Sweet honey #6

いつの間にか僕は眠っていたらしい。
目を覆っていたタオルは無くなっていて、代わりに頭全体がタオルで包まれていた。
頭だけを起こすと丁度視界にユノさんの旋毛が見える。
ゆさゆさと僕の股の間で揺れている。
僕がユノさんのを食べる事はあっても逆は無かった。
だから、かなり視覚的にクルものがあって…っ
「ん゛、、!?っ、、、」
訴える暇もなく僕はユノさんの口に吐精をしてしまったんだ……
怒られるかと思ったけど意外とユノさんはご機嫌で、自分の口を濯いだ後に蒸しタオルを取り出し、粗熱を取ってからそれを慎重に広げると…
「あっ…」
ふんわりとタオルに僕のを包むんだ。
温かいし、しっとりしているし。
やわやわと揉み込むと何だか気持ち良くて…
「チャンミンJr.は元気だなぁ」
からかうユノさんに僕は赤面する。
だってここはユノさんの職場、冷静に考えたら凄い事をされている。
そもそも店の蒸しタオルなんかでそんな所を拭いていいのかなって僕の方が心配になるのに。
「さて、そろそろ髪を乾かさないと風邪を引くからおいで」
膝に溜まっていたボクサーパンツとチノパンを元に戻すとユノさんが僕の手を引く。
普通なら後ろに倒れた椅子の背もたれを起こす筈なのに、ユノさんはそれをせずにそのまま身体を起こした状態の僕に正面から跨り。
「熱風が出るから瞑って」
半分命令みたいに僕に目を瞑るように言う。
ドライヤーのスイッチが入ると、言われた通りに熱い風が顔に吹き付けられ、素直に従った。
…あ、ユノさんの指が気持ちいい。
なんか良い子良い子って撫でられてるみたいだ。
シャンプーされながら少し眠ったのもあるし、ユノさんにスッキリされたのもあるし。
とどめにドライヤーでこの心地良さ。
とろん、と微睡む。
するとふわっと肌に柔らかい物が押し当たる感覚に意識がふっと戻り。
「顔が蕩けてる。美味しそう…」
って。
髪の毛を指で梳く合間にユノさんが僕の顔中にキスを落として行く…
そんな事をするから僕の顔は緩んだまま、結局その後にカットやカラーをテキパキとこなしていくユノさんに見惚れ続けた。

「うん、やっぱりこの色が似合う。どう?」
鏡の中のユノさんが、同じく鏡の中の僕に向かって問い掛ける。
どうって言われても…カラーリングなんて生まれて初めてだし、似合うかどうかは分かんないけど少なくともこの鏡の中にいる僕はユノさんの隣に立ってもおかしくはない気がした。
「いい、と思います…」
指で前髪をちょんっと引っ張るとくりんと包まる。
本当、僕の髪じゃないみたい。
「癖を活かしてカットしたからブローも簡単だと思う」
パーマは掛けて無いのにユノさんみたいに前髪がふわふわと揺れる。
ユノさんと…一緒。
「嬉しい?良かった」

鏡の中の僕が笑っていた。
ユノさんの横で嬉しそうな僕。
何だか生まれ変わった気分…
お金は最後までユノさんは要らないと言って一切受け取ってはくれず。
ユノさんの貴重な時間を削ってしまった事を気にするまま店を出る僕を。
「また来週待ってて」
そう言って見送る。
初めて…ユノさんが約束をした…

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