2016_11
07
(Mon)00:00

Sweet honey #5












有難い事に?いや、多分偶然なんだろうけど。
ユノさんが来た日の次の日が店の定休日なんだ。

僕は普段、着る物には無頓着だけど、寝具には拘りがあって。
長く愛用しているリネンがやっぱり肌に馴染みがいい。





だからユノさんが来た次の日は必ず汚れてしまったシーツの手洗いから一日がスタートする。

だけど最近はところどころに付いたクリームが完全に落とし切れないみたいでいくら洗っても染みが残ってしまう。

ユノさんもこのリネンの手触りが好きだって言ってくれたし…今更別のを選びたくもないな。

そう言えばこの坂を下りた所に新しいクリーニング屋さんが出来たんだっけ。
確かそこでリネンの手洗いも受け付けるってチラシに書いてあったような…

エプロンにクリームの匂いが残ってるんだからシーツも同じ匂いがしたって変に思わないよな?

いそいそと仕事用のエプロンも籠に詰め込んで、早速僕はそのクリーニング屋さんに出掛ける事にした。










目的地のお店はシウが帰る道とは逆の坂。
つまりはユノさんのお店の前を通らなきゃ行けない。

僕の生活範囲ではこっちの坂はあまり使わないから必然的にユノさんの働く姿も見た事なんて無かった。

まして床屋で散髪しかした事の無いような僕が美容室なんて柄じゃないし。

いつもお店に来るユノさんはキラキラだ。
明るい髪の毛も、両耳のピアノも。
そしてあの笑顔も。

あんなに素敵な人がどんな風にして接客しているのか、気にはなるんだけど…


「おっ」

「ユノさん、、、///!」


ひょこっと覗いた途端にお見送りの為に外へ出て来たユノさんに見つかってしまった。

そして逃げ出そうとする所を後ろから捕まえられて、強引に中へ入れようとするから。
僕は必死で手にしている籠の中身を説明し、やっとの思いで解放されてホッとしたのに。

「じゃ、また帰りに待ってる」

って…結局逃げられず仕舞い。




持ち込んだリネンのシーツと、僕のエプロンは数日後の引き取りと言う事でそのまま籠ごと預ける。

手ぶらでぶらぶら。
あっという間にユノさんのお店の前に着いてしまう。

ユノさんには会いたいけどでも絶対に場違いに決まってる。
だからサクッと顔だけ出して帰ればいいよな…


…ユノさんは、、あ、居た。
うわ…なんか凄いかっこいい…








僕のお店に来る時はシザーケースを外しているからいつもの雰囲気と違う。
美容師さんって感じが自然体で伝わる。

こんなユノさんもいいな…


「そんな所で突っ立ってないで入って」
「え、、いや僕はここでいいですっ」
「いいからいいから遠慮すんなって」
「えぇ~~っ、、」

同じ様な身長の男が2人、入り口でいつまでも押し問答ってわけにはいかないから渋々中へと入ると店内に居たお客様達がくすくすと笑っていた。

やっぱり完全に場違いな僕。
だけどユノさんは至って普通で全く僕の状況を分かっていない様子なんだ。

「ユノさん、、もう僕、、帰ります…」

一刻も早く帰りたい。帰らせてよユノさん、、

「何言ってんの。だって今日は休みだろ?それとも何か予定あるとか」
「……無いです、あ、でも明日の仕込みが」
「仕込みね…まだ時間はあるよな。じゃそう言う事で」

僕の手を引いて2階へと上がって行く。
スタッフには「上がって来たら殺す」とか言ってたような気がするけど…気の所為かな?










2階は完全なプライベートサロンだった。





一つの椅子と鏡、その場で髪も洗える仕組み。
僕が利用する床屋と似た感じがして少しホッとして、ユノさんに促されるままに鏡の前に腰を下ろした。

ユノさんは僕のリクエストは最初から聞くつもりは無いらしく、椅子の高さを数段低くしたらくるりと回転させてリクライニングを倒す。

これは床屋と違うかな…
顔が仰向けだからまともにユノさんと目が合う。

でもその視界は直ぐにタオルで覆われてユノさんが消える。

耳元でシャワーの出る音がして次第に髪が湯の中に浸る感覚に、僕の全身が解れていった。

泡立つシャンプー、しゅわしゅわと髪も頭皮も揉まれていつしか僕の意識は遠のき…





「え…今は何を…?」

「いつものお返し」


霞む意識の中で違和感を覚えたら、ユノさんは僕のをまぐまぐしていた。















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