いとしの癖っ毛#4 -理由-
平日は俺が仕事に行ってるからって、その不在の間にチャンミンは部屋に戻っているようだった。
そして、俺が帰宅する時間になると忽然とチャンミンは姿を消した。
だけどそれは平日だけの話だとばかり思っていたんだ、俺は、、、、
「なによ、そんな辛気臭い顔してぇ。休みなのがそんなに嫌なわけ?」
「・・・・はい、まぁ」
スグンを迎えに来たボア姐さんが俺の顔を見るなり眉間に皺を寄せるのも無理はない。
チャンミンを傷付けてしまったあの日以来、チャンミンと逢えない日々が続いていたけれど、休みになったらチャンミンに謝れると思っていたんだ。
なのに…
待てど暮らせどチャンミンは来ず。
その代わりにスグンが遊んでとせがんで上がり込み、気付いたらとっぷりと日が暮れる時間になっていた。
「トミーから聞いたけど、チャンミン最近朝帰りしてんだって?あんた一体、何したのよ。ほらっあたしの目ぇ見て正直に言いな!」
ひっ、怖っ、、
ボア姐さんは昔々、族の頭を張っていたなんて噂があるらしい。
って、これもトミーさんからの情報なんだけど。
俺よりもうんと小さい筈のボア姐さんは、怒るとその威圧感は半端じゃなかった。
だから洗いざらい俺はボア姐さんに事の起こりから顛末まで話す羽目になってしまって、、
「チャンミンを傷付けただぁ~!?あんた、ほんと最低な男ねぇ、、スグンが居るから我慢するけど、その股に付いてるやつをちょん切ってやりたいところよっ!!」
「え゛ぇ!?」
慌てて股間をボア姐さんから隠すと、舌打ちをしながら「本気にしないでよね、ばぁか」と鼻で笑われてしまう。
「事情は分かったけど、チャンミンはなんであんたの事追い出さないのかしら。顔を合わせたくないくらいに傷付いてんのに、ねぇ?」
「……ですよね……すみません」
「あたしに謝ったってチャンミンは帰って来ないけどね~~。で?チャンミンの居場所に心当たりでもあるわけ?」
「いぇ。ないです…チャンミンの交友関係とか全然知らないんで」
「ふぅん。知らないで恋人やってたんだ、あっそ」
ボア姐さんの言う事はいちいち棘があって俺の心を虐めたけれど、どれもこれも本当の事なので反論のしようがない。
実際、交際期間だけ見れば6年は短くない筈なのにいまだにチャンミンがソウルでどんな友達と遊んでいたのかも知らないでいた。
恋人なのに…知らないんだ、全然。
「ボアさんは心当たりがあるんですか、チャンミンの居場所を…」
ボア姐さんは細く息を吐き出すようにして「多分ね」と答えた。
ボア姐さんが『多分』と言った場所はキーちゃんが夜の蝶として輝いているお店から少し離れた路地にひっそりと佇む店の事を指した。
ちなみにボア姐さんが席を置かせて貰ってるジャズバーはもう少し繁華街の方にあるらしいけど、ボア姐さんも以前はこの辺りで働いていたと言う。
『その界隈じゃあ、チャンミンってちょっとした有名人だもの。あのなりで人恋しそうにしてたら声掛けられないわけないでしょうが』
そんな風にボア姐さんが溜め息を吐きながら言うから俺は気が気じゃなくて着の身着のまま、慌てて飛び出して来てしまっていたんだ。
まるでちょっとそこのコンビニまでね、って感じのサンダル履きとよれよれのシャツという姿は、まだ本格的な営業時間には早い所為なのか人通りが無い分、俺のラフ過ぎる格好がやけに目立つような気がした。
だけど今はそんな事を気にしている場合じゃないんだ!
チラチラと擦れ違う人々から向けられる視線を無視しつつ、俺は目的地まで急いだ。
「すみ…ません、あ、今晩は」
「いらっしゃいませ」と落ち着いた雰囲気の男性がカウンターの中から俺に挨拶を返す。
思ってた程、変わった所じゃない事に安堵してホッと息をつくと。
「初めてですね?何かお困りごとでも?それとも探し人でしょうか」
と、まるで胸の内を見透かされたみたいにその男性に畳み掛けられて思わずチャンミンの名前を叫びそうになって慌てて口を噤む。
ボア姐さんから、あぁ言う所だと本名は伏せる人が多いって事前に聞いてたもんでね。
「言い難い事でしたら…もう少しこちらに寄って頂けますか?」
俺が入り口で立ち往生してても拉致があかないと思ったのか、その男性は自分がここのマスターだと名乗るとカウンターまで手招いて内緒話でもするような仕草をして見せる。
そんな気遣いに俺の中の警戒心も解かれ、身振りで手振りでチャンミンの特徴を伝えると、逢いたい、今すぐにでも逢って話しがしたいんだと切々と訴えた。
「そう、貴方でしたか…ミヌ君の待ち人は」
目を眇めながら俺にマスターは笑い掛けると、奥のテーブル席へと案内し。
「そろそろこちらのオーナーがいらっしゃると思いますので、それまでここでお待ち頂けますか」
「え、、オーナー、って…」
「大丈夫です。物腰の柔らかい方です、ご心配無く。皆さんからは”ヨン様”と呼ばれて慕われてるんですよ。貴方もそう呼んだらいい」
茶目っ気たっぷりの笑顔でマスターが微笑むと、コトリと俺の目の前に琥珀色の飲み物が置かれる。
「待つ、と言う時間をお楽しみ下さい」
角のない氷がゆっくりと動いた。
程なくして店に現れた人がマスターの言うヨン様なのだと見てすぐに分かった。
入って来た瞬間からニコニコと笑顔が絶えなく、二言三言カウンターの中のマスターとやり取りをすると、その視線が俺へと向けられる。
まだグラスの中の液体は殆ど減っていないし、酔ってもいない筈なのに酷く緊張をした。
「やぁ、今晩は。ここ、いいかな?」
「あ、ハイどうぞ」
向かいの席にヨン様が座るとマスターはビールをテーブルに置いて立ち去る。
店の客は四人、俺とヨン様の他にカップルがひと組居た。
「先に僕は君に謝らなければいけないな」
「えっ…」
「僕等は君と言う大切な存在を知らずにね、今までチャンミン君と…」
衝撃的だった。
偽名を使っていた筈なのに、この人は何故チャンミンの事を”チャンミン君”と言うのか。
「あのっ!チャンミンは今どこに居るんですか!?貴方はチャンミンの居場所を知ってるんですか、、」
焦りと不安と。
そして一抹の寂しさと。
俺の知らないチャンミンがその口から語られるのがただ怖かった。
「僕達は彼の本当の笑顔を見た事がないんだ。逢えば必ず泣いていてね…いつも笑わせてあげられたらって思ったけど、それは僕等の役目じゃなかったようだね。…じゃあ行こうか、チャンミン君の所へ」
ヨン様に連れ立って向かった先はお家賃高めな高層マンションの一室で。
今住んでる所との落差にほうけている俺に「ここは僕のパートナーが使う事が多いかな。ちょっとでも喧嘩すると拗ねてここに閉じ籠るんだけどね」と笑った。
「チャンミンは・・・?」
「まだ奥で寝ているようだね。パソコンが冷たいから寝たばかりって事は無さそうだけど。どうぞ、腰掛けて」
「あ、、ハイ…」
この人はチャンミンの生活スタイルも良く知っているらしい。
「ごめんね。誤解しないでって言い方はあれだけど、僕にはテミンって言うパートナーが居てね。その彼と交えて何度かチャンミン君とは関係を持ったのは事実なんだ。今更隠しても仕方ないから言ったけど…ショックだったかな」
薄々、そんな感じはしていた。
チャンミンの手管からして男慣れしてるとは思ってたし、、、だけど実際、寝てた男に自分がその人物ですって言われるとは思ってもみなかったから……
「…複雑です、、、」
「うん、…でも、本当の事だから」
そう言ってにっこりと綺麗に笑ったヨン様に毒気が抜かれた。
その後、ヨン様とは取り止めのない話をしていたけど、パートナーだって言うテミンからの呼び出しが入り、俺は一人で部屋に残ると言って彼を見送った。
寝ているって分かっていてもやっぱり顔が見たくて奥の寝室に移動したら、チャンミンは薄手の毛布の中でぎゅっと自分の体を包みながら眠っていた。
「チャンミン……………」
そっと顔を覗き込むと、泣き腫らしたように目の縁が赤くて…心臓が鷲掴みされたみたいに痛んだ。
「ごめんな、ほんと、、ごめん……」
寝ているチャンミンに謝っても仕方がないって分かっててもどうしようもなくて…
謝りながらただただひたすらチャンミンを愛おしいと撫でた。
「ゆ、の…、?」
ごそりと寝返りを打つ音と共にチャンミンがそう呟き、寝起きの第一声が俺の名を呼んでくれた事に胸が打ち震えた。
「チャンミン、、!」
ガバッと寝起きの体を抱き締めると、チャンミンの体から力が抜けるのが分かった。
「やっと…本物に逢えた…?」
そう言ってチャンミンは潤んだ瞳で小さく笑った。
俺がソウルに来て同棲してすぐの頃の話、チャンミンにどうしてそんなに俺の事が好きなのかと問い掛けをした事があったんだ。
ボア姐さんが耳にしたら野暮ねぇって呆れられるだろうけど、ずっと前から気になってたんだから仕方がない。
するとチャンミンは少し考え込んでから、『気付いたらもうそれ以外の感情が当てはまらなかったって感じかな…好きになるのに理由って無いと思うよ』と。
困ったように笑ったんだ。
ほんと、その通りだった。
人を好きになる事に理由なんて無かった…
「好きだッ、、も、絶対に離さない……っ」
チャンミンのこの笑顔を引き出せるのはこの先もずっとずっと…
俺は譲らない。
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そして、俺が帰宅する時間になると忽然とチャンミンは姿を消した。
だけどそれは平日だけの話だとばかり思っていたんだ、俺は、、、、
「なによ、そんな辛気臭い顔してぇ。休みなのがそんなに嫌なわけ?」
「・・・・はい、まぁ」
スグンを迎えに来たボア姐さんが俺の顔を見るなり眉間に皺を寄せるのも無理はない。
チャンミンを傷付けてしまったあの日以来、チャンミンと逢えない日々が続いていたけれど、休みになったらチャンミンに謝れると思っていたんだ。
なのに…
待てど暮らせどチャンミンは来ず。
その代わりにスグンが遊んでとせがんで上がり込み、気付いたらとっぷりと日が暮れる時間になっていた。
「トミーから聞いたけど、チャンミン最近朝帰りしてんだって?あんた一体、何したのよ。ほらっあたしの目ぇ見て正直に言いな!」
ひっ、怖っ、、
ボア姐さんは昔々、族の頭を張っていたなんて噂があるらしい。
って、これもトミーさんからの情報なんだけど。
俺よりもうんと小さい筈のボア姐さんは、怒るとその威圧感は半端じゃなかった。
だから洗いざらい俺はボア姐さんに事の起こりから顛末まで話す羽目になってしまって、、
「チャンミンを傷付けただぁ~!?あんた、ほんと最低な男ねぇ、、スグンが居るから我慢するけど、その股に付いてるやつをちょん切ってやりたいところよっ!!」
「え゛ぇ!?」
慌てて股間をボア姐さんから隠すと、舌打ちをしながら「本気にしないでよね、ばぁか」と鼻で笑われてしまう。
「事情は分かったけど、チャンミンはなんであんたの事追い出さないのかしら。顔を合わせたくないくらいに傷付いてんのに、ねぇ?」
「……ですよね……すみません」
「あたしに謝ったってチャンミンは帰って来ないけどね~~。で?チャンミンの居場所に心当たりでもあるわけ?」
「いぇ。ないです…チャンミンの交友関係とか全然知らないんで」
「ふぅん。知らないで恋人やってたんだ、あっそ」
ボア姐さんの言う事はいちいち棘があって俺の心を虐めたけれど、どれもこれも本当の事なので反論のしようがない。
実際、交際期間だけ見れば6年は短くない筈なのにいまだにチャンミンがソウルでどんな友達と遊んでいたのかも知らないでいた。
恋人なのに…知らないんだ、全然。
「ボアさんは心当たりがあるんですか、チャンミンの居場所を…」
ボア姐さんは細く息を吐き出すようにして「多分ね」と答えた。
ボア姐さんが『多分』と言った場所はキーちゃんが夜の蝶として輝いているお店から少し離れた路地にひっそりと佇む店の事を指した。
ちなみにボア姐さんが席を置かせて貰ってるジャズバーはもう少し繁華街の方にあるらしいけど、ボア姐さんも以前はこの辺りで働いていたと言う。
『その界隈じゃあ、チャンミンってちょっとした有名人だもの。あのなりで人恋しそうにしてたら声掛けられないわけないでしょうが』
そんな風にボア姐さんが溜め息を吐きながら言うから俺は気が気じゃなくて着の身着のまま、慌てて飛び出して来てしまっていたんだ。
まるでちょっとそこのコンビニまでね、って感じのサンダル履きとよれよれのシャツという姿は、まだ本格的な営業時間には早い所為なのか人通りが無い分、俺のラフ過ぎる格好がやけに目立つような気がした。
だけど今はそんな事を気にしている場合じゃないんだ!
チラチラと擦れ違う人々から向けられる視線を無視しつつ、俺は目的地まで急いだ。
「すみ…ません、あ、今晩は」
「いらっしゃいませ」と落ち着いた雰囲気の男性がカウンターの中から俺に挨拶を返す。
思ってた程、変わった所じゃない事に安堵してホッと息をつくと。
「初めてですね?何かお困りごとでも?それとも探し人でしょうか」
と、まるで胸の内を見透かされたみたいにその男性に畳み掛けられて思わずチャンミンの名前を叫びそうになって慌てて口を噤む。
ボア姐さんから、あぁ言う所だと本名は伏せる人が多いって事前に聞いてたもんでね。
「言い難い事でしたら…もう少しこちらに寄って頂けますか?」
俺が入り口で立ち往生してても拉致があかないと思ったのか、その男性は自分がここのマスターだと名乗るとカウンターまで手招いて内緒話でもするような仕草をして見せる。
そんな気遣いに俺の中の警戒心も解かれ、身振りで手振りでチャンミンの特徴を伝えると、逢いたい、今すぐにでも逢って話しがしたいんだと切々と訴えた。
「そう、貴方でしたか…ミヌ君の待ち人は」
目を眇めながら俺にマスターは笑い掛けると、奥のテーブル席へと案内し。
「そろそろこちらのオーナーがいらっしゃると思いますので、それまでここでお待ち頂けますか」
「え、、オーナー、って…」
「大丈夫です。物腰の柔らかい方です、ご心配無く。皆さんからは”ヨン様”と呼ばれて慕われてるんですよ。貴方もそう呼んだらいい」
茶目っ気たっぷりの笑顔でマスターが微笑むと、コトリと俺の目の前に琥珀色の飲み物が置かれる。
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程なくして店に現れた人がマスターの言うヨン様なのだと見てすぐに分かった。
入って来た瞬間からニコニコと笑顔が絶えなく、二言三言カウンターの中のマスターとやり取りをすると、その視線が俺へと向けられる。
まだグラスの中の液体は殆ど減っていないし、酔ってもいない筈なのに酷く緊張をした。
「やぁ、今晩は。ここ、いいかな?」
「あ、ハイどうぞ」
向かいの席にヨン様が座るとマスターはビールをテーブルに置いて立ち去る。
店の客は四人、俺とヨン様の他にカップルがひと組居た。
「先に僕は君に謝らなければいけないな」
「えっ…」
「僕等は君と言う大切な存在を知らずにね、今までチャンミン君と…」
衝撃的だった。
偽名を使っていた筈なのに、この人は何故チャンミンの事を”チャンミン君”と言うのか。
「あのっ!チャンミンは今どこに居るんですか!?貴方はチャンミンの居場所を知ってるんですか、、」
焦りと不安と。
そして一抹の寂しさと。
俺の知らないチャンミンがその口から語られるのがただ怖かった。
「僕達は彼の本当の笑顔を見た事がないんだ。逢えば必ず泣いていてね…いつも笑わせてあげられたらって思ったけど、それは僕等の役目じゃなかったようだね。…じゃあ行こうか、チャンミン君の所へ」
ヨン様に連れ立って向かった先はお家賃高めな高層マンションの一室で。
今住んでる所との落差にほうけている俺に「ここは僕のパートナーが使う事が多いかな。ちょっとでも喧嘩すると拗ねてここに閉じ籠るんだけどね」と笑った。
「チャンミンは・・・?」
「まだ奥で寝ているようだね。パソコンが冷たいから寝たばかりって事は無さそうだけど。どうぞ、腰掛けて」
「あ、、ハイ…」
この人はチャンミンの生活スタイルも良く知っているらしい。
「ごめんね。誤解しないでって言い方はあれだけど、僕にはテミンって言うパートナーが居てね。その彼と交えて何度かチャンミン君とは関係を持ったのは事実なんだ。今更隠しても仕方ないから言ったけど…ショックだったかな」
薄々、そんな感じはしていた。
チャンミンの手管からして男慣れしてるとは思ってたし、、、だけど実際、寝てた男に自分がその人物ですって言われるとは思ってもみなかったから……
「…複雑です、、、」
「うん、…でも、本当の事だから」
そう言ってにっこりと綺麗に笑ったヨン様に毒気が抜かれた。
その後、ヨン様とは取り止めのない話をしていたけど、パートナーだって言うテミンからの呼び出しが入り、俺は一人で部屋に残ると言って彼を見送った。
寝ているって分かっていてもやっぱり顔が見たくて奥の寝室に移動したら、チャンミンは薄手の毛布の中でぎゅっと自分の体を包みながら眠っていた。
「チャンミン……………」
そっと顔を覗き込むと、泣き腫らしたように目の縁が赤くて…心臓が鷲掴みされたみたいに痛んだ。
「ごめんな、ほんと、、ごめん……」
寝ているチャンミンに謝っても仕方がないって分かっててもどうしようもなくて…
謝りながらただただひたすらチャンミンを愛おしいと撫でた。
「ゆ、の…、?」
ごそりと寝返りを打つ音と共にチャンミンがそう呟き、寝起きの第一声が俺の名を呼んでくれた事に胸が打ち震えた。
「チャンミン、、!」
ガバッと寝起きの体を抱き締めると、チャンミンの体から力が抜けるのが分かった。
「やっと…本物に逢えた…?」
そう言ってチャンミンは潤んだ瞳で小さく笑った。
俺がソウルに来て同棲してすぐの頃の話、チャンミンにどうしてそんなに俺の事が好きなのかと問い掛けをした事があったんだ。
ボア姐さんが耳にしたら野暮ねぇって呆れられるだろうけど、ずっと前から気になってたんだから仕方がない。
するとチャンミンは少し考え込んでから、『気付いたらもうそれ以外の感情が当てはまらなかったって感じかな…好きになるのに理由って無いと思うよ』と。
困ったように笑ったんだ。
ほんと、その通りだった。
人を好きになる事に理由なんて無かった…
「好きだッ、、も、絶対に離さない……っ」
チャンミンのこの笑顔を引き出せるのはこの先もずっとずっと…
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