イクメンウォーズ #24

何が何だか…
まだボーッとした頭でキッチンに立つ僕の体はあちこち軋みが酷くて。
特に腰、、、気怠さが残って半端ない、、
しかし、、、園長って
朝、目が覚めて。あんなキスしておいて。
甘い顔して、人の事をこんなにもドキドキさせて。
「わり…もうちょい、寝かせて…」
とか!?信じられないっッッッ!!!
うっ~、、、、
はぁ…
結局、暫くその穏やかな寝顔を眺めてドキドキと胸をときめかせていたけれど。
"ぐうっ"
・・・そのときめきをぶち壊す僕の素直な体。
しかし、いつの間にベッドに運んでくれたんだろ…
思いっきり気怠さの残る体をなんとか布団から起こしてみれば。
下着もシャツもズボンもちゃんと身に付けていて。
勿論、園長が寝ている脇にはミヌ君の姿が見えていた。
重たいのによく運んだよな、とか。そんな事を考えていたら昨夜の出来事が一気にフラッシュバックしてしまって。
慌てて寝室から逃げ出した僕なんだ。
体の痛みもあるけどさ、やっぱり空腹には勝てない訳。
腰を屈めてキッチンでカチャカチャと簡単な物を作っていたら。
「ん、無理すんな…」
スッと、背後から覆い被さってぎゅうっと抱き締められる。
ドキッとしてひゃっ、て思わず声を上げようとしたけれど、それよりも先に。
「お前から俺の匂いするって…いいな…」
なんて。
包み込まれたまま首筋に鼻先を埋めて愛おしそうに呟かれちゃったら。
…胸の奥がきゅうっと鳴いて。
「おはようございます…」
こてんと、熱くなった顔を俯かせてそれを言うだけで精一杯だった。
そしたら、ふっ…って吐息が耳元で漏れて。
「…やべっ…すげぇ可愛い」
って更に園長の腕の中に包まれたちゃったんだ。
あぁ…なんか、どうしよう。
体は死ぬ程痛いのに。
心は死ぬ程嬉しくて。
幸せ過ぎて。
本当に、どうしよう…
これが夢なら。
もう少しだけ。
ね、もう少しだけ。
「僕、幸せ過ぎて変になりそうです…」
そんな僕のにやけて蕩け切った顔を愛おしそうに見つめて。
「俺も」
そう言った貴方の言葉に、これは夢じゃないって。
そう、思ったんだ。

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