オトコはツライよ #78

課長の布団は、昨夜僕が用意したままの状態で。
温もりは勿論無いし、そこで寝たような形跡も無かった。
何処…行ったんだ、、?
呆然と言うか、虚無感と言うか、暫くすると、どっと嫌悪感が込み上げ。
「っう゛、、」
慌ててトイレに直行…
二日酔い、決定の朝だった。
「お?どうした?」
袖で隠そうとしても、どうしたって利き手だから目立つ。
「あ、いや…ちょっと手を滑らせて…っ」
ふうん、と納得したみたいな先輩の表情を確認するなりサッと包帯を巻いた手を引っ込める。
本当は。
今朝、もう一つ事件があったんだ、、、
二日酔いの身体を奮い立たせて、何とか朝の支度をと動き出したら。
寝室から出て来た息子がしきりに何かを探していて。
あっ、、と思った時にはもう泣きのスイッチが入っていて。
ゆにょーっ!ゆにょーッッ!と朝から近所迷惑しかない大号泣。
頭が痛いってのに、全然泣き止まない息子。
登園の時間が差し迫って強引に口の中にご飯を詰め込んだら。
ガブッと、、
痛くて、思わず手をあげそうになっていた。
そんな僕の様子に更に息子が泣き出して、地獄絵図。
何とか宥めて、登園した途端、担任の先生に甘える息子の姿にチクンと胸が痛んだ…
「はぁ…、、、」
「何だぁ?朝から悩ましい溜め息吐いて、悩み事なら俺が相談に乗ってやるって」
「…別に、、」
「じゃあ腹減ってんなら昼まで我慢しろよーっ、おやつのストックは全部お前に取られて俺はもう無いからな」
カカカッと笑う呑気な声が、今日は頭に響く。
項垂れるままにデスクに突っ伏そうとして、自分の引き出しがちゃんと閉まっていない事に気付く。
何かが引っ掛かってんだ…
ガタッと勢い良く引いた途端、引き出しから溢れ出たのは
お菓子だった。
「…何だよ、お前…そんなにストックあるくせして、、ひとつ返せ!!」
…これは僕が買ったのじゃない、犯人は恐らく…
チラッと見ると、視線が交わる事なく逸らされた。
気になるけど、怒ってる。
って、所か…
包帯の下の噛み跡も、僕の心も。
…ズキズキなのに、、
「なぁ~やっぱり俺の予想は当たってたらしいぞ。って言うか、お前も薄々気付いてたんだろ?」
「はっ?何がです…?」
今日の昼はジャージャー麺が美味い店で大盛りを注文。
二日酔いでも、食欲が落ちないのが僕の体質らしい。
大盛りだと少し待ち時間があるから、その間を狙ってまた先輩は例のナイショ話を持ち出す。
今日は正直、そんな気分じゃないのに…人の気も知らないで、、
「昨日、課長はジェミンの所に泊まったんだろ?」
「………」
「えっ?お前知らないの!?昨日も確か二人で飲みに行くって聞いてたし。今朝も一緒に出社して来たからてっきり、、、」
「…………っ、、」
「…お~い、シム~。大丈夫かぁ、、、?」
う、る、さ、い、、、
全然、、大丈夫じゃねぇですよっ!!
「う、、、」
二人とか、聞いてないし。
しかも、昨日、、、泊まったんだ………
「シム、ドンマイ!お、きたきた熱い内に食おうぜ」
・・・・うぅ、、
「腹の虫が騒いでるぞ~早く食え~~」
ううぅ、、、!!
【今日は部下の所に泊まるから】
僕が言い過ぎたと、自分でも自覚している。
だからって、こんな堂々と他へ行くとか、、、
ううううううぅ、、、っ!!!

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