2015_09
24
(Thu)12:30

ムソク様の憂鬱 #9




「おい、何してる」


ムソクは宿に入るなり直ぐさま湯殿へと向かったのであったが。


するすると着物を脱ぎ捨て、今か今かとユンが来るのを待ち侘びても一向にその姿は現れることも無く。


痺れを切らしたムソクは腰元だけを覆い、まだ湯殿の入り口で足踏みをしていたユンを後ろから捕まえたのであった。


「ひゃっ」


いきなり背後から腕を捕らえられたのもそうだが、ムソクのその格好にユンの心が大きく跳ねたのである。


何しろ二人が肌を重ねるのは宵の話、仄かな灯りがその姿を浮かび上がらせるだけ。


こうしてまだ日も暮れぬ内からその引き締まった体を眺めるのは初めての事ゆえ。


ユンはムソクに対して自分の肌を晒すのも、ムソクの体を間近に見る事も出来ないと思い入り口で留まっていたのであった。


それがまさか、ムソクがその様な無防備な格好で自分を迎えに来るとは思ってもみず。


素っ頓狂な声を上げ、尻餅をついてしまったのである。


その様なユンの行動にムソクは口元を緩ませ


「ったく世話が焼けるな」


腰を屈めたかと思えば軽々とユンを持ち上げてしまう。


「うわっちょっと‼︎ムンさんっ!?」


「おい、暴れると布が外れるぞ。他の者に見られてもお前はいいのか?」


ユンが腕の中でもがけば、腰元の布が落ちると脅すムソク。


それには渋々応じてしまい、完全にムソクの手の内で転がされるユン。


それはその後も、誰も湯浴みをしていない湯殿でムソクのなすがままになる事をユンはまだ知らないのであった。






"…お前は自分で体を洗った事など無いだろうな…"


湯船の淵に腰を掛け、腕を組み。


ムソクは着物をぎこちなく脱ぎ捨てるユンを不敵な笑みで眺めていたのであった。










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