2016_06
13
(Mon)00:00

オトコはツライよ #8








僕が朝食の支度をしていても、課長はまだリビングで大の字で寝ていた。


そこへ目が覚めて起きて来た息子が、課長を見つけるなり大ジャンプ。



確かに。

飲むと碌な事が無いか。



…確かに。





「シム君……笑ってないで助けてよぉ…」



笑うと幸せが来るって言ったのはアンタでしょ?




確かに、課長の昨夜のお土産は美味しかった。

そして3人で囲む食卓も楽しかった。



だけど、だ。




「あれ?今日は鍋じゃないの??」


「昨日も鍋じゃ無かったです」
「そっか、まぁ鍋以外も食べたいしね」
「………」



誰が?



会社を出た僕の後を課長が追って来て。

当たり前のようにそのままスーパーへついて来る。

そしてカゴの中の食材を覗いては今夜のメニューを予想してニヤついていた。

会計の段階になって、僕が出すよりも前にサッと財布を出してお支払い。


おいおい。



「荷物貸して」
「あ、いや…」
「これから抱っこするでしょ」
「………有難う御座います」



…何だかな。

何なんだろうな。




「飲みに誘われたりしないんですか」
「ん、するよ?」
「…行ってます?」
「行ってない」
「………勿体無い」
「はは、そう?そっか。じゃあ今夜は飲もうかな」
「え」
「シム君ちで飲んでいい?」
「はぁ…いいですけど…」



いやいやいや。

そう言う意味じゃ無かったんだけど…

ま、飲んでも大した事無かったしな。

あんな程度なら僕も許容範囲だ。




御飯を作るのは僕。

その間に息子と遊ぶのは課長。

息子に食べさせるのは両方でやって。

後片付けは僕が。

そして、息子とお風呂は課長が。 



って、おかしいだろ。

何でこんなにスムーズに分担出来てんだ?





「…お疲れ様です、どうぞ」
「あ、キンキン。……っぷは」
「じゃあ僕も頂きます…」
「うんどうぞ。グイッと飲んじゃって」



実は毎日飲んでるビールも、先日の鍋の買い出しの時に課長が払ってくれたんだ。

光熱費の代わりって言ってた。

だけど。

自分ちで飲んでるのに、何だかな……



「それを飲んだらさ、風呂に入っちゃいなよ」
「えっと…でもまだ」
「その間にボクが寝かし付けるから」
「毎回は悪いですって…」
「別にそんな事気にしなくていいから」
「じゃあ……お言葉に甘えて…」
「うんうん」



お言葉に甘えてゆっくりと風呂に浸かって上がると。

寝かし付け終わった課長がリビングに戻っていた。



「有難う御座います」
「いやいや、こちらこそご馳走様」
「それは僕がなんですけど」
「え?そうだっけ」
「…酔ってますか?」
「うん…ちょっとだけふわふわはしてる」
「まだ一缶目なのに…」
「言ったじゃん、弱いって…ふぁぁ…あのまま布団で一緒に寝そうだったぁ…」
「……寝てもいいですよ」
「いやいや…流石にね、悪いから…」



お、今日はちゃんと帰るつもりなんだ。



ふらりと立ち上がった課長は徐に手を伸ばして。



「よくやってるよ、本当に…偉いね」



ヨシヨシって。





アンタ……

子供じゃないのに………


僕は。

子供じゃないのに、、、、





上司に

撫でられてどうすんだよ……








本当。

飲むと碌な事が無いな。











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