オトコはツライよ #11

「酔ってるんですか…」
「ん……ふわふわはしてる…」
ふわふわしたままで僕の髪をやわやわと梳く。
それは何だか心地良く。
擽ったかった。
「一体、なんですか…」
流石にずっと大人しく弄られているのもおかしな気がして。
冷静を装ってそう聞いたのに。
「…いつも頑張ってて偉いから、イイコイイコしてる…」
…って、アンタ。
そこだけは舌が縺れずに、言えるんだ?
「耳…真っ赤…」
「当たり前でしょ、、イイコって…」
恥ずかしさこの上無い。
なのに、その耳さえもイイコイイコされて…
「…そうやって甘やかして来たんですか」
「え…誰に…?」
「奥さん…に」
「……」
遂に、僕は。
地雷を踏んだ。
「してないよ…」
「え」
「甘える様な人じゃ無かったから」
課長の言葉が、酷く耳にクリアに響いた。
それもそうか。
耳元で話されれば嫌でもそうなる。
あり得ない程の至近距離で。
漏れる課長の吐息。
動揺したんだ。
色々と。
だから止せばいいのに…
更に僕は踏み込んだ。
「じゃあ…課長が甘えてたんですね…奥さんに」
「……それも違う。ボクらは似た者夫婦だったから」
吐息は溜め息に変わり。
僕の鼓膜を擽る。
「…何で」
「ん…?」
「じゃあ……何で…僕を甘えさせてるんですか…」
「なんで……かな」
「…寧ろ…甘えたいのは課長の方じゃないですか…?」
地雷が不発に終われば良かったのに。
「…そう、かも」
見事に爆発。
馬鹿だ、…僕は。
男に甘えさせて、どうすんだよ……
本日は短めですね(^_^;)
そんな日にコメント欄を開けるのは勇気がいりますが…
明日からまた忙しくなりますので、今日を逃すとまた当分開けられないと思いまして。
御意見、御感想、御座いましたらどうぞ♪

にほんブログ村
- 関連記事
-
- オトコはツライよ #13 (2016/06/18)
- オトコはツライよ #12 (2016/06/17)
- オトコはツライよ #11 (2016/06/16)
- オトコはツライよ #10 (2016/06/15)
- オトコはツライよ #9 (2016/06/14)