Sirius~星がくれた恋~ #30

「あの日…先生を校門で待っていたんです」
「俺を?」
「えぇ…でも見回りで遅くなっているって他の先生から聞いて、それで居そうな所を探し回っていたら…ヒチョル先生と話すユンホ先生の声が聞こえてきたんです」
「えっ、ちょっと待てっ、、シムが来た時は倉庫に俺とヒョンだけ…?」
「…はい、服が乱れたユンホ先生をヒチョル先生が抱き締めて、、キスを……そう言う関係だったんですね」
「はっ!?ちょっと待て待て‼︎俺とヒョンは違うしっ、、、そんなんじゃないし、、」
「…じゃあどうして乱れてたんですか」
「あれはっ、、、そのっ…」
ユンホはまだ学校側で公にしていない事件をチャンミンに伝えていいのか迷っていた。
しかし、教師としての立場よりも…
目の前で傷付いているチャンミンの方が大切だと感じ。
「…俺、部員達に襲われたんだ。助けを呼んでも誰も来なくて…凄い不快感で最悪で…そしたらヒョンが現れて助けてくれたんだよ」
「っ、部員が、、ですか!?」
「あぁ…信じたくないけど、確かにそうなんだ」
「…じゃあさっきの話って、、、まさか僕が関わっているとでも、、」
「…すまない…その中の1人がお前が俺が辞めるのを望んでいるって口にして…それを鵜呑みにしたんだ…でも嘘、なんだろ?」
ユンホが掴む手にまた力が籠るのをチャンミンは切なく思った。
嘘はつけない、と。
「…望んでいたのは事実です」
「なっ、」「でもっ‼︎…違うんです…」
ユンホの手にそっと自分の手を重ね。
「今は…違うんです…………」
ユンホの瞳が揺れた。
それは自分を真っ直ぐに見つめるチャンミンが優しく微笑んだからだった。
"好きなんです、今はもっと傍に居たいんです"
ユンホは初めてチャンミンの口から素直に自分に対しての気持ちを聞き。
彼の持つ柔らかい部分がユンホの知らず知らずに傷付いた心を包んでいた。
そして、体も。
その華奢な腕に包まれ。
「先生が好きなんです…だからヒチョル先生を頼る姿に嫉妬しました」
照れ臭そうに背中に手が回され。
「…先生にだけは誤解されたくないんです。今の僕には…先生が必要なんです」
ユンホはチャンミンの肩越しに深い溜め息を吐いた。
「…誤解してごめん…でもお前も誤解してる」
「…えっ…」
「あれ程言ったのにまだ信用してないっ…俺の胸には、お前しか迎えいれないって…言ったろ?」
ぎゅっとチャンミンの背中をユンホが抱き締め。
2人の体に隙間は無かった。
それはまるで心までも一つになったように。
初めて通じ合えたそんな2人であった。
ブログランキングに参加しています。皆様に応援して頂けると励みになります♡


- 関連記事
-
- Sirius~星がくれた恋~ #32 (2015/10/16)
- Sirius~星がくれた恋~ #31 (2015/10/15)
- Sirius~星がくれた恋~ #30 (2015/10/14)
- Sirius~星がくれた恋~ #29 (2015/10/13)
- Sirius~星がくれた恋~ #28 (2015/10/12)