2016_06
14
(Tue)00:00

オトコはツライよ #9







ヨシヨシ、だなんて…全く。



翌朝、玄関を開けたら丁度ゴミ捨てに出て来た課長と鉢合わせ。
 
僕は一瞬身構えたけれど、課長は息子の頭を撫で回してそのままゴミ捨て場に消えた。




…やっぱり、子供と同じ扱いじゃないか。




上下グレーのスウェットにボサボサの頭。

立派な中年男性から、僕はどんな風に目に映っているんだろうか?



モヤモヤと若干の苛立ちで、その日は気もそぞろに仕事をする羽目になった。

僕もそんなに気になるなら本人に直接聞けばいいのだけど。

何だかそれはそれで癪で。


わざと昼休みも課長が誘わなかったメンバーと食事に出掛ける事にして。

意味も無く距離を置いてみた。






けど、その席で。


僕は信じられない話をまたまた聞く羽目に…







課長は僕に嘘をついていた。


同僚達は昼食こそ、一緒に出掛けはするものの。

退勤後に課長を誘った事は無いと言った。


その理由は、近付き難い。と。


僕は思わずその理由に驚きの声を上げたけど。

リフレッシュ休暇を終える前までは、課長は別人の様に冷たい印象だったと聞いて。

課長に抱いた第一印象を思い出しては。
少し、納得をした。


僕には伊達だと言ったシルバーフレームの眼鏡がトレードマークで。

いつも無表情で何を考えているのか分からない。

これがリフレッシュ休暇前の課長だそうだ。


休暇中に劇的な変化があったんだろうか?

同僚達は未だに現在の爽やかな課長に戸惑いを隠せないでいるらしい。




昼休みが終わってデスクに戻ると、課長は既に自分の席でパソコンに向かっていた。

課長から全く冷たい印象なんて感じ無い。

その内、周りも今の雰囲気を受け容れ始めるだろう。

ちゃんと向き合えば、課長の人の良さを知る筈だ。





ふわっと笑った顔が、僕に向けられていた。

気付けば昼休みが終了して5分が過ぎていた。




…気まずい。


軽く会釈して、それからは一切課長の方を向く事は無かった。








今日はスーパーへ寄らずに保育園へ直行。

別に買い出しをしなくても食べる物はある。

息子は抱っこされながらしきりに辺りを見渡す。



まるで。

誰かを探しているように。





…別に。

約束している訳じゃないし。







キッチンに立つ僕に、息子が遊んでとせがむ。

仕方無しにアニメのDVDを再生した。



ま、忙しい家庭ならこんなの当たり前だろ。

息子の興味がそれない間にちゃちゃっと作ってしまえばいいんだ。

ちゃちゃっとね。










「…お弁当は明日の朝に食べたらいいじゃないですか」






ちゃちゃっと作ったら何故か2人前以上の量が出来上がっていた…




玄関のドアノブに手を掛けたまま。

スーパーのビニール袋をぶら下げて。

困惑し、そして笑った人。




課長が笑ったら、何だか心が温かくなるのに。






…何やってたんだか…


僕は。












最後のシチュエーション、分かります?
課長が帰宅するのを待ち構えて声を掛けたシム君と、冷えた弁当を下げて困惑しながらも内心嬉しい課長。
表現が少なくて補足が必要ですよね(笑)すみません。

こんなじわじわな展開ですが、毎日ポチに拍手ค(TㅅT)ค嬉しいです…




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