イクメンウォーズ #19

単純に、考えてみれば男同士。
別にやましい事でも変な話でもない。
だから
「遅いから来ないかと思った。まぁ座れよ」
「…はい」
変な話じゃないって…言い聞かせてるのに。
この胸のドキドキは何なんだよ。
落ち着け、僕…
「うわっ、、!ちょっ、、いきなりなにっ!?」
「あ、悪りぃ。ついでだからシャンプーもしてやろうと思って」
「えっ、あぁ…有難う御座います…」
「ん。じゃあ目、終わるまで瞑っとけよ」
「はい…」
それから、僕は目を瞑ったまま園長の細い指先を地肌に感じながら頭の隅々まで洗われ。
丁寧にトリートメントまでしてもらっちゃって。
男の人がトリートメント?そう思って聞いたら、「お前にはキューティクルが必要だ」って何故かキレられた。
ここは何も言わずに黙って洗って貰おう、うんうん。
園長はトリートメントが髪に浸透している間に僕の体を洗い出して。
たっぷりと泡立てたスポンジを僕に渡し、自分は泡だけを貰って。
その泡で背中を撫で始めたんだ。
・・・や、ちょっとこれは…
「っ…あっ……」
「馬鹿、変な声出すんじゃねぇよ」
や、だって、、、これちょっとマズイ…
「手、止まってんぞ。何なら前も俺が洗ってやろうか?」
「い、、いえっ!、だいじょうぶです‼︎ただ…」
「あ?」
「…ソフトタッチ、、辛いです…」
何とか思った事は言えたけど。
ぷっ、と笑われて僕の手からスポンジが奪い取られ。それで今度はゴシゴシと洗い出し。
「肌の角質は取りすぎるとカサつくから手洗いがいいのに」
とかブツブツと言っちゃってて。
さっきからキューティクルとか肌の角質とか、女性目線の話に敏感な園長にはてなマークばかりが飛んでしまう。
一体、何なんだ?
で、結局。
ドキドキして期待したような事は何も起こらず…って、期待ってそもそも何なんだよ!?って自分に突っ込みたくなるけれど///
最後にシャワーで髪も体も綺麗に泡は流されて行き。
「…さっぱりしました、有難う御座います…」
そう言って、顔に張り付いた前髪を全部後ろに流して。後ろに立つ園長を見上げたら…
「傷…残ってんだな」
って、ポツリと言ったんだ。
そして、初めて見た…
こんな園長の切なそうな顔なんて。
おでこに今も残る縫い傷の痕----
そう、昔にね…園長に追い掛けられて怪我しちゃったんだよね…僕が…
それがキッカケで母親が転園させるって騒いだっけ。
もう昔話だから忘れてると思ったのに。
「傷モノにして、悪かったな」
って。
ぷっ。何だよそれ、僕は女の子かってね。
でも、そんな風に突っ込める程。
園長の顔は明るくは無かったんだ。
「じゃ、上がるから。ゆっくり入ってこいよ」
そして僕は1人、お風呂場に残された。
すみません・゚・(。>Д<。)・゚・
おやつのお話は体調不良につき、見送ります。
頂いてますコメントも必ず返しますから、暫しお待ち下さいね。゚(p'д`q*)゚。

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