2016_11
22
(Tue)00:00

イクメンウォーズ Season2 #6









大盛りの伸び切ったカルクッスを食べ終えて、心も身体も幸福感に満たされた頃。



「食い終わったか」


スカートを洗い終えた園長が、僕を見つけるなり目を眇めては少し冷たい指先で頬に触れ。

そして、二人でくすくすと笑い合った。


「伸びてただろうが」

「…ですね」


でも、そんな会話さえも愛おしいんだ。



だって。

ここは職場だから………公けにいちゃいちゃは出来ないんだもん……



「さっ!お腹も膨れた事ですし、次はお昼寝ですね!!」


名残惜しくもある園長の掌から、雑念を払うように自分に言い聞かせては行動を起こした。

そうだ、そうだ。

まだまだあと一踏ん張り!

子供達を寝かし付けてからが、僕等保育士の時間なんだから!!

ポーッとする暇なんて無いぞ、僕~~~!













と、言いつつ………

今。

僕の視線の直ぐ下には、午前中のイベントで大いにはしゃいだ園児達同様に。

すやすやと寝息を立てている………
園長が居て…



遡る事、数分前。

『膝貸せ』そう言ったと同時に僕の膝を占領して眠ってしまった愛しき人。


つ、、、疲れてるのかな………///
だよね、人形劇の片付けも押し付けちゃったしね…

目に掛かる前髪を指で梳くと、擽ったそうに顔を更に寄せて来る。

うッ……可愛い///

こんな無防備な姿もあまり目にする事なんて無いから、ある意味貴重だな。

だって、、、夜も…朝も…その、、、アレコレと弄られるのは僕の方だから、、、

とかッッッッッ///!

思い出してる場合じゃないーっ!


煩悩退散!集中集中!!


今の内に、連絡帳へのコメントとか。
雑務処理が山程あるってのに。


………でも。


はぁ……幸せだ…///







結局。

僕は他の先生から名前を呼ばれるまで、園長と折り重なって眠ってしまっていた。

後から子供達に冷やかされながらも、内心はふわふわしていた。

まだビリビリと残る足の痺れにもにやけが止まらない程に。

僕の心は温かかったんだ。









降園の時間が訪れると子供達の人数は一気に減り、補助役の園長の就業時間が差し迫る。

延長保育で残っていたミヌ君を膝の上に乗せて、僕はDVDを観ていた。


「チッ」


ん??
頭上から聞こえる舌打ちに、僕の膝の上のミヌ君も一緒に上を見上げた。


「パパ!」


ミヌ君と目が合うなり園長は口の端を緩めて笑顔を見せるものの、僕とは視線を合わせず。

そして、そのまま耳元に顔を寄せて来て。


「会社の打ち合わせで出掛けて来る、飯は先に食ってろ」


それだけを言うと、ポンっとミヌ君の頭をひと撫でして。
スタスタとその場を離れて行ってしまったんだ。



あれ……何だか、、、素っ気なくないか……!?



「ママ?どうしたの??」

「あ、、、うん…何でもないよ…」



何でもなくは無い、かな…
どうしたんだろ………園長……













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