2015_01
11
(Sun)00:00

止まない雨の癒し 2

"いらっしゃいませ"

"こんにちは"

"今日も雨ですね"

"えぇ…"




今日も変わらないあの優しい微笑み

やっぱり来て良かった-----------------



このお店を見つけたのは
6月の梅雨入りの頃

雨が降ると仕事が休みになるから
趣味のカメラを片手にぷらぷらと
街を歩いていたんだ

雨の日に顔を出す"かたつむりさん"や
水溜りに出来る波紋
子供達の黄色傘

パシャパシャと夢中で撮り続けていたから
傘を差すのも忘れてたっけ


気付くと普段は通らない小路
ちょっと冒険気分でワクワクしながら
道を進めると"あっ…"

ウィンドウに飾られてある
一枚の写真に足が止まった

….すごい…

何が凄いかは上手く説明出来ないけど
ボクの心を掴んで放さない何かが
その写真にはあったんだ

そのお店がフォトギャラリーだと分かって
手にしていたカメラをそっとリュックに仕舞い
そろそろとドアを開ける


"いらっしゃいませ"

優しくふわりと笑顔を向ける男の人

…綺麗な…人…

それが彼の第一印象だった

つい見惚れていた自分が恥ずかしくて
髪を掻き上げて気持ちを落ち着かせ
店内の写真に目を移した

一枚一枚に彼の世界観が表現されていて
時間を忘れる程に見入った

差し出された珈琲に少し戸惑ったけど
ボクもいい大人だし飲まないのは失礼かな
なんて見栄を張っちゃって

でもね
その人は気付いたんだ…ボクが苦手なのを

凄く恥ずかしかったけど
その気持ちが嬉しくて
体も…心も温められたんだ

このお店は….
彼の持つ優しい空気に満ち溢れていた

あれから何度か通う内に少しは会話を
するようになったけど
やっぱり緊張して上手く話せない

ガサツなボクが出てないかな…
そう思うと言葉に詰まるんだ


緊張を解す温かいココアと
しとしとと降り注ぐ雨音に
いつしか夢の世界へ入り込んだ


とても気持ちのいい夢を見ていた
そしたら柔らかな温もりが頭から通り抜け
ふわっとした感触が唇から離れた

ん………、今のは夢…?


目を開けるととても近くで覗き込む彼の顔


"起こしてしまいましたね"

にっこりと微笑むその手にはブランケットが…

"あっすみません、、、もう帰りますから"

慌ててリュックを持ってお店を出ると

-CLOSE- の看板

…あっ




外は雨がまだ止まずに降り続けていたけど
僕の心は陽だまりのように暖かった







季節は夏に移り変わろうとしていた----------





See you again






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C.O.M.M.E.N.T

No title

1話読んで2話読んで、また1話読んで、にまにまと笑う。

2015/01/11 (Sun) 08:22 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

Re: No title

723621mam様

いつもご来訪有難うございます。
コメントとても嬉しいです、励みになります。

あぁ〜それ作者冥利に尽きます!
ところでどう思います?
離れた温もりは…指?…それとも?
って曖昧にするのが好きなんですけど(笑)

また小出しに更新をするので覗いて下さいませ。

2015/01/11 (Sun) 08:41 | Shin #- | URL | 編集 | 返信

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