2015_06
02
(Tue)00:00

陽だまりの中 episode 37





「………何で俺なんだよ…」


何となくコイツの顔が思い浮かんだ。

子猫を入れたゲージと餌と皿と。
後はお気に入りの玩具。


「お前、猫好きそうだし」


久し振りにコイツの家を訪れた。
ちゃんとユノも連れてやましい事はひとつも無い。

キョンヒョンもユノもある意味、ネコだし。
子猫はれっきとした猫だし。

猫同士上手くいくだろう。

なんて言ったらまたコイツはキレるな、くくっ。


「1人で思い出し笑いかよ…相変わらず助平だな…ムッツリ野郎」

お前の毒舌も相変わらずだけどな、キョンヒョン。


ゲージの蓋を開けると勢い良く飛び出して、直ぐにキョンヒョンの足元に纏わり付く。

おっ、気に入ったか?


「あ~・・・あ~・・・はぁ…」

溜め息にも似た変な吐息を漏らして纏わり付く猫を撫で回し始める。

何だよ、キョンヒョンもまんざらでもないみたいだな。

けれどその一方で耳を垂れてしょげているのは。

うちの猫。

手話で俺に『寂しい』

か。


手話は分からないキョンヒョンにもその表情で何となく通じたのか。


「……たまに成長を見にくればいいだろ」

ん。もう飼う事にしたのか?
しかもユノが遊びに来てもいいって事だよな。


「キョンヒョン…お前っていい奴だったんだな」


「今更かよ」

フンッと鼻を鳴らして子猫を手懐け始めている。



キョンヒョンとは仕事の関係上、未だに付き合いはあったんだ。

体の関係は俺が一方的に終わらせたけれど、それでもあの後も何度か顔を合わせていて。

もう、奴は俺に未練は無いようで今は年上のいい男を捕まえたと言っていた。


ユノは元々、キュヒョンに対して敵対心も持ち合わせていないようだし。
なかなか気の合う仲間になりそうな予感がした。


「じゃあ、元気でな」

すっかりキュヒョンの腕の中で寛ぐ子猫に安心をして。
まだ名残惜しそうなユノをずるずると引き摺って車に押し込んだ。

これでやっと出掛けられる。

子猫がユノから離れない所為で思うように外出も出来なかったんだ。


これからの行き先はまだユノには告げていない。

少し長いドライブになる。


ユノの手を握り、そっと唇を触れ合わせた。

「着いたら起こすから」


昨夜もユノを深く愛した。
まだその体に疲れが残っている筈。


ふっと柔らかに笑って直ぐに夢の世界へ落ちていった。


ハンドルを握り締めてエンジンを掛ける。


さぁ、行くか。







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