Love Triangle #39

カーテンを閉めて、寝室に戻ると散らばっている服を手に取り、着込む。
まだベッドの中で気持ち良さそうに寝ている愛おしい人にそっとキスをして。
家を出た。
日中の蒸し暑さがまだ残る外気温。
生温い夜風は俺の背中を押す事はしない。
けれど、一歩ずつ確実に…
決意を固めて歩み出す。
もう、逃げない。
妻から逃げては…チャンミンと歩む事は出来ない…
街灯の灯りの下で真っ白いワンピースがやけに鮮やかに映え。
元々、色白の妻の肌と同化し。
真っ赤に塗られた口紅だけが怖い程に美しく艶めいていた。
「どうして此処が分かった…、それに番号も…」
俺が発した言葉にふふっとまたあの笑い。
けれど次の瞬間。
ぞくりとする笑みが目の前で歪み。
「どうして?今更何を言ってるの…私は貴方の事なら全て知りたいもの…愛しているんだから当然でしょう…?」
初めて、彼女から。
笑みが消えた。
けれど、それに怯んでいる場合じゃない。
「悪いが、それは愛とは言わない。迷惑なだけだって分からないか?それに、、俺の心にはもう君は居ないんだ。だから…終わりにしよう」
家を出てから用意していた離婚届をスッと妻の前に差し出す。
俺が出した答えの全てはそれだ。
しかし…
ふっ…と今、妻は笑ったのか…?
「これは預かっておくわね。ふふっ…浮気なんて男の甲斐性だもの。存分、今を楽しめばいいわ」
…何なんだこの余裕は…一体この自信はどこから来るんだ…
「いい加減にしてくれっ!俺は裁判にかけても絶対に別れる覚悟だ、、こんな状態で元に戻れると思うのか!?」
「裁判?貴方…本気なの?本気で彼を選ぶつもりなの?」
「あぁ、彼を本気で愛してる。一刻も早く君と別れて彼と暮らしたい…」
「くすっ…彼は幸せね…そんなに思われていて。そして…何にも知らない貴方も幸せね…」
「…何が言いたい…?」
「私はただ貴方だけが欲しかったから…彼の言う通りにしたのよ…」
「彼…?」
「そう………私、貴方の事…本当に好きだったから…貴方と一緒に居るだけで良かったのに…子供だって要らなかったのに…なのに、何で…今更……何なのよ………」
突然、気が狂ったように戯言を繰り返し出し。
「おい、、」
「触らないで、、!!」
ガタガタと体を震わせ。
フラフラと夜道を彷徨い歩き出す。
何なんだ…
俺はただその消えて行く後ろ姿を見つめていた。
…彼…
チャンミンの恋人…か?
◆*◆*◆
俺が入社した次の年に社長の息子が入社したと噂になった。
けれど俺はそんな事は気にも留めず。
恐らく社報で顔写真も掲載されていたんだろうが、一切見る事も無かった。
けれど数年してから辞めた、と風の噂で聞いた。
その時ばかりは突然だな…と思って少しだけ関心を持ってみたものの。
けれどその後、俺の昇進が決まりそんな思いも直ぐに消え去った。
シウォン…確かそんな名前だった。
◆*◆*◆
家に戻り。
寝室を覗く。
妻には離婚を突き付けた…
これで少しは前進したと思っていいのか…
今はチャンミンの寝顔だけが心の安らぎだと思っていたい。
まだ。
先は長そうだ…………
アップが遅くなってすみません(+_+)
そして、無理無理恋人の正体を明かしてみました(^^;;そろそろ皆さん、知りたい頃ですもんね。
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C.O.M.M.E.N.T
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れ***様
こんばんは(。>∀<。)コメント有難う御座います♡
うふふ、馬様でした(。 >艸<)でもれ***さんは鮭を焼きながら予想してましたよね?馬様だったらビックリって!そのコメント読んでこっちがビックリしてΣ(o'д'o)それに対してはスルーしてたんですよ(笑)
そんなに単純だったかぁ〜と焦っちゃって(^^;;
でも驚いたみたいで良かったです♪♪♪♪
あー、2人のエチ?いやー(^◇^;)想像して…うっ、、、ってなりました。
ガタイいい2人がねぇ…しつこいって(笑)やだやだ。
奥様と馬様(;-ω-)ゞ?むぅ。
やっと昼ドラの要素が出てきたかな?なんて♪あはー、楽しい♪♪
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ひま***様
こんばんは(。>∀<。)コメント有難う御座います♡
あはっ(^^;;敢えて妻は抜いたのはもう妻じゃ無くて…妖怪?幽霊?生霊?そんな括りの参鶏湯(;-ω-)ゞドロドロ真っ黒オーラ全開ですよ…愛が強過ぎるとこうなるんですね。
炙り出し離婚届!!こわっ、、、Σ(OωO )ひま***さん、それもう…ミステリーだから!(ll_ェ_)
やっぱりシウォンさんだとインパクトありましたね(〃艸〃)ムフッ
元はキュヒョンの予定だったんですけど、それじゃあ安易かなと。やっぱり馬様のキャラは別格ですね(*≧艸≦)うしし。
しつこそうって(笑)皆さん同意見で笑えます。
もぉ〜〜〜!もし私が今、冷麺食べていたら鼻に逆流して大変な事になってましたよ〜!
軽トラのくだりから最後のオチが最高…(T▽T)アハハ!3人乗れないのを全然気付かなかった(爆笑)
いや…そもそも。駆け付けたひま***さんが、荷台に乗り込もうとして降りた瞬間。2人は愛の逃避行に行くのではありませんか?
で、修羅場に残されたひま***さんは参鶏湯と対峙…(^◇^;)ね?