2017_08
30
(Wed)00:00

イクメンウォーズ Season2 #35







「え、、それってどう言う意味なんですか!?」
「取り敢えず話は服を着てからだ」
「あ、はい…じゃあ僕取って来ます」
「いや、チャンミンはここで待ってろ」

言うが早いか、また蓑虫のままの僕だけを残して行ってしまう。

そして数分後に戻って来た園長によって、ボクサーパンツとTシャツのみというとってもラフな格好に着替えさせられて髪まで乾かして貰ったんだ。

かなり至れり尽くせりだけど、、こそばゆい感じ…////


僕を仕上げてから園長は自分の髪を乾かして、そしてボクサーパンツ一丁だった所にやっとTシャツを着たんだけど。

「…っ、くしゅ」
「わわわ!風邪引いたんじゃないんですか!?今、温かい物作りますね」
「あ゛?くしゃみしただけだろうが、あたふたすんな」
「あたふたって、、ただ心配しただけなのに…」
「……悪りぃ、言い方キツかったな。心配すんな、大丈夫だからお前は座ってろ」
「え…はい…?」

珍しい・・・園長が素直に謝った…
しかも僕をソファに座るように促して、自分はキッチンに向かったって事は………

「ジロジロこっち見んな。どうせ俺は碌なもん作れねぇからな。ラーメンだ、ラーメン」

じーっと僕がリビングから見ていたのを感じ取ったらしくて、ぶっきら棒に言い放たれてしまったけれど。

「…ふふっ…」

園長がとことん僕を甘やかすと決めたのなら、それを素直に受け容れようと思ってクッションを抱き締めた。








「見た目はあれだが、腹に入りゃ関係ねぇよな」
「……はい。…ふふふ、、」
「くそッ、笑ってんじゃねぇぞこの野郎…あん?要らねぇんだな!?」
「えッ!違います!食べます!頂きますっ!!」
「チッ、なら笑うんじゃねぇよ」

ドンッとダイニングテーブルの真ん中に置かれた金色の鍋の中は若干伸びた麺と、ブツ切りのネギと、そして綺麗に割る事が出来なかったであろう生卵が殻付きでぐちゃっと乗っていた。

見た目は本当に最悪だけど、園長の言う通りに腹が満たされれば問題が無いわけだし。

なんて言ってもあの園長の手作りだと思うと嬉しくて、早速箸を伸ばして麺を取ろうとしたら。

「待て、先に混ぜんだろうが」

言うなり殻も取らずに卵を箸で潰すとそれをぐちゃぐちゃにして、更にネギと麺を大きく掻き回し出す。

「えんちょ、、もういいんじゃ…」

ご馳走を目の前にしてずっとお預けなのが流石にキツイし。
掻き回す度に麺がどんどん伸びてデロデロにふやけて行くのが少し悲しくなって僕は情けない声で訴えたんだ。

「ん、もういいか?んじゃほらよ」
「えッ!」
「遠慮すんな、食え」
「は、はい///」
「旨いか?」
「ん、、お、い、、ひ」
「そうか。じゃ次は卵な」

正直、どれが卵でどれが麺なのか判別不可能な塊を園長は僕の口に入れようと箸を持って待っていて。

まだ口の中にはさっき食べさせて貰った麺が残っていて、ガリッと殻らしき嫌な音もしたけれど。

それを取り出す事も出来ずに次々に園長は僕の口が開くのを待ち続けたんだ。





「もう、、お腹いっぱいですっ!」

結局、僕が最初に握った箸はそのまま使う事も無く。
園長は自分で食べる事もせずに僕の世話をしてからと思ったのか、僕が腹が膨れてもう要らない宣言をした後からやっと自分の口に麺を入れたんだけど、、、


「まず、、っ、」

口に入れた途端に顔を顰めて箸を置いてしまった。

「無理して食べたのか………?」

お腹を摩る僕をまるで捨てられた仔犬みたいな目で見つめるから、卵の殻が邪魔だった事は隠して。

「僕のは美味しかったですよ?園長は僕に食べさせていたから麺が伸びちゃったんですよね」

慰めるつもりで言った。



「はぁ…情けねぇな、やる事なす事空回ってらぁ…」


珍しく、自信を喪失した園長がそこに居たんだ。

普段のオールバックを解いたサラサラの髪は、園長を幼く見せた……













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