2016_07
04
(Mon)00:00

オトコはツライよ #28







正直、午前中の仕事は惰性でやり過ごしてしまった…



原因。

それは…今朝の、、、




『昨日ね、課長が突然皆の前で宣言したの』
『え、何を?』
『大切な人が居るから飲み会は控えます、って』
『えッ!うそ、!?』
『しっ、声大きいって』
『…ごめん。えー、そうなんだぁ…』
『なになに、狙ってたわけ?』
『え~別にそんなんじゃないけどぉ、、』
『奥さんと別れたばっかりだと思っていたらこれだもんね。課長も隅に置けないわ』
『うんうん、確かに。えー、でも誰だろう』
『ね。誰かな。あっ!本店の人とかじゃない?』
『あー、あり得る。うちらじゃ駄目かぁ…』
『やっぱりあんた狙ってたんじゃん』
『えっ、違うってば!』



…へぇ。



始業時間を迎え、立ち話に花を咲かせていた二人は自席に戻っていく。

僕もパソコンと向き合っていざ、と思うのに。

何度か隣の席の先輩から「口が開いてるぞ」なんて注意を受ける程、魂は別の場所へと飛んでいた。


恐らく、僕の生き霊は。

朝から外出してしまった課長の周りをウロウロしていたんじゃないだろうか。



昼前に社に戻って来た課長の顔を見るなり、僕は不自然な程にシャキッと働き始めた。

って言っても、次は昼休み。


先輩はいよいよ僕が完全に可笑しくなったと思ったのか、「昼飯ぐらい奢ってやるから溜め込んでいる事は全部吐き出せ」と誘ってくれる始末。


半ば先輩に引き摺られながらフロアを後にする僕を、課長はこっそり手を振ってにっこりと見送るんだ。



あぁ、、後ろ髪を思いっ切り引かれる……










「今日は誘われて無いんですか…?」


買い物カートを押す課長の背に、ボソッと投げ掛ける。


「ん、?あぁ飲み会?今日は誘われて無いから」

「あ、そうなんですか…」
「うん」
「……」
「うん?」
「いえ、…何でもないです」



あー、

何を言わせようとしてんだ、僕は…あぁ、……





「あのさ。言ったんだ。誘わないで下さいって」


!!!


「だって…シム君と一緒に居た方がずっと楽しいから、ね?」













ひゃー。

馬鹿じゃないかこの人、、、



人参持ってドヤってんの。







「え、、ちょっとシム君っ!?」



スーパーの真ん中で、通勤鞄を抱き締めて座り込んだ僕だって。

充分、はたから見たら馬鹿だよな。




はぁ、、、でも。



……嬉…….しい。












明日は課長サイドです。



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