イクメンウォーズ #30

「っ……はッ………、ん……っ…」
湿り気の混じった吐息。
ムッと熱の籠った室内。
2人の絡み合う唇から漏れ出る水音。
それが浴室全体を淡い欲の膜で覆ってゆく。
その欲に支配された園長がじりじりと体を寄せて。
僕の後ろ頭を抱えたままシャワーのコルクを捻ろうと、手を伸ばす。
それを浅い呼吸で朦朧とし始めた意識の端っこで、かろうじて捉えていた。
「っ、、待って、、、」
噛み付いて離すまいとする唇から逃げるように隙間を空け。
鼻先に吐息がまだかかる距離で見つめた。
身長はさほど変わりの無い僕達。
僕の瞳には欲を含んだまま少し苛つきを隠せない顔が映り込んでいる。
「…次は、何だよ」
流れを止める僕に容赦無い舌打ちが降り注ぎ。
コルクを捻る筈だった手を今度は背中に触れさせようとする。
「だからっ、、待って、、!」
「んぁ…?」
「………今日は僕が洗いますから……」
また制止される言葉に一瞬目尻が上がったものの。
次の言葉に。
目の前の男に、艶が増したように見えた。
「へぇ」
何かを納得し、スッと僕に触れていた手を離す。
だらんと両腕を下げて。
顎で「好きにしな」とでも言いたげにクイっとボディソープを指したーーーー
一度、シャワーで濡らした体には雫が残り。
その一滴が重力によって下へと滑り落ちる時、雫の玉から一筋の滝へと変わりゆき。
その滝は盛り上がった肉と肉の隙間を擦り抜けて。
更に地へと落ちてゆく。
滝の水が落ちる場所は………茂みの中…
重力で落ちていく滝に相反して、その流れに逆らって天を向いて反り勃つモノにぶつかり。
水滴は一気に弾け飛ぶ。
その様子に思わず見惚れてしまっていた…
お湯で体を濡らしただけなのに、その体に付いた水滴が園長の体を滑り抜けてゆくさまに目を奪われる。
何処に触れても完璧な肉体。
何処から触れようか。
何処………に触れたいか……?
その時、つーっ、と。
首筋から流れ落ちた水滴が胸の隆起を越えて。
ぷっくりと膨らんだ乳房をふるりと濡らしていた。
そして、ぴちょん…とその先端の尖りから弾け散る。
あぁ…
勿体無い…
咄嗟に僕はそう思ってしまい、滴り落ちる雫に口を吸い寄せ。
水が弾ける障害となっている先端の膨らみを舌先で絡め取ったんだ。
隆起していた筋肉が瞬時に強張ったのが手に取るように分かったけれど。
構わずにボディソープを泡立てた右手で空いてる方の胸を撫で上げ。
下から乳房全体を掬うように優しく優しく掌で包んだ。
ーーーー決して、男性にしては男らしいとは言えない胸の膨らみ。
それを慈しみ、柔く吸い上げて。
舌の先で転がす。
掌の中の膨らみも女性の柔らかさとは程遠いと思われるのに。
生まれてこのかた、女性との関係を持った事なんて無かった僕には不思議な感覚でそれを揉み上げていた。
恐らく、結構な時間を胸に費やしていたのに。
その行為自体を咎めようとせず、僕の好きなようにさせてくれていた園長にもまた………
愛おしさが込み上げて仕方が無かった。
正直、心は同性に惹かれた過去もあったけれど。
肉体の関係まで許した事なんて。
無かったんだ…
散々弄くり回した胸から唇を離し。
園長の顔を見るの事なく、視線の先を下へとおろす。
そして。
ごくり、と思わず唾を飲み込んだ。
☆ストックが尽きた為、今後は更新が不定期なる恐れがあります。
お手数をお掛けしますが、更新情報をご確認の上お越し下さいませf^_^;)

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