2016_06
11
(Sat)00:00

オトコはツライよ #6








お風呂から上がった息子も、課長も。

身体から湯気が出てほかほかだ。


息子には水分補給として、とうもろこし茶を渡し。

課長にはビールを手渡した。



「あ…ごめん。ボクもとうもろこし茶の方がいいな」
「あれ?確か前も飲まなかったですよね、ビール」
「うん。飲まないって言うか、飲めない…かな」
「へぇ、意外です」
「そおかな?飲めるように見える??」
「まぁ外見で判断すればイケる口だと思いましたけど」
「そっか」
「えぇ」



本当はどうでもいいんですけどね。
課長が飲めるか飲めないかなんて。




「父親がさ、アルコールに弱いくせして酒に溺れてさ」
「…はぁ」
「飲酒したまま運転して事故って死んだんだ」
「……なかなかヘビーな話ですね」
「あ、ごめん。肴のつまみとしては最悪だったよね」
「いえ…別に大丈夫ですけど…じゃあ課長の家は母子家庭だったんですか?」
「あぁ、うん。そうだね。母一人、子一人」
「女手一つ」
「そうそう、まさにそれ。だからかな…」
「え?」
「いや…苦労してた母親を見て育ったから、自分が結婚したら絶対に奥さんには苦労掛けたく無かったんだ」
「……」
「必死に稼いでお金の面で不幸にはさせて無かったけど。…けど、気付いたら家に全然帰って無かったっけ」
「…後悔してるんですか」
「さぁね、どうなんだろうね…やり直してもまた同じ事を繰り返しそうで…」



課長はその続きを言わなかった。

多分、続きを言ったら溜まっていた物が溢れ出て止まらないと思ったのかもしれない。


でも。

僕は言わなくても分かっていた。



『怖いよ』



恐らくそれを課長は言い掛けたんだと思う。


僕は直属の部下。

そこまで弱音を吐かないか……



「だからビールは飲まないんですね」


僕が話を元に戻して課長の濁した言葉を消したのに。


「いや、飲むと大抵碌な事が無いからね」


碌な事?


課長はまた、僕に大きな疑問を残して帰った。






「碌な事ねぇ…」


息子の艶々の頬っぺは幸せの証。

僕は指でその膨らみを押しては、何故か課長の残した言葉を反芻してしまう。




謎な人。

ふぁぁ…んな事より、寝よ寝よ。










お話のタイトルですが、一時的にカタカナに変更しています。
あのオスマークは、日本ブログ村さんの注目記事ランキングに反映不可のキーワードになっているようなのですf^_^;)
最終的には元に戻しますので、御理解宜しくお願い申し上げます。

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