イクメンウォーズ #5

「え、えええぇ、園長!?」
「しっ、バカ野郎っ!でけぇ声出すなって、、、ミヌに気付かれるだろうが」
「ふごっ、、、」
後ろから口元を思いっきり手で押さえられて、ますます僕と園長の体が密着した。
園長が静かに息を吐くと僕の首筋にそれが降りて来て、、、
それが何とも言いがたい状態なのに。
「おまっ、、擽ってぇな」
押さえられた口が苦しくて唇を動しただけで、耳の近くでボソリと声がする。
こんなの。
正直、、、拷問だった。
呼吸が苦しくて酸欠気味になっていて、頭がクラクラするのに耳元でゾクッとするような重低音。
その所為で腰が引けて来た僕のお尻には………
さっきお風呂場で目撃してしまった象さんが当たっていた。
園長の通常サイズがアレなんだって知ってしまったから、このお尻に当たっているのも普段と変わらないって分かっているのに。
それが押し付けられていると思うだけで、、、ゾクゾクする、、、
ううっ……週末にスッキリさせようと考えていたのが仇になったなんてっ///‼︎
だから、何とか園長から離れようともがいたら体が反転してパッと手が離されて。
ようやく呼吸が楽になる。
暗闇の中で少しずつ目が慣れ始めていたから、体は触れてはいないけど。
結構近くに園長の存在を確認出来る。
でも、、、下半身に熱が集まり出していたから、その意識を散らすために。
世間話でもって、思って口を開いたんだけど。
「あのっ、、お願いがあるんです、、」
「あ?何だよ…変な事じゃなきゃ言ってみろよ」
う゛、そんな振りをされると言いにくい…
でも仕方ない…これはミヌ君の為だ!
「あの………煙草、当分の間は我慢して貰えますか…?」
そう、数時間前に片付けをしていた時に見つけたんだ。
ワンカートン。
あぁ…吸う人なんだって。
でもミヌ君はまだ幼いし、僕だって吸わないしせめて僕等が居る間だけは吸って欲しくないってそう思って。
そしたら園長は
「んなの、言われなくても分かってる…ほらよっ」
言うなり、唇に何か柔らかい物が押し付けられて、数秒触れたのちスッとそれは離れた。
「…匂わねぇだろ?」
えっと・・・・今のは…
「おぃ、なんか言えよ…ったく仕方ねぇな…」
ん、んんんん!!!!!?
なんか、、、今度は口の中にあったかいものがっっっ!!!!!?
「んっ……////」
「ばかっ…色っぽい声だすんじゃねぇよ…」
ちゅくっ…って
あっ……
ガチャッ‼︎
「いたーーっ!み~つけた♪♪ズルい~2人で隠れるなんてズルいよぉ~」
ミヌ君っっっ////!!!!!
「お、見つかったか…ミヌ?パパと、ママは仲良しだからいいんだよっ」
「ふ~ん、じゃあ仕方ないね♪」
「あぁ、じゃあ次はパパが鬼か」
「うん‼︎」
何事も無かったようにクローゼットからスルリと抜けて、もうミヌ君と普通に会話をし出した園長。
それに対して僕は、、、その場から固まって一歩も動けなかった。
「あ、そう言えばさっきママに何してたの?」
放心状態の僕をチラリとミヌ君が見て園長にそう聞いたら。
「あ?あぁ…ちゅう、したんだよ」
平然とそう言って部屋を出て行ったんだ・・・
へ?それって…
か、か、か、確信犯じゃないかぁ////!!!
なんかもうその後の事はよく、覚えていない。
隠れんぼの続きを園長とミヌ君がしている間に僕はボーッとしたまま1人でお風呂に入って…
園長から借りた服を着て…
今、僕の腕の中には….ミヌ君が居る。
すやすやと可愛い寝息を立てて、あどけない寝顔が目の前にあった。
そして
その奥にその可愛いミヌ君にも負けないあどけない表情で寝ている
園長が居たんだ。
サラリと掛かる前髪があの綺麗な半月のアイラインを隠していた。
僕は思わずその髪に手を伸ばし、そっと。
触れた。
「…こっち、来いよ」
その瞳は僕を真っ直ぐ見て、そう言った。
<Happy birthday!Hope you have a great life.>

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