた皿が置かれている。

ナッツとドライフルーツの皿はきっちりと半分だけ食べられていたが。
小腹が空いたと言っていたのはユノなのに、その本人はわざわざ作ったパスタを手を付けずにいた事が不思議に思えた。

「あ…」

もしかしてよく食べる僕の為に作ってくれたとか・・?

「…ユノ…」

パスタはモツの味がして、少量でも濃厚な味わいが口に広がる。
そしてまだ温かいパスタが舌を伝わって心まで温めるようだった。
この温かさは、僕が浴び終わるタイミングを見計らって用意してくれたに違いないから…

こんなに優しい人を好きになるなって方が無理。

男に恋をしたんだじゃない。
ユノだから好きになったんだ。


口に含んだビールの苦味が、じわりと心に沁みた。






その夜、ユノが更に不思議な事をしていた。

寝るって段階になって、まだ仕事部屋に籠るユノに声を掛けに行くと。
案の定、先に寝てろと言われたので一人で寝室に向かった。

すると、広いベッドに異様な盛り上がりの山を見つけて唖然としたんだ。

「何だこれ・・・」

どうした事かともう一度ユノの居る仕事部屋に行って聞いてみたら、あれは自分が誤って僕を抱き締めない為の防護壁だと言う。

「…ユノ」

「あ?」

「それって壁作るぐらい人肌を欲してるって事ですよね?」

「……」

「僕は別に構いませんよ。ユノがパンツを履いてくれるなら」

「…分かった。検討しておく」


そう言ったユノは何だか複雑な表情をしていたので、山は崩さずに先に一人で眠る事にした。
ユノがどんな行動に出るのか、期待すれば目が冴えそうで、眠れ眠れと暗示掛けて目をきつく瞑った。


…けれど、やっぱり気になって仕方がないからか、変な時間にパチッと覚醒してしまったんだ。

そして同時にがっかりして肩を落とした。

僕の隣にはあの異様な盛り上がりが健在で、その向こうからユノの寝息が聞こえる。
体を起こして山の上から覗くと、ユノは険しい顔をして寝ていて物凄く哀しくなった。

山から手を伸ばし、そうっと布団を剥ぎ、緊張しながら恐る恐るユノの下半身を確認するとちゃんとパンツを履いていた事に更にがっくりとしてしまう。


「履いてくれたなら抱き締めてくれて良かったのに・・」

再び眠りに入る事が出来なかったので、暫くユノの寝顔を山の上から眺めた。

与えられるばかりの僕。
もし、こっちからキスをしたらユノはどうするのだろう…

けれどユノが決めた線引きを僕が勝手に飛び越えていいのかも分からない。

それにまだ僕には色々な覚悟は……

出来ていない。



だから今は眺めるだけで充分だと思う。








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