2016_08
03
(Wed)00:00

オトコはツライよ #41







・・・それが、この今受けている熱い抱擁の理由としか考えられない。



「…皺になりますよ?」
「分かってる」
「それなら、、」
「うん。でも、もうちょっと待って」
「…はい…」



背中に回っていた手が、徐々に下がって来ているのがさっきから僕は気になっていた。

待て、と言われて大人しくしていればその手はピタリと腰の辺りで止まり。



「…シム君…」


腰を支えたまま、やっと僕の身体から少しだけ距離を空けた課長は。

つぶらで愛くるしい目を潤ませて僕の名前をそんな風に甘く呼ぶんだ。


これは、、もしや、、、


ごくりと生唾を飲み込むと、課長は目元を緩めて首を傾けて見せる。


いよいよ、、かな、、?

ええいっ、男だろチャンミン!覚悟を決めろ!!


腹を括ったつもりで僕はギュッと目を強く瞑った。



「………………シム君?」

「……」




「目に何か入った??」



、、、えッ!?ええっ、、??


「あの、、」
「ん?目にごみ?」
「いえ、、違いますけど、、」
「そっか、それならいいんだけど」
「………はぁ、、」
「シム君、あのさ」
「はい」
「俺と付き合って下さい」
「………は?」
「だから俺と付き」「ちょ、、ちょっと待った、、」
「うん、待つよ。いきなりだからびっくりしただろうし。でもどれ位待てばいい?」


・・・は?

「…………あの……今までのはなんだったんですか」


「え?」
「だって、、今だってどう考えてもキスのタイミングだったでしょうが!?あの雰囲気でいきなり交際の申し込みとか、、絶対に有り得ないパターンでしょ、、本当、、理解不能過ぎて付いてけませんって!」



「…シム君……」
「はい!?何ですか、、!!」




驚き過ぎると人は饒舌になるのかもしれない、いや、それは僕の場合だけなのかもしれないけれど…






「キスしても良かったの?」





「………………」



しまった。




「シム君はさっき俺にキスされてもいいって思ったんだ?」
「………」
「それって"男同士でのキス"もシム君は大丈夫って事だよね?」
「………」
「それってつまり…俺の事が?」
「………」
「シ~ム君、俺、本当に食べちゃうよ?ずっと必死で我慢してたのにさぁ~」
「………、、ちょ、、くすぐったい、、」
「ふふ、相変わらず美味しそうな耳が悪い」
「やめっ、、ろ、、ばかっ、!」




「………そうだよ、俺馬鹿だから。ちゃんと付き合おうって言う前にシム君を食べてしまいそうになったりして。シム君を困らせてた、ごめん」

「いえ、、それは別に…って言うか僕はてっきりもうそう言う関係になってるもんだと思ってたんで、、そこに驚いたって言うか、、」

「いや、俺言ってないし」
「へ?」
「付き合ってくれとも言ってないから」
「まぁ、、、確かに…」
「それに」
「はい…」
「言われて無いしね、シム君からす、」「待った!!」


「うん。いくらでも待つよ」




「あぁ~っ!!本当に腹立つなぁ、、、もう、、分かるでしょ!?好きなんですよ!毎日一緒に居るんだからそれ位伝わりませんか!?好きとか愛してるとかそんな事言わなくても毎日毎日考えてるんですよ、、毎日毎日毎日、アンタの事ばっかりで、、、」



やっぱり。

饒舌になるのは僕だけの場合だったようで。







「…知ってたよ、だって俺もシム君で毎日頭の中が一杯だから」




たったこれだけで人の心をギュッと掴むなんて。


…本当、狡いだろ。










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