2017_09
02
(Sat)00:00

Yes, my lord.~執事の素性~#1







「…っ、此処は……?」


意識が覚醒し出すとやたら上質な手触りに包まれている事に先ずは驚いた。

見慣れない部屋の様子に一瞬混乱したが、直ぐに昨晩の事を思い出して迂闊にもユノ様に挨拶もせずに寝入ってしまったのだと理解したのだけれど、、、

「だけど、どうして裸なんだ…」

正確にはシルクのバスローブを一枚纏っているが…それ以外が無い。

スーツを脱いだ覚えも、ネクタイを引き抜いた事も、そして…下着も一切合切記憶が無いのにいつの間にか剥かれている自分の身に血の気が引く。

「まさか、、ユノ様が…?」

慌てて時計で時間を確認すると、普段のユノ様ならまだ就寝している時間だった。

「うわ、どうしよう…あっ、着替えがある…」

昨夜は身一つでユノ様に騙されてホテルまで連れられて来たから、この着替えは恐らくユノ様が御準備してくれた物だろうけど…

「はぁ、、いきなり秘書役を演じてくれって言ったかと思ったら、それは嘘で?結局ディナーのフルコース食べるだけだったって、、、ユノ様は一体何をしたかったんだ…」

頭を抱えて悶えるのは、もはや近頃では癖になりつつある。
それもこれも僕が仕えているユノ様の行動パターンが読めなさ過ぎるからだと言うのに。

僕がここまで振り回される理由は何なのか、、、


「深く考えるなチャンミン…まだ試用期間は残ってんだぞ、、!ユノ様は不思議な方だ、それは分かってる。だけどそれでも仕えたいんだろ?」

ブツブツと念仏のように自分に言い聞かせるうちに身体が動き出す。

「邪念は試用期間に無用、ユノ様は僕にとって主人だ。ただそれだけの関係」

用意されていた着替えはどれも新品で、一見ラフな格好に見えるが。
袖を通すと一流の証のように、その着心地の良さを実感する。

「サイズがぴったりだ…いや!勘違いはするなチャンミン!!いっ、、つ、、」

頬を思いっ切り両手で叩いたら流石に痛かったが、これで完全に目が覚めた。


僕が寝ていたゲストルームを出てユノ様の姿を探そうとしたらリビングの方角から明らかに良い匂いが漂って来て足が自然とそちらに向かう。

「あ、ユノ様…お早いお目覚めで御座いますね」

ユノ様はソファに寛ぎながら新聞を読んでいた。
ぎこちなく挨拶をすると、ふっ、と柔らかく朝日に包み込み込まれたままでユノ様が笑みを溢した。

今日も間違い無くユノ様は素敵だ…

気を抜くと常にユノ様の魅力に囚われてしまう、危ない危ない。


「勝手な見立てで選んだが、よく似合ってるようで安心した」
「申し訳御座いません。昨晩の非礼も御座いますのに、このような待遇までして頂きまして…」
「ははっ、余程昨日は気を張っていたのだろう。俺が連れ回したのが原因なのだから、服はその詫びだと思って構わない。それよりも先にシャワーを浴びるか?それとも食事にするか?」
「あ、では先に食事に致しましょう。もうそれもユノ様に御用意させてしまい申し訳御座いませんが、、」

ダイニングテーブルの上にずらっと用意されたモーニングが、僕の空腹を刺激していたのだ。

シャワーよりも食事を選んだ僕をユノ様は愉快そうに笑う。

だけど笑ったユノ様が組んでいた脚を直して立ち上がる瞬間にバスローブの隙間から御開帳されたモノに目が釘付けになった。

「あのっ、、ユノ様」
「どうした、赤い顔をして暑いのか?」
「い、いえ!どうか下にお召し物をお願い致しますっ///!」
「…あぁ、失念していたな。済まない。見苦しい物を見せてしまったようだな」
「……いえ、そのような事は御座いませんが」
「じいにキツく言われてたのだ、自分の後継者であるチャンミンにはそのような無防備な姿を晒してはいけないとな。だが気を抜くとついこれだ」

ははっと爽やかに笑ってユノ様はどうやら着替えを済ませる為にまた寝室に戻るようだ。

・・・と、言う事は。

イ・ソジン様の前では常にアレをオープンだったわけか、、?

「………くそっ!イ・ソジン様の独り占めか、、」

はしたなくも高級なペルシャ絨毯で朝から地団駄を踏む僕であった。













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