2016_11
24
(Thu)00:00

イクメンウォーズ Season2 #8









「脱げ」



命令とも取れるその言葉とは裏腹に、園長の目元は涼やかに笑みを作っていた。

切なそうにしたかと思えば急に真顔になって、そうかと思っていたらこうして今は笑ってるし。

公私共に一緒に過ごす時間が増えたと言うのに、僕の心はいつまでも園長によって揺さぶられっぱなしだ。


…でも、内心はそれがとても嬉しかった。


僕、、、だけ…僕…だから……こうなるんだって……分かってるから…


ジッパーを下ろす指が震え、もたつく僕を目を細めて見つめるその顔にさえゾクッと粟立つ。

触れもしないのに、期待で胸が膨らむと言うか…

無意識に呼吸のピッチが上がり出していた。


まだ脱ぎ途中だと言うのに至近距離で手も出さず見下ろされ。

僕は既に丸裸にされたみたいに恥ずかしかった。

これから半身晒すってのに、今からこんなに恥ずかしがってどんすんだよ、、僕は……


でも、もたついて一向に脱ぎ終わらない状況なのに。

園長は舌打ち一つせずにジッとしているだけ。


だから、なんだかかえってヤバイんだ。




例えば。


自慰を誰かに見られるならこんな感じじゃないかって、、、

一瞬でもそう考えたらもう指先から何まで熱くなってしまって。


あと少し…下着から足を抜けば終わりなのに……



「……エロ」



園長の呟きが頭上から降って来る。

それもそう…

下半身をガチガチに反り勃たせたままで中途半端に下着を脱げずに荒い息を吐き出しているんだもの。

エロい、もっともだと思った。



「…ったく、お前は…」



まだ足には下着が絡まったまま。
けれど、内腿に熱い吐息を感じる。

そんな吐息だけでも僕を刺激するには充分過ぎた。


「んっ、は、、」


腿に触れるか触れないか、ギリギリまで近付いていた顔が不意に上を向き。

赤く突き出た舌が僕の肌のほんの上辺を掠め取っていく。

そして、そのまま。

赤い舌は獲物を物色するかの如く、下唇の表皮を舐め回す。

元々張りのある唇がぽってりとした質感を更に高めたた為に。

今か、今かと待ちわびる熱を。

僕はそれに擦り付けずにはいられなかった、、、



「蜜を舐めて欲しいか」



唇が押し当たったままで、まだそんな事を僕の瞳を見つめて問う意地悪な人…



僕はもう、、、気持ちが先か…身体が先か……

張り詰めた物が切れる瞬間が。


直ぐそこにあると言うのに、、、



擡げた頭とは反対に天を仰ぐモノを悩ましく眺めた。





「……はい、、、」


カラカラに乾き切った喉から絞り出した声は少し掠れ気味で。

聞こえなかったかもと慌てて視線を園長に戻すけど。

園長は返答を受け取ったと言わんばかりに満足そうに目尻に皺を深めていて。

僕は安堵の溜息を吐く。



だけど、、、

その後、園長の唇はいきり勃つモノに軽く口付けをしたっきりで…


目線の高さを同じくした園長に唇を啄ばまれたり、おでこの生え際辺りを舌が這ったり。

耳朶を柔く噛んで口に含んで舌で転がしたりなど、愛撫されているに違いは無いんだけど…


でも、その愛撫のひとつひとつも軽い悪戯程度のものじゃ無かったんだ。

園長の薄くて柔らかい舌先は器用に閉じた瞼の上をコリコリとなぞり。

擽ったいような不思議な感覚に思わず身を委ねてしまいそうになると。

今度は縁をこじ開けるみたいにして先っぽを窄めてチロチロとさせて。

視界が開けた途端、その眼球を舌の腹で舐め出す。


「あ、、や、、、…」


まさか、そんな所まで舐められるなんて思ってもみないし。

咄嗟に伸ばした手は怯えのサインだったのに。


「…大丈夫だ」


間近過ぎてどんな顔をしてそんな風に言ってるのかも僕には分かりっこなかった。

それでも宙を彷徨う手を何かに掴まなければ僕の恐怖は収まらず。

伸ばした先の触れた背中にギュッとしがみ付く。

こんな時、リネンの風合いが手触りからも伝わるんだ、なんて変に冷静な事を思うのは。

もしかしたら目の前の恐怖からの現実逃避だったのかもしれない…




けれど。

予想を大きく裏切る形で。

僕はその園長から受ける初めての愛撫に。



……陶酔したんだ。





直接は舐められていないのに、後ろの窪みがヒクつき出す程に快感の波が押し寄せ。

舌が漸く眼球から離れた時には、全身を汗でぐっしょりにさせていた。



「も、、ハッ、、……」


園長は僕の顔を両手で挟み込み。

僕は園長の背中に爪を立てて離せずに、愛撫中に無意識に止めた呼吸を一気に肺に流し込んだ。


今はただその余韻の中でたゆたっていたかった…






「やっと食べ頃か…?」




園長に言われるまで、その存在すら。



忘れていた。






園長の腹にひたりとくっ付き。

すっかりと濡れそぼる、…それを。


















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