2016_11
20
(Sun)00:00

イクメンウォーズ Season2 #4









ふぁぁ…


ヤバッ、欠伸が出ちゃうな。



うぅぅ……既に園までの足取りが重い…

気持ちは早く行きたいのに、腰が重たくて一歩ずつが遅いんだ。


それに。

気を緩めば勝手に脚がぱかっと開いてしまう。

気持ち内股気味に歩かないと凄いガニ股になるからそっちにも気を配らないといけないし。


支度を終えた園長は先に出掛けたから、もう登園した頃かな…

今頃、、、丁寧にお化粧したお母さん方に囲まれてたりして、、、

はぁ…、、、憂鬱。






ミンス君のお母さんの抗議の時もそうだったけど。

保護者に対しての園長の態度は穏やかで優しい好青年を演じようとするから。

髪型も服装も今のスタイルに変えてからは尚更好感度がアップしてしまい、隙あらば誰かれかに声を掛けられていたりして。

だから遠目でベタベタと身体を触られているのをただ眺めるしかない僕は。

とても複雑な思いだったりする。



だって、、、

玄関を一歩出れば、僕は園長を独り占めする事は出来ないから………











「ママ~何してるの?」

「うん?あぁ、これはね…」

「あ!僕、知ってるよー!今日のお誕生日会の準備でしょう!?」

「そう!ハヌル君、正解♪」

「わぁ~い♪♪」



そうそう、今日は月一の合同お誕生日会。

園で一番大きなホールに全生徒が集まり。
主役の子供達にインタビューをしたり、先生達が用意した出し物を披露したりと。

誕生日をまだ迎えていない子供達にとってもお楽しみの行事の一つなんだ。


因みに今日は人形劇をやる予定で、しかも操るのは僕と園長のナムジャコンビ。

ステージの上には年季の入った劇のセットが組まれ。

ナレーションと台詞役の先生はステージの端に立ち、そこから表側で動く人形に合わせて劇を行う予定で。

僕等は黒子に徹して、ひたすらストーリー通りに人形を操るのみ。

……って、これって結構裏方が大変なんだよね。


二人の手が二本ずつあるから、多い時は計四体の人形が登場したりするんだもん。

二人の息が合わないとグダグダになりかねない、、、

ふぅ………子供達をがっかりさせないようにしなくちゃ……








「うわぁぁぁん、、、白雪姫~~」

「王子様!どうか姫をお助け下さい、、、」



うぉー。

腕が攣る、、、どうか先に僕を助けて~


打ち合わせでは小人の数は七人の内、四人だけを登場させるって話だったのに。

年長クラスの先生が横から口を出して来て、「それじゃあ詐欺って言われるわよ~子供達から!」と言われれば、進行を変更せざるを得ず。

結局、小人の台詞に合わせて七体を出したり引っ込めたり。

僕と園長は本当に大忙しだった、、、




「ふぁぁ…」


溜め息のような欠伸のような曖昧な吐息が思わず漏れてしまう。


「大丈夫か」

「え、、はい…何とか…」

「ん、もうちょい踏ん張れ。あと少しだ」

「…はい…」



舞台でボソボソと囁く声は僕にしか聞こえないけれど。

自分だって同じ立場で大変な筈なのに、こうして気に掛けて励ましてくれる園長の一面に。

堪らず胸がときめく。


劇はいよいよクライマックス。

僕の操る白雪姫は、王子様の口付けによって眠りから覚めるシーン。


いいなぁ王子様のキス……って、ダメダメ!
雑念、煩悩退散!!


ぶるっと大きくかぶりを振って気を引き締め直していると、その間にもう暗幕が降りていた。


あぁー、、やっと終わったぁ~~~





「お疲れ」


黒子の頭巾を外した園長の額には薄っすらと汗が滲み。

上気した頬が何だか色っぽく。


同じく頭巾を外そうとした手を慌てて下げて顔を背けた。

職場で園長に欲情するなんてもってのほかだし!



「…どうした、疲れたか?」

「あ…いえ……///」


今はお願いだからその顔を近付けて欲しくないのに、、、園長ってばグイグイ来るから、、、


知らず知らずに身体が強張るんだけど…



「俺はちょっと疲れたぞ、だから…」



直立したまま動けない僕をギュッと抱き締めると。



「なぁ……俺の姫も眠りから覚めるか?」




スッと視界が開けたのは、園長が僕の頭巾を外したから。



「…ん、」



短い吐息と共に、しっとりと唇が濡れる。



……王子様からの、、、キス……




あ、、、舌が…ん、、んんん……








「おし。チャージ完了」



エッ!もう終わり!?


パッと離れた身体から、もう既に体温が逃げて行く……


「えんちょ……う…っ…」

「んな顔すんなよ馬鹿…」

「…っ///」

半べそ状態の僕を見るなり、また唇が重なる。



「……充電し過ぎると収拾がつかねぇだろうがよ…」


いや、もう既に手遅れというか……

僕は下半身が熱くて仕方がないんだ、、、、、




その時、背後から大きな溜め息が聞こえ。


「…目を瞑るとは言いましたが、程々でお願い致します、、、」



!!!!!!


……また、、、園長代理にみ、、見られたぁ………











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