イクメンウォーズ #25

キッチンでまた触れるだけの淡いキスを数回落とされて。
けれど、そのキスが深くなる前にそっと腕を緩ませては。
「体、無理すんなよ」
って、僕の手を取ってダイニングテーブルの椅子をスッと引いて座らせてくれる園長。
何と言うか…
「何飲む?」とか。
「あ、いい。俺がそっちに持ってく」とか。「サラダぐらいなら作れる」とか。
キッチンで作りかけの朝食の続きと、自分が出来る範囲でそれを完成させようとする姿とか。
何て言うか…
「ミヌを起こしてくるからちょっと待ってろ」
そう言ってまたちょんっと唇に軽く触れてふっと笑みを零して颯爽とリビングを後にする姿とか。
何て言えばいいのか……………////
べ、別人!?
そんな風に思える程に甘い…甘過ぎる‼︎
もう、こんなんじゃ到底表情管理なんて出来る気がしないし。
隠せる自身も無いけれど…
園長って、、、付き合った女性にはこうしてんのかな…とか。
幸せ過ぎるが故に、ちょっとだけネガティヴな考えも脳裏をよぎっちゃって。
ぶんぶんって頭を振って冷静になろうとしていたら。
「どうした!?どっか具合悪いか、横になるか」
慌てて戻って、開口一番がそれだなんて…本当。
もう、、、、どうしたら………いいの…
こんな優しさを知ってしまったら。
----もう戻れなくなる。
もっと、園長に触れたいって…欲張りになっちゃうな…
それなのにそれを知ってか知らずか。
「ミヌ、そのテレビが終わったらパパとまた公園行こう。あ?ママは少しだけ疲れてるから休ませてやろう、な」
って、食卓の後片付けもそうそうに切り上げて。
痛む腰をソファーに沈める僕をいきなり抱え上げちゃって。
「えっ、、あのっ、、ちょっと、、!?」
慌てる僕なんか構わずに。
「今日はママ業は休みだ」
だなんて。
「っ、、んっ……っ、、………////」
さっきの中途半端に終わったキスなんてどこへやら。
シーツに縫い付けられた腕から鎖骨、首筋。
そして唇…
貪るでもなくて、吸い上げるでもなくて。
例えようが無いけれど、優しいのに体の奥がじんわりと熱くなるような。
そんなキスが待っていた、とか---

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