2018_05
13
(Sun)20:00

My Fair Lady #33








その後、ユノからキスを仕掛けられる事もなく車はマンションへと辿り着く。

唇はすっかりと乾き切ってユノの名残りを跡形も無く消し去ったというのに。
舌だけはいまだにあの生々しい感触を忘れていないんだ。
…困った。


「小腹が空くな」

ユノが喋る度にチラリと見え隠れするあの赤い舌が…僕の口の中を。

「えぇ。でもこんな時間に食べたらジムに行った意味が無くなりますよ?」

ムッ、と明らかに不満気に眉をひそめると口を真一文字に結んでしまう。
あぁ、、残念、舌が見えない…

「カロリーの低い物にすればいいだけの話だろ」

「…そうですね」

それなら僕を食べて、なんて、口をついて出そうになった自分に驚く。
ユノとどうのこうのしたいって願望は今のところないと思っていたのに…確実にいやらしい事を考えてた、、、

「どうした、暑いか?」

「あ、いえ、、」

急にユノと二人っきりでエレベーターと言う密室に居るのが恥ずかしい。

心臓が煩いし、ユノも近い。

口から飛び出しそうな程にドクドクする胸を押さえていたら、ユノが怪訝そうに「痛いのか」と聞いて僕の手の上から手を重ねる。

痛い、本当に痛い。

自分の手を突き破ってユノに見せ付けるつもりなんじゃないかって怖くなる程に心臓が跳ねてる、、

「気圧の変化に弱いのかもな、悪かった。気付かず」

「えっ」

何も言ってないのにユノの勘違いで心臓の痛みはエレベーターの上昇による気圧の変化の所為って事になったようだ。

でも。

背中を摩るユノの手が優しくて、このままその勘違いに流されてみようと思った。
撫でられる度に心臓は相変わらずきゅうっと縮んで苦しかったけれど、その痛みも悪くないなって…


「ところでお前の家は何階なんだ」

「4階です・・」

唐突だけど遂にその時が、来たか…
ユノが強引にこのマンションに連れて来てから初めて僕の生活を聞いて来るなんて、、

いつ帰れるのかとあんなに不安だったのが嘘みたいに今は逆にユノから離れたくないって考えている。
だけどいつまでもそんな生活は有り得ないんだから、いつかはユノも僕を元の生活に返すつもりなんだろうけど…

「ふ、それなら苦しくないな」

ユノが目尻を下げて柔らかに笑う。
珍しい仕草にどきんッと心が跳ねる。

「え、えぇ…」

トクトクと脈打つ手が震えた。
あぁ、、、やっぱり僕はユノが…

「着くぞ、具合悪ければ寄り掛かってていい」

「あ、は…い…」

僕が寄る前にユノの手が腰に回る。
触れられた所に神経が熱が集まって体が火照った。

本当は具合なんて悪くもないのにユノに触れられる熱さで立ち眩みが襲い、半分しな垂れるようにして歩いた。


この道が永遠に続けばいいのに。










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