2016_06
23
(Thu)00:31

オトコはツライよ #17








「お土産です」





「ぷ、…リン?」


そんな遠くに行った訳じゃないから、別に名産なんて物は無く。

昨夜のプリンを思い出して、無意識にそれを選んだ。



「流石に立て続けだと嫌ですか…」
「いやいや、全然!寧ろ嬉しい…し」



課長はてっきり、僕が息子の為に買ったんだと思ったらしく。

それが自分の為に選んだと分かるなり顔を綻ばせて喜んだ。


…大袈裟だな。




「また何かあったらいつでも頼んでいいから、遠慮すんな」
「……はい」
「何だよ。その顔」
「いえ…別に…」
「ボクじゃ心配か?頼りないって?」
「や、そんなんじゃ」
「じゃあ、何だよ。あ、昨日はちょっとだけ寂しくなって泣いたんだって。でも直ぐに寝てくれたんだぞ?」
「そうですか…それは有難う御座いました」
「…で?何が不満なわけ」
「いや…別に…」




不満とか、別にそれは無い。

無いけど…



あんな寂しそうな声を毎回聞かされると思うと。

ちょっと、な、と思う僕がいる。



お陰で今朝は目覚めも早かった。

気が気でなくて予定よりも早めにホテルを出て。

駅の構内で目に入ったプリンを気付いたら注文していた。



自宅に着くなり息子の歓迎を受けてホッとした気持ちよりも。

大袈裟だと感じながらも、プリンに顔を綻ばせた課長の反応の方が……



僕の心を占めていた、なんて。


口が裂けても言いたくは。


無かった。








「御礼に今夜は僕が御馳走しますから、何かリクエストとか…」


気まずさから、話を夕食の件にすり替えたのに。

僕の発言に食い気味に返って来た課長の答えは。




「今夜は予定があるんだ。御礼はこのプリンでいいよ」




だった。










その夜、僕は何だか背中の温もりが恋しくて。

ダラダラと飲み続けてしまった。




「…変な癖、つけんなよ…」




でも、結局。

玄関のドアをノックする音は聞こえて来なかったんだ。



……待ってないけどさ、、別に……










予約を落としましたค(TㅅT)คすみません……




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