My Fair Lady #29

「こんな所で油売ってていいのか」
サラダに手を付け出したユノがヒチョルに対して忠告したのに、ヒチョルは平然として。
「大丈夫、大丈夫。俺よりも優秀な人材が裏で上手くやってくれるから」
「その人材に同情するな」
「ハハッ、ユノが言うとやっぱり重みが違う。俺はいいんだよ、ホールのマスコットみたいなもんだから。彼女らの目の届く所に居るのが仕事だ」
言いながら愛想良く店内の女性客に手を振る。
即座にきゃあきゃあと反応が返ってきてヒチョルはご満悦だ。
「それならチャンミンも似たようなもんだ。”Haven”で女装して歌ってるからな。本人も客寄せパンダの自覚があるそうだし」
「ゆのっ!、」
うわ、人の口から聞くと凄い嫌だ、、、
「へぇ、チャンミン君は歌手かぁ。これは一度行かないとだな」
「あ、ハイ、お待ちしてます」
パリパリに焼かれたじゃがいもが香ばしくて大いに食欲をそそるのに。
ヒチョルとユノの会話に気取られて充分に堪能出来てない。
「ヒョン」
「ん?なんだい」
「そろそろメインだろ」
「あぁ、もういいのかな?チャンミン君がまだモグモグしてるからもう少し待とうかと思ってたんだけど」
「ヒョンが居るとゆっくり食べられないだろ」
「え、そう?」
「、そ、んなっ!ん゛」
慌てて否定しようと思ったら思いっ切り喉にじゃがいもが詰まった。
「ふふ、空気を読まなくて悪かったね。メインを用意してくるからごゆっくり」
トントンと、僕の背中を数回叩いてヒチョルは席を外した。
「ユノッあの言い方は失礼じゃないですか!?」
喉の詰まりを水で流し込んでからユノに抗議をしようとしたら。
「あ?本当の事だろうが。俺の作った物を食べる時、お前はもっと良い顔をする」
「え、」
「ヒョンもそんな風に食べて貰えたら幸せだと思ったまでだ」
「・・・・」
何というか。
凄く照れた、、、、確かにユノの料理は美味しくて感激モノだったけど、それを食べる僕の顔までユノが観察していたなんて…
「おい」
「は、///ぃ?」
「…なんて顔してんだ」
「えッ??」
「まぁ。いい」
そしてむっつりとまたユノは黙って目を閉じた。
遅れてメインの料理が出て来た頃には、店内のピークは過ぎていて。
カチャカチャとフォークを使う音がやけに響いてぎこちなかった。
ユノに見られてるかもと思いながら食べる気恥ずかしさで。
結局、僕は上手く食べられたのか分からない。
でも、その日の僕のステージを、ヒチョルは約束通り観に来てくれていた。
それをステージの袖から確認をしてホッと胸を撫で下ろす。
「良かった・・・でも何であのメンツなんだ?」
今日も”RESERVE”の席札が置かれたテーブルに、ユノとヒチョル。
その他に…………見知った顔が、、、、
ドンへ、ヒョク。
あと、シウォンも居たんだ。
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