2016_10
11
(Tue)21:00

オトコはツライよ #90






「チャンミンっ、、歩くの早いって」

会計を済ませる為にレジに向かう僕を追って課長が大根を右手にミートボールが入った袋を左手に小走りで駆け寄る。

レジで待つお客さんも、レジ打ちをしている店員さんも見て見ぬ振りをしているようでこっそりと僕等をチラ見をしているのは知ってるんだ。

多分…もう色々と噂になってるんだろうな…

だけど大半が好奇の目だとしても、邪険にされない限りはこのスーパーに通うつもりで僕はいるからそんなのいちいち気にしていられない。


「結局おばちゃんから押し切られたんですね」
「あぁ、、うん。ミートボール買わないと大根は渡さないとか言い出すからさ」
「ふぅん…なんか弱味でも握られてるんですか?」
「はぁ、!?違う違うッ!全然俺に弱味なんて無いし!!」
「・・・・」

…絶対に、何かあるなこれは。

しかし、嘘付くの下手くそ過ぎる…くくっ、、


ほら、店員さんの肩も上下してるじゃないか。

それでもまだ課長は何か言い訳して騒いでいたけど、横から僕の腕を掴む手に引っ張られて少しよろけたんだ。

課長も僕もびっくりして、何事かと思いきや。


「私のもあげるから当てなさいね!」

そう言ってその人は僕の手の中に何かを握らせる。

紙…?あ、これって、レジで最近よく渡される抽選券か。

「お兄ちゃん達も何枚か持ってるんでしょ?それと合わせれば何回か回せるわよね」

言いながらぐいぐいと僕が開いていた財布を覗き込んで来る。

見た目は若そうなのに、、中身は惣菜のおばちゃんレベルの強引さ。

このスーパーで会う女性って、、結構強いよな。

「で、何枚あるの?」

急かされて数えてみたら、24枚。
どうやら10枚で1回ガラポンが回せるようだ。

「あら!私のと合わせると3回は回せるじゃない!」

お姉さんから貰ったのは7枚、確かに3回分だった。

抽選場所は外の特設テントでやっていた。

「あの、、有難う御座います」

お姉さんに取り敢えず御礼を言って、と思っていたらその人は抽選場所まで付いて来るつもりで僕等の後ろをピタリとくっ付いて来る。

ま、いいけどさ…抽選券を貰った以上文句は言えないし。


テントの中は人もまばらで直ぐに僕等の番がやって来た。

「回します…?」

見るからにワクワクしている課長は「いいの!?」なんて答えながら既に手はガラポンの取っ手を握っている。

ぷぷ、、子供かっ、、!



「えっと、、1等は…」

その時、カランカランと鈴の音と共にワァッと歓声が上がった。

え、、!まさか、、1等の済州島旅行券!!??

「お兄さんおめでとうーッ!2等テント!!大当たり~~~!」

て、テント??

なになに、、1等は済州島なのに2等はテントって…

「2等は自分達で旅行を組み立てろって事ね」

横から僕の気持ちを読んだかのようにお姉さんが解説を入れる。

あぁ、、そういう事か。それなら3等は……


「おぉーっ、!!お兄さんついてるね!!3等済州産高級黒豚!!おめでとうーー!!」

またしても課長が引き当てたもんだからギャラリーが賑わしくなっていた。

お姉さんもお店の人と一緒にキャーキャー言ってる。

課長も課長で黄金の左手!!とか言いながらガッツポーズを決めて外野からの拍手喝采に気持ち良さそうだし。

こうなると残す一回にかなりの期待がかかる。


「さぁ、ラスト!」

店員さん達もノリノリでギャラリーの熱を煽る。

こんな中で回して、ティッシュ箱ってのが大抵のオチ。

それでもまぁ2回回してどっちも何かを当てたんだから上等過ぎる。

今夜はうんと課長を甘えさせてやらなきゃな…




「じゃあ最後はシム君が」

・・・・え?



「いやいやっ!!無理でしょ、、、っ!?」

ギャラリーからも、えぇーッって不満の声が聞こえている。

こんな状況で普通、掛け替えのない恋人に託すか!?

「って言うと思ってました~!」

あははって、あの独特な笑いでギャラリーのブーイングを蹴散らし。

「勿論、最後は二人で」

そう言って課長は僕の手と、自分の手を繋ぐ。

この時点でキャー!と今日イチの悲鳴を上げたお姉さん、、、耳がキーンって、、、


そして、僕等は。

結構なギャラリーの中で、ガラガラを回したんだ。











(*∵)海外旅行じゃないんだね…
(੭´・J・)地元のスーパーの予算ですからね。

連休中もポチを有難う御座いました( *´艸`)
一瞬、1位を経験出来ました。゚(p'д`q*)゚。感謝です♡


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