2016_10
01
(Sat)00:00

オトコはツライよ #82






「取り敢えず帰ろっ、、」


さっきまで人の目なんて全く気にしていなかった課長の方が、僕が泣き出した途端に焦ったように手を引いて歩き出す。


社宅に帰るまでに数人の歩行者と擦れ違った。


あの人達の目には僕等の関係ってどんな風に映ったのかな…


兄弟喧嘩?


課長がテヤンを背負ってるから、多分しっかり者の長男が子育てしながらも出来の悪い弟の面倒を見てるって、感じとか、、


そう考えれば僕等が手を繋いでるのは変な行為じゃないと思うから堂々と歩ける気がした。


あ、…でも兄弟は指を絡めたりはしないか…










「っ、はぁっ、、着いた、、」


早足で歩いていた課長は社宅に到着する頃には少し息を切らしていた。


片手で息子を支え、もう片方は僕の手を引く。


そりゃ負担も倍。


遠慮して途中でおんぶを代わろうとしたら「いいからそれよりも急ごう」って…


そんなに家に帰って何をしたいのか。


あ、、そう言えば甘えたいって言われてたっけ、、




テヤンは自宅に着いても起きる様子が無くて、そのまま寝室に敷いた布団に寝かせる事にした。


今日は朝から散々涙を流して疲れたんだろう。


だけど一日の終わりに好物の唐揚げを好きな人と食べたから、テヤンは今、幸せな夢を見ている筈だ。


寝ている時は、本当に天使みたいな愛らしい息子。


僕もこんな風に素直になったらいいのかな?


…でも、課長は僕が泣くのは嫌なようだった。




「こっちにおいで」


息子が寝ている寝室から一向に戻らない僕を課長が呼び戻しに来る。


その表情がまだ少しだけ険しく見えて、身体が自然と萎縮する。


こう言う表情は以前の眼鏡課長を思い出す。


かっこいいけど、何処か近寄り難い。




「…ちゃんと一からジェミンの事を話すから」


その言葉に尚更、僕の身体が固まる。


「ここだとゆっくり話せないから、ほらっ」


僕の足が動こうとしないのを見かねて、課長はその場に腰を下ろし…


「えっ、いや、、大丈夫です、、歩けますからっ」
「いいから。ほら乗って」



「・・・・」


おんぶって、、こんなの記憶を遡っても直ぐには思い出せない程昔にしかされた事がないのに、、


「ほら、早く」


そっと手を肩に乗せるとそのままヒョイッと足を持ち上げられる。


成人男性を軽々と、普通に背負うか?


「重くないんですか?」
「んー?重いよ」

「じゃあ降ります」
「だめー。終点はまだ」


バスかよ。


リビングが終点だろうと、そう思って降りる体勢を取ろうとしていたら。


「まだだよ、何勝手に降りようとしてんの?」って、、


「え、、いやいや!ここで降ろして下さいよ」


「だーめっ」


言いながら背に担ぐ僕を横に大きく揺さぶる。


「懐かしくない?」


「えッ?なにがです!?」



振り落とされないようにしかっと背にしがみつく。


「子供の時とかやらなかった?」

「……」


ゆっさゆっさ。


「…そっか」


無意識にしがみつく手に力が籠る。


「実は、俺もそんなにやってもらってないけどさ」


そう言って尚も課長は僕を揺さぶる。






「…親子して、世話が焼けますね、、」


まさか大人になってこんな体験をするとは思ってもみなかったから…



だけど課長は担ぐ僕を揺さぶりながら、お尻をぽんぽんって叩くようにしてまるで子供をあやすみたいな感じで。




「手の掛かる子程、愛おしさが増すもんじゃないの?」


…って。




「ふふ、、、ふはっ、、」


これじゃあどっちが子持ちの親だか分かんないな。






「…やっと笑った」






その言葉に。


嬉しいのに鼻の奥がツンと痛い。


泣いたら駄目だ、、






「そろそろ終点…って、降りる気ゼロかよ、、降りろ~~重い~~っ」





ふふっ、、


…もう少し甘えさせて下さい…












《補足》
韓国では子供の頃にこんな遊びをするそうです。動画はお借りしました




(੭´・J・)੭懐かしいですね、重かったですか?

(∵*)ううん、慣れてるからじぇんじぇんダイジョブ。




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