イクメンウォーズ #22

結局、湯船の中で1度目よりも長く湯に浸かってしまった体はふやけるというよりも煮えてしまっていた。
首まで真っ赤になっちゃって、当然逆上せている訳で。
完全に自力で歩けなくなった僕の体は全裸のまま園長に抱えられてまたあのリビングへと戻るんだ。
恥ずかしいけど…ボーッとしてもう何が何だか…
虚ろな視界に映るのは心配そうに覗き込んでいる園長の顔。
でもその顔はさっきまで僕等が居たソファーを見るなり怪訝な顔付きに変わり。
「チッ、ここには寝かせらんねぇか…悪りぃけど暫く床で寝ててくれ」
あぁ…僕が汚したんだもんね…
園長はそっと僕の体を硬いフローリングに寝かせるとソファーを綺麗にし始めた。
僕と言えば…
ヒヤリした床が背中、お尻に当たり火照った体に心地良くてそのままでいた。
そうして暫く体を床に投げ出していると、ソファーを片付け終えた園長がその手に小さな小瓶のような物を持って現れたんだ。
「おっと、その前に水か…」
手前にあったテーブルの上に置かれたペットボトルの水を一口含むと。
それをそのまま僕に口付けて流し込んでくる。
前は、そんな事ひとつでもドキドキして心臓が跳ねてしまっていたけれど。
想いが通じあった途端にそれさえも自然の流れに思えてしまうから不思議だと思った。
パクパクと再度口を開けて水を催促し、それに園長は素直に応えてまた口付ける。
それを何回か繰り返して、もう要らないと首を振った時点で既に園長は僕の体の半分を小瓶に入った液体で濡らしていたんだ。
正直…水よりもそっちの方に意識が集中して上手く飲み込めなくなってんだよ…
「何ですか…それ…」
チラリと自分の体を見ると塗られた所はテラテラと光り、けれど空気に触れるとスーッと清涼感がして火照った体を冷やす。
しかも凄くいい香りがする。
「あ?これか?アロママッサージオイルだよ、知らねえのか?」
・・・、その呆れたような物言い。さっきからやっぱりおかしい。
「あのっ、、何でそんなに園長は美容に詳しいんですか、、??」
そしたらさも当然と言うように。
「MUSSHAは俺の会社だから、な」
って、、、えぇっー!?
待て待て、、、その会社ってあの大手の化粧品会社の事、、だよね!?
はっ?何で!?えっ?園長が!?
驚きで開いた口が塞がらなくなった僕を他所に、園長はブツブツと
「って言ってもまだ厳密には俺の会社じゃねぇんだけど」とか。
いや、それはそれで気になるけれど僕にとってはこれが最大の疑問であって…
「あのっ、、じゃあ…どうして保育園なんかの園長をしてるんですか、、、?」
「ん、あぁ…あれは俺の母親がうちの社で働く女子社員の為に始めたもんなんだ。でもいつの間にか一般からも受け入れを始めちまって。で、今の状況って訳だ」
「はぁ…」
「・・・なぁ、ところでお前。仕事は好きか?」
「えっ、、何ですか急に、、えっと、、好きですけど…」
「そうだよな。あぁ、実はな、俺が園長を任された理由ってのが……」
少しだけ、その後に間があって園長は目線を落としながら。
「会社の上層部の間でな、保育園の経営はそろそろ切り離した方がいいって話が出てんだよ。そうすると、実際問題…殆どの系列の園は潰れんだ」
「うそっ…」
「嘘じゃねぇ、本当の話だ。でも、よく聞け。だからその為に俺が園長になった。その意味が分かるか?」
「な、、何で…」
「チッ…分かんねぇかよったく。あのなぁ…お前達、保育士を守る為に母親が園に俺を送り込んだって事だよ!」
ぎゅっと僕の頬はいい香りのする掌に挟まれ。
「今度こそ、俺がお前を守ってみせっから…」
あぁ、またあの蕩けるようなキス…
呪文のように「お前を守る」それを繰り返す園長。
そして、啄ばむ柔らかいキスの合間にも掌は全身を隈なく滑り降り。
ぷくっと膨らんだ乳首の先っぽは他よりも丁寧に重点的に捏ねくり回されて。
その度に床の上で跳ねる僕を艶っぽい目で園長は見下ろした。
あぁ…もう本当…頭がおかしくなりそう…
色んな事に思考が追い付かない。
園長が大手企業の上層部にいるらしい事にも。
それを差し置いて、現在の置かれている状況の方が凄過ぎる事にも。
でも、そのうち。
そんな事すら考えられない位に。
僕の体は園長の掌によって未知の快楽へと沈められて行ったんだけどね………
明日は正午の12時に企画のお話を上げます。
覗いて頂けたら幸いです♡

にほんブログ村

- 関連記事
-
- イクメンウォーズ #24 (2015/11/29)
- イクメンウォーズ #23 (2015/11/28)
- イクメンウォーズ #22 (2015/11/16)
- イクメンウォーズ #21 (2015/11/15)
- イクメンウォーズ #20 (2015/11/14)