2015_01
20
(Tue)15:30

止まない雨の癒し 4 -夕立ち-

"また誘って下さいね"

と言ってくれた彼の一言が社交辞令には思えなくて
ボクはまた夏の終わりに彼を誘ってみたんだ


するととても嬉しそうな彼の笑顔に
胸が温かくなるボクがいた

…本当にどうしちゃったんだろう




そしてお店がお休みの日

まだ暑さの残る日中の喧騒から離れ
郊外にある自然豊かな国立公園へ彼を連れ出した




"風が気持ちいいですね…"

うーんと背筋を伸ばして澄んだ空気を胸に吸い込む彼は
自然に溶け込んだ森の妖精のように美しかった…


ぽーっとその姿に見惚れていたら

"どうしました?お腹空きましたか?"

とあの優しい笑顔が覗き込んでくる


慌てて"はい"と答えてしまうと

"お弁当作って来たんです、先に食べましょう"

って…
うわっ、ボクの為に?…うわわわわ…嬉しい…


"キンパブが好きだって言ってたので…"

え…前に車の中で何気無く話した事を覚えてくれていたんだ…

それ…凄く…嬉しい…


トクン…





---------------------------------------------------





また彼からお出掛けのお誘いが来た

ふふ、ちゃんと僕の気持ちが伝わったんだね


もっと彼の事を知りたいし
もっと彼の笑顔に触れたいと思っていた

あの向日葵のような笑顔が僕の心を
温かくさせてくれていたんだ



せっかく自然豊かな所へ行くのだから
彼と二人でお弁当を食べたいと思って
朝早く起きて簡単な物を用意して出掛けた



まさかあんなに喜んでくれるなんてね…

ニコニコしながらしきりに

"美味しい美味しい"

と頬を膨らまして食べる姿があまりにも可愛くて

その様子を優しく見つめていた


こんな時間がいつも流れればいいのにね…







---------------------------------------------------





美味しいお弁当の後は少し散歩をしながら
次第にカメラを片手に自然を取り続けた


やっぱり彼はプロだから構図とか技術的な物が素晴らしくて
ボクは彼の写真に夢中になっていた



気付くと先程まで澄み切っていた空は暗雲が立ち込め
今にも一雨降りそうな天候に変わっていた

とその時

ザーッと一気に雨が降り出したんだ


そしてボクらは近くにあった東屋に駆け込んで
雨宿りをした



でも実は内心、不安でドキドキしていた…
だってボクはあれが苦手で……………






---------------------------------------------------





ピカッ

ゴロゴロゴロゴロ…


突然の夕立ちに慌てて雨宿りをしていると
背後から雷の音が響き渡って…

"ひゃっ"

と声と共に彼が僕にしがみ付いて来たんだ

すぐに離れようとするけれどまたも

ピカッゴロゴロ…ドカーン

と激しく稲光と雷鳴が響いてしまった



目の前には顔を僕の肩に押し付けて
ぷるぷる震える大きな体
手はギュッと僕のシャツの裾を掴んでいる


僕は体の向きを変えて彼を自分の胸に包み込み

そしてそっと背中に手を回して優しくあやすように撫で続けた…




---------------------------------------------------





ボクはやっぱり雷が怖かった…

稲光と雷鳴に心臓がぎゅっと縮こまってしまって
思わず彼にしがみ付いてしまっていたんだ

慌てて離れてもまた雷鳴が…


怖くて震えているボクを柔らかな腕が包み込み
温かい手が背中を優しく触れた


トクトクトク…


彼の心臓の鼓動がボクの緊張を和らげるように耳に伝わり
いつの間にか雨はすっきりと上がって青空が顔を出していたんだ


ずっと抱き締めて貰っていたのが恥ずかしくて
腕を解いて離れようとすると


"もう少しだけ…このままで…"


と聞こえた彼の声で動けずにいた



でも腕から伝わる温もりが心地良かった……


トクン…





---------------------------------------------------






離れようとする彼を引き止めてしまった

何も言わず大人しく腕に抱かれている彼が愛おしくて
つい…


"時々…こうして貴方に…触れてもいいですか"


そして


"え……"



と顔を上げて僕と目線を合わせた彼の唇に


そっと僕の唇を重ねた…








雨が上がった空には虹がうっすらと掛かっていて
僕の思いを繋いでくれているようだった




僕のキスを黙って受け入れてくれている彼の頬はピンク色に染まっていて

僕はそんな彼に夢中になっている自分に気付いていた



僕は貴方が好きなんですね………





---------------------------------------------------





キス…をされた


突然の事でびっくりして固まってしまったけど


嫌…じゃなかった



心臓がトクトクトクと早鐘を打っているのも分かった




そっと離れた唇に

名残惜しい…

と思った



ボクを見つめる優しい彼の笑顔にまた


トクン…


と心臓が大きく鼓動した





空には掛かる虹が優しくボクら包んでいた…







See you again




関連記事
«  HOME  »

C.O.M.M.E.N.T

No title

て・・・テレる・・・

2015/01/20 (Tue) 22:44 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

Re: No title

723621mam様

ご訪問&コメ有難うございます!

あは〜♡
このお話を作る時は顔面崩壊しながらやってますよ。

甘酸っぱい雰囲気が堪らなくて…ふふふ。
照れて貰えたら本望です(笑)

2015/01/21 (Wed) 09:28 | shin #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック