2015_07
03
(Fri)12:00

Love Triangle #47




水曜日の午前10時。

普段の妻ならば長年通い慣れた料理教室へ出掛けている筈。

念の為、電気のメーターが回っていない事を確認して玄関の鍵を開ける。

もう、暫く足を踏み入れていない…

俺の城。


結婚、出世、そして安住を求めてこのマンションを購入した。

思えば順風満帆な人生だった、それはチャンミンを知る前の俺。

今は。

真実を知って感謝している。




リビング…寝室…客間…

全ての部屋の至る所に俺の写真が貼られていた。


つい最近の物は、コンビニに向かう時にチャンミンと手を繋いでいる姿。

…けれど、隣に居る筈の彼の姿は無い。

バッサリと…切り取られていたんだ。



どれもこれも俺が知らない写真ばかり。

しかも古いのは付き合う前からのもある。

…いつから、こんな事をしていたんだ…



ザッと全ての部屋を見て回り。

最後にトイレを覗く。





戦慄が走った。


壁、壁、壁、壁、四方を囲むその壁面に。

びっしりと敷き詰められたチャンミンの写真。

そして、その全てに切り刻まれた跡がある…


「何て事を、、、」


ボロボロのチャンミンの写真を撫で、心の中で詫びる。

チャンミンにまで…こんな事を…

妻の脅威が及ばないとは限らない。
取り敢えず、取る物を取ってこの家を出よう。

そう思い、踵を返して振り向く先に。



「お帰りなさい」



妻が…居た。


「ねぇ、帰って来るなら連絡くれればいいのに」

そう言って俺に一歩、にじり寄る。

「私がたまたま忘れ物をしたから会えたの?」

そしてまた一歩。

「私ね、これじゃないと駄目なの…貴方から初めて貰ったプレゼントだもの」

ふふっと笑いながら手にしていた鞄から…

包丁が取り出される。


「止めろ…」


それでもまた一歩。
もう俺は後ろには下がれない。

「ねぇ…貴方、知らないでしょう。刃物を贈り物に選ぶのはね…縁を切りたいって意味なのよ…」

知らなかった…嘘じゃない。

「だから、私…ショックだったけど、貴方と縁を切りたくないからお金を渡したのに、、、貴方はそれも受け取らなくて、、、」

「なぁ、俺は…本当に何も知らなかったんだ…」

「知らない…?そうよね…私はずっと貴方の事を見て来たから…何でも知っているわ…でも貴方は私の事をちっとも見ないから…なんにも知らないのよね…私の事なんて…」

「そう言う意味じゃないだろ、、っ!」

「うるさいっ!!」


ダンッ!!!


と…俺の頬を掠めて、後ろの壁のチャンミンの写真に包丁が突き刺さる。

「この男さえ、、、この男さえ居なければ、、貴方はまだ私の元に居てくれたに、、、!!」

血走る目。

もう、明らかに精神が異常だと判断がつく。

それでも俺は怯まず。

「これが君の本性なんだな…君こそ俺をちゃんとは見ていなかったんだ。俺が一人で会社の事で悩んでいる時も…君はそんな俺とは向き合おうとはしなかった。君が愛したのは完璧な俺…でもそれは本当の俺じゃ…無い」

鼻先が触れ合う距離。

妻の目を逸らさずに…届かないかもしれないが、今迄言えずにいた事。

その事をはっきりと口にした。

そして。

「偽りの愛に永遠は無い…もうお終いだ…」

妻に二度目の別れを告げる。



バタバタッと廊下になだれ込む人の足音。

「チョンさんっ!!大丈夫ですか、、」

見知らぬ男と共に、シウォンが駆け寄る。

「あぁ…大丈夫だ」

妻はそのままその男に取り押さえられ、応援で呼ばれた刑事により殺人未遂として現行犯逮捕された。

最後に見せた妻の顔は…人の心を失っていた。

もう、俺の中には同情する気すら無かった。

「どうして貴方が…?」

頬から流れる血を止めながらシウォンを見やる。

「あ、えぇ…友人に刑事が居まして。少し、スホの事や奥様の事も含めて相談をしていたんです」

シウォンの話では、スホは刑事事件としては罪に問われる事も無く。
それとは別に妻の行為の方が離婚が絡む裁判にしろ、そのストーカー行為が重要となると睨んでいた。

それで、妻の行動を友人が非番の日に一緒に追っていた所…
料理教室から家に戻る妻、そしてマンションの前に横付けされた俺の車。

念の為、管理人に合鍵を借りて妻が掛けた鍵を解除して玄関で待機していたと言う。

そして、この現場に立ち会えた。

事の経緯を聞いて。
俺は運が良かった、そう思った。

本来なら駐車場に車を入れてしまえばシウォンは気付かなかったんだ、此処に俺が来ている事を。

それを…ストーカー行為の証拠物を持ち帰る為に、妻の留守の隙を見て直ぐに出るつもりでいたのが良かったわけか…

「有難う御座います…貴方には頭が下がる一方だ…」

心配してくれるシウォンに御礼を述べ。

今頃、震え出す指をそっと隠してソファにドサッと腰掛けた。

「チョンさん…そんな事有りませんよ…」

それから彼が俺に話し出した事は…

聡明な彼の隠された胸の内だった。









補足
韓国では刃物を贈る事は縁切りに値するといい、もしそれを知らずに贈った場合は受け取る側はお金をその贈った人に渡す…らしいです。
元サッカー選手の奥様の阿部美穂子さんがお義母様に包丁を贈られた時にこのようなハプニングがありそれをTVで観た記憶があります。
もし違ってましたらすみません。



ブログランキングに参加しています。
皆様に応援して頂けると励みになります♡


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ

関連記事

C.O.M.M.E.N.T

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/07/03 (Fri) 16:18 | # | | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/07/03 (Fri) 16:50 | # | | 編集 | 返信

ひま***様

こんばんは(*'-'*)コメント有難う御座います♡
色々と参鶏湯対策を有難う御座いましたm(_ _)m結局、ストーカー規制法よりも重い罪を着せて逮捕させちゃいました(^^;;
いやー、あっさりと消えた参鶏湯。もうドロドロはそろそろお終いにしてラブラブに行きましょう♪

おっとスタンバイオッケーでしたか(艸д゚*)ひま***戦士…リアルなドキドキ感が私にも伝わって来ます!!どっちに首を傾けるか…とか\(//∇//)\ドッキドキ♡
しかも『チャンミンに返すね』はぁぁん、切ない…>_<…。って、私がそうさせたのか!!
うぅっ。ひま***さん…ごめんね(〃艸〃)ムフッ♡←全然、悪びれておりません(笑)
いやー、オファーして良かった(*≧艸≦)ぐふ♪
えっ?オフィスラブにも出たいですか(笑)??

あの、今度は何処でします…(〃゚艸゚)??
そろそろオフィスシチュが尽きて来ました…
最終話は決まってるんですけど、その間の萌え萌えが〜ノープラン♪
ふっ、一緒に萌え萌えして吹っ飛ばしましょう。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。!!

2015/07/03 (Fri) 20:42 | あゆ #- | URL | 編集 | 返信

れ***様

こんばんは(*'-'*)コメント有難う御座います♡
おほっ(*≧艸≦)またですねヾ(≧з≦)ゞブッ
懐かしい〜〜(笑)れ***さんとの初期のコメントを思い出しました♪♪回文って面白いよ、この方!!って思ったのを覚えてます♡
しかし…こんなに偶然はおかしいと思います。ハッ∑(゚Д゚)もしや!!今夜は枕元に奥様が、、特製参鶏湯を持って現れるぅ〜〜とか?
もしくは、無駄に色気振り撒いたユノがチャンミンとイチャイチャとか?
あー、個人的は後の方が希望ですね。
馬様、良い人で売り出し中です(笑)

私もビギが気になります!もう初回盤は遅いかな〜。ふー、諭吉さんが飛んで行く〜
因みにmission45が出てませんか?

えへっ(≧∇≦)b OK
聞きたいです!!ウェルカム♡私なんだか迷走中ですし(笑)

2015/07/03 (Fri) 21:55 | あゆ #- | URL | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/07/03 (Fri) 23:07 | # | | 編集 | 返信

れ***様

こんばんは〜♡ミン役なんですか!?でも片想い…切ない…>_<…それは朝目が覚めると夢からなかなか覚めない位にふううぅとなりそうですね。゚(。pдq。)゚。
私はユノばっかり。ユノとお付き合いしてえちして結婚して。ミンは偶に悪態つきに来るくらいです(笑)
だぁーー!私のスマホはmissionが固まって観れません!iPhoneなのに!?れ***さんもですよね?悔しい。♡
あ〜萌え萌え満載みたいですねヾ(≧з≦)ゞブッ

おっ♡ほほほ〜リクエスト了解です(。 >艸<)
ラブラブさせましょうね♪♪♪
いいわいいわ〜( *´艸`)

2015/07/03 (Fri) 23:22 | あゆ #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック