2015_02
25
(Wed)02:25

君ヲ想フ ~**サクラミチ**~ 1





振り向いた君 
流れ出した時
舞い落ちる桜 2人を包んだ
止まった鼓動が再び刻んで
永遠に続く鐘のように響いた


あの時のままに君を抱きしめた
あの時よりも強く君を抱きしめた
もう一度歩こう 一緒に歩こう
サクラミチがほら明日へ続いてる…



*…***…*…***…*…***…










「シム君、今日は何時に終わる?」

僕はてっきりからかわれてると思ったのに
彼はちゃんと約束通りに仕事帰りに訪れて…

「あ、、えっと…あと30分で上がりだけど」

じゃあ、それまで漫画読んで待ってるって…
嘘…本当に僕を迎えに来た…

「なぁ、あの物凄いイケメン誰?」

「わっ!!」

彼の訪問に心底驚き過ぎて
隣にキュヒョンが居たのをすっかり忘れてた

何てキュヒョンに説明したらいいのか?
と考えたけれど
僕だって未だに信じられない話を
そのまま伝えるしかないよな


分かるよキュヒョン
その目がまん丸く見開いて
口もあんぐりとなるのは分かってる

だって…僕だって…この僕がまさかって

未だに信じられないんだから…


********************************



「おっ!チャンミン久しぶりだな」

「本当、久しぶり」

僕は高校を卒業してから初めて同窓会ってやつに参加した

毎年届く案内状をスルーし続けておいて今更参加したのは
何となく行ってみてもいいかなと思ったから

それにキュヒョンと一緒に立ち上げた漫画喫茶が順調に軌道に乗っていたのも背中を押したんだと思う

僕は高校でつるんでた仲間と端っこの方でビールを飲みながら昔の話に花を咲かせてた

「やっぱりチャンミンは漫画喫茶のオーナーだったか」

「まぁね、趣味と実益を兼ねて最高の仕事だよ」

自慢じゃないけど
僕は昔から漫画、ゲーム、フィギュアと
インドア派のいわゆるオタクっ子

外見だって背こそ無駄にでかいだけで
視力が悪い為に分厚いレンズの眼鏡が
トレードマークのダサ男だし

勉強は出来た方だったけど
普通にサラリーマン勤めする気にもなれず

大学で知り合ったキュヒョンと一緒に
漫画喫茶でバイトをしながらノウハウを学んで
今のお店を出す事になったんだ

そんな僕の周りに居る奴らだって
似たようなもんさ
ゲームクリエイターとかプログラマーとか
ちょっと穴蔵の雰囲気の面目

だから
今だって端っこで大人しく飲んでるんだ

ちゃんと僕等は立場をわきまえてる…



「なぁ、そろそろお開きじゃね?もう一軒行くか??」

「おっいいね、チャンミンはどうする?」

あ、僕もって言おうとしたんだ…

でも

その時

「シム・チャンミン君だよね?」

不意に呼ばれて振り向くと

いきなりその場の空気が変わった…


だって目の前には僕等とは住む世界が違う

….チョン・ユンホが立っていた

「えっと…」

今確かに僕の名前を呼んだ…?

「ごめん、突然。この後、俺と一緒にどうかな?」

その場に居た仲間やチョン君目当ての女子達の視線が一気に僕に集中するのが分かった

僕とチョン君が?、、、冗談だろ?!

パニックになってぐるぐる回っていると


また

「駄目かな?」

って困った様な顔をされて…

仲間はその場の空気に耐えられず

「どうぞどうぞ!ほら、早く行けよチャンミン!」

僕を追い出したんだ…


会場を出ようとするチョン君の後ろを歩くけれど

視線が…痛い


分かってる

僕なんかがチョン君と釣り合わない位にダサい事なんて分かってるんだ



人気の無い道に来て
僕は思っている疑問を彼にぶつけた

「あのさ…チョン君、何で僕の名前を知ってるの?それにこれから何処に連れて行くわけ?」

だって接点なんて全く無かった筈の彼が僕の名前を知っているのは変だ
もしかしたら何かの罰ゲームかも、、、、

そう疑っても仕方が無い



けれど彼の口からは

「名前は…後で説明するよ。これから行く俺のマンションでね」

その答えは聞けなかった

でもその顔は真剣な表情そのもので
見据えられる瞳に…背筋が凍った

何か恨みを買うような事でもした!?
何でチョン君のマンションなんだよ…

するとまたあの顔で

「誰にも邪魔されずに2人で話をしたいから」

その言葉に何も言えず…結局
気付くと彼のマンションへ辿り着いていた


「お邪魔します…」

玄関には男物の靴だけ、一人暮らしなのかな
でもその割には部屋数が多い…

ぼんやりとそんな事を考えていると

「コーヒーでいい?それともビール?」

そう彼に聞かれ

チョン君の家に居る…
それに僕に話…

そう思ったらビールなんて飲んでも酔える気がしなかった





コトン、と差し出されたコーヒーカップを受け取り
僕と向かい合うようにしてチョン君は腰を下ろすと

視線を彷徨わせている僕に顔を向けて

「シム君は卒業してから初めて参加したね」

って…言って来るんだ

一瞬、何の事を言ってるのか分からなかったけど
すぐに
あぁ、今夜の同窓会かって思って

「うん、でも何でそれを…」

ただ不思議に思った事を口に出してみただけだったんだ

けれど

その言葉を聞いた彼の表情に緊張の色が走ったのが分かった…

すると

「…待ってたから」

彼はそう言うと
手にしていたコーヒーカップを置いて
湯気がゆらりと揺れるのを眺めながら

一息吐いた


そして

少し伏せていた顔を上げると

ゆっくりと僕と視線を合わせ


「好きだから…シム・チャンミン君の事が好きなんだ」


そう、呟いたんだ




一瞬、僕の頭の中は真っ白になった



……………………今、なんて?

冗談…だろ

あのチョン・ユンホが?

有り得ない…



だって僕の知る彼は

容姿端麗
成績優秀
スポーツ万能

そして

全校生徒憧れの生徒会長だったんだ


目立たないように過ごして来た僕とは
正極

まさに住む世界が違っていたのに



その彼が僕を…

好き?




未だ何を言われたのか信じられない僕に

更に彼は言葉を続けて

「気持ちを伝えないままずっと後悔してた、だから今日会えたチャンスを逃したくなくて」

そう伝えて来て

まさか…えっ、、

何を言ってるの、、、、


僕の思考はパニック寸前…

それなのにチョン君は更に真面目な顔で



「俺と付き合って欲しい」

「!!!!!!」


嘘…

でしょ…




僕はもう言葉を失って


暫く2人の間に沈黙が続いた



その沈黙を打ち消すように
チョン君は緊張していた表情を緩めると

「…驚いたよね。だから1ヶ月、お試し期間で付き合ってみてくれないかな」

って
ふんわりと眩しい笑顔を見せたんだ…


僕はただただ

その笑顔を見つめながら


これって…

罰ゲームとかじゃないのかな?



心の内でそう呟いていた





だって

僕は本当に彼の言ってる事が

信じられなかったんだ










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C.O.M.M.E.N.T

No title

うん。
私もここまでだと信じられない。

2015/02/26 (Thu) 19:34 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

Re: No title

723621mamさん

新連載、初コメ有難うございます(。 >艸<)

mamさん
ごもっとも、仰る通り、正論です

いくらイケメンのチョン君だからって、心がグラっと来るわけ…、、、な、くは無い(TωT)

2015/02/26 (Thu) 21:30 | shin #- | URL | 編集 | 返信

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