2017_08
29
(Tue)00:00

イクメンウォーズ Season2 #34








「精巧な腹時計だな」

くくくっと園長に笑われて僕は本当に恥ずかしかった。

何故なら給湯のタッチパネルに表示されていたデジタル時計の時刻は12時を少し過ぎた辺りだったから、、、

「ちょっと待ってろ、直ぐ俺も出るから」

そう言われてガシガシと頭をタオルで拭かれるなり、全身を大判のバスタオルでぐるぐる巻きにされて浴室から出されてしまった。


「へ…?待つの、、?」

もうさっきみたいに歩けないわけじゃ無いとは思うんだけど、園長が待てと言うなら大人しく待つに限る。

タオルで蓑虫みたいに丸められたまま待つ事数分、ホカホカの湯気の中から園長が姿を現わす。

普段、僕は熱めが好きだから設定温度は高くするんだけど。
園長は逆で、シャワーの温度も低めに設定し直してるって前にブツブツと文句を言われた事があった。

だからさっき、僕の身体を洗ってくれた時は意識して温度設定も上げてあった筈なのに。

それを直さずに浴び終える程、急ぎたかったって事なんだろうと思うと。
あのホカホカの湯気を見ながら自然と顔がニヤけてしまう。

「なに人の裸見てニヤついてんだ」

言われてハッと我にかえると、目の前では園長の息子がででん!とご開帳状態。

「わっ///!」

まじまじと平常モードのソレを見る機会なんて滅多にない事で驚きながらも、思わずそこを凝視してしまった。

「あ、なんだ?何が言いてぇんだ」

見れば見る程、他を圧倒するサイズ感だって事を素直に伝えるべきか。

「いぇ、、その…御立派だな、って思って」

タオル蓑虫で丸まってる僕は園長を見上げようとすると、その御立派なモノが視界を邪魔する程だ。

「その所為で特注したんだろうが」
「そっか、そうでしたね…」
「チッ、嫌な記憶だぜ」
「…………」
「んぁ?まだ何か言いてぇのか」

僕が凝視していたソレがバスタオルに覆われて視界から消えた代わりに。
不機嫌さを露わにしながらも僕の心理をしっかりと読み取っていた園長にそう聞かれてしまう。

言いたいっていうか…気になるから、、やっぱり聞いてみようかな…


「…その特注品のファールカップを作った時って、、その下着メーカーのスタッフさんが採寸したんですか、、?」

尋ねた途端に、どよんとその場の空気が淀んだんじゃないかって思う程に園長のテンションが下がっていたのが目に見えて分かってしまった、、、

き、聞かなきゃ良かった、、かな、、?


「…あぁ、、その通りだ。今思い出してもあの屈辱は忘れねぇ、、」

ブルブルと固く握り締めた拳が震えるくらいの黒歴史…じゃあなんで………

「……引き受けたんですか…?」

話を聞く限り今よりももっと若い頃の話のようだし。
今の園長でこの気性の荒さならその当時は輪をかけて凄かったのではないかなって、、

それを口にしてみたら、園長はむっと黙って僕を見下ろす。


「……すみません、変な事まで聞いちゃったかな…」

見下ろす顔が怖かったわけじゃないけど、沈黙に耐えられなくて思わず謝っていた。

立ち尽くす園長の濡れた髪の先っぽは雫の玉を作り始めている。



「……お前に見つけて欲しかったんだ」

ボソッとまた呟くような告白をした園長は、また下唇を突き出して拗ねた園児みたいな表情をしていたんだ……











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