2016_07
07
(Thu)00:00

オトコはツライよ #31








-Yunho side-


俺がわざとキャラを変えてまでここまで昇りつめたのに対して、彼は本当に普通の青年で。

しかも口調はおずおずとしながらも言いたい事だけはきっちりと述べるし、渡す物も渡すし。


しかし。

『皆さんでどうぞ』の一言がチクリと胸に刺さった俺は、少しだけ言葉に棘が出た。




彼が帰った後、頂いた包みを早速破る。

中からは如何にも賞味期限の長そうなゼリーが入っていた。



そう言えば…俺は社宅の人達に挨拶すらして無かったっけ。


スーパーのレジで毎回付けて貰うスプーンの袋を破り、手を伸ばしたのは苺のパッケージのゼリー。

ひと匙掬って口に含めば、冷えていないゼリーは生温く、そして緩く、口全体に広がって溶けていった。


甘く、緩く…



俺もあんな風に自然体でいたらいいのかな…?




単純な俺。

一夜明けて出した答えは。


シム・チャンミンみたいになる、だったんだ。






取り敢えず、眼鏡は外して。

言葉遣いも俺からボクヘ。


形から何でも入る俺にはこうする事でスイッチの切り替えが出来るようで。

若干、職場のざわつきは気になるものの、時間が経てばお互いに慣れるだろうと安直に考えていた。



けれど実際、周りは俺の変貌ぶりになかなかついて来れず。

飲み会にも誘われないままにいつものスーパーへと足が向かう俺。

すると、偶然にも仕事帰りのシム君とばったり鉢合わせをし。

手にしているカゴの中を覗き見れば、絶対に今夜は鍋だと主張をする食材の数々に思わず溜め息が漏れそうになった。


…暖かそうだな。


いいなぁ、と思う心の声をシム君に悟られたくは無いのに。

俺が視線を外している間はシム君の視線が突き刺さるんだ。


そう思って何てこと無いって顔を見せようと顔を向ければ、今までロックオン状態だった彼の視線はふいっと横に逸れてしまう。


視線が微妙に絡まない。




それがキッカケと言うか、その日から何となく。

俺は彼の視界に入ってみたくなっていった。






シム君は。


押すと凄く引き下がり、どんどん遠ざかっていくくせに。

一旦こっちが引けば慌てて追っかけて来て、俺が引いた手をグッと引き寄せようとする。


しかもそれを全くの計算無しでやってのけるから益々、彼に興味が湧き。


気付けばどっぷりと彼に嵌っていた。







…果たして、いつから同情心が恋心へと変わっていたんだろうな。










これにて課長サイドは終わりです。敢えてあまり多くは語りませんでしたが、課長の過去を早足でお送りしました!
ではまたチャンミンサイドに戻ります(*´罒`*)ニヒヒ♡






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