イクメンウォーズ #31

こんなに間近で園長のソレを直視するのは初めての事。
以前にミヌ君とお風呂場で遊んでいた時の大きさとは比べ物にならない程に質量も長さも増して見えるし。
同性から見ても羨ましい程のその姿に暫し見惚れてしまったり…
すると、
「無理すんな」
そう言って僕の脇に手を差し入れて立たせようとする園長であったりして、、
だから慌てて
「えっ、、、無理じゃないですっ!凄く立派だったから…」
ついポロリと本音を漏らしちゃって。
案の定、くすっと笑い声が頭上から漏れ出るんだ。
「…立派かよ」
そして、ーーーーーそれを受け入れるお前はもっと凄いよな、とか。
一気に羞恥やら何やら訳の分からない恥ずかしさに襲われて。
バッと顔を下げると、その旋毛にふわりとした掌が降り。
そしてそれは僕の頬を包み。
「…ごめん、ついからかっちまう」
唇を柔く塞ぐんだ。
でもね、その触れる唇から。
愛おしさが溢れていて。
…本当、そんな事されたら、逆なのに…逆効果なのに…
実際は、無我夢中でどうしたらいいかなんて冷静に考えられなかった。
気持ちいいのか、それを知りたくて見上げれば「…煽んなよ…」って舌打ちされて。
けれど、口の中の質量がググッと増したりするからそれに凄く戸惑ったり。
兎に角何も考えずにがむしゃらに頬張っただけ…
時折、僕の後ろ頭を掴んだり。長く息を吐いたり。
その動作が大きくなるにつれ僕も手を使って速度を上げた。
そして最後の最後に。
むちっとした太腿を震わせながら切なそうに吐息を吐いて仰け反った園長だった。
その姿が言葉で表せない位に僕の胸を締め付ける。
だからか、それから目が離せないままで。
突如口の中に押し寄せる液体の苦さをダイレクトに味わう羽目になっちゃって、、、
むせ返って吐き出してる僕に。
息も絶え絶えにバスタブの縁に腰掛けたままの園長が。
「…馬鹿野郎、頑張り過ぎ…だ」
脱力してる筈なのに、ゾクゾクとする程の色香を放ちながら口元を緩ませていた。
その後は、お互いに体に宿り始めた熱を意識しながらも。
やっぱり体の負担を最優先に考えちゃったのもあって。
ゆるりと勃ち上がり始めた僕のソレを無視しつつ、そそくさとお風呂を済ませた。
けど、それでも火照ってしまった体はなかなかしずまらなくて。
「あの…ミヌ君に読んであげたお話、聞きますか?」
そんな事しか思い付かないってちょっと恥ずかしかったけど、園長は馬鹿にするでもなくて。
無言で僕を引き寄せるから。
ソファーに寄り添い、静かに語り始める事にしたんだ。
ーー僕がお話を読んでいる間、園長は目を閉じて寝ているようなそんな安らかな表情。
もし、寝ていても。
その時の僕としては、最後まで読んであげたいと思い。
ゆっくり、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「ーーーめでたし、めでたし」
本は無いのにパタンと音がするように、最後の一文を読み上げてお話を締めた瞬間。
今まで閉じていた瞼がゆっくりと起き上がり。
「…いい話だな」
ただそれだけ。
ポツリと呟いたのはそれだけなのに。
僕は堪らず嬉しくて。
「あのっ、また…明日も別のお話を聞きますか!?」
気付けば、何だか勝手に1人で舞い上がっていた。
「あぁ、毎日な」
ふっと零した笑みに。
僕の頬を優しく撫で下ろす指に。
あぁ…、この人を好きになるのを止める事なんて僕には出来ない…
そう思うんだ。
でも…
ミヌ君の本物のママはいつか戻って来る。
そして、その時は僕も元の生活へ戻らなきゃ。
分かってる。…分かってる…
何度も目が覚めては、ふと、園長の温もりを背に感じると寂しさが更に募ったり。
日に日に当たり前になってゆく3人の生活にも未練が増したり。
そうしている内にも、ミヌ君のママは快方に向かってゆき。
予定よりも早めに退院が決まったとの知らせに。
複雑な気持ちを隠し切れなかった。

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