2015_06
01
(Mon)12:00

Love Triangle #15






このリアルな現実を誤魔化し続けて来たけれど。
もう限界だ。
もっと、早くにこうするべきだった。

俺は現実と向き合うべきだったんだ。

「すまない…今日は戻らない…」

ベッドに座る妻に背を向けて寝室を後にする。
妻はそんな俺に何も言わなかった。
追い掛けても来なかった。

一度、手にした車のキーを。
玄関に置き。
財布とスマホだけを持って家を出た。

行く先は…決まっている。

曇り空に隠れて月は姿を見せない。
生温い初夏の風が肌を覆い。
不快感が極まりない。

ぶるっと体を震わせ、タクシーが待つ通りまで歩いた。




◆*◆*◆




深夜1時過ぎ。

彼は起きているだろうか。
タクシーの中でカトクするか悩んで止めた。
部屋の電気を確認してからと思ったんだ。

電気は点いていた。

ホッと胸を撫で下ろし。
タクシーの料金を精算して、足早にアパートへと向かう。

インターフォンを押す指に緊張が走る。

数時間前まで、居た部屋に再び戻って来る。
今日こそは…

呼び出しの音が鳴ると直ぐに鍵の解除する音が響いた。

「早く終わったんだね!えっ、、あっ…ユノ…」

玄関のドアの前に立つ者が俺だと分かり。
明らかに動揺をしている。
インターフォンのモニターで確認もしないで出たのか、、、

黙って突っ立ている俺に。

「…どうしたの…」

複雑な表情。
数時間前に送り出した筈の男がまた戻って来た。
けれど、それは…迷惑なのか?

「今日…泊めてくれないか…」

チャンミンの表情が一瞬曇ったのが分かる。
あんなに笑顔を絶やさない彼が見せた一瞬の焦り。

「ユノ…ごめん。今日は飲み会帰りの友達を泊める約束をしてるんだ」

一瞬見せた焦りも直ぐに立て直し。
彼はまた普段の表情を作り。
俺に申し訳なさそうに言う。

俺は意外とチャンミンの事を知らないのかもしれない。
彼の素の部分を垣間見て。
自分と彼の関係の薄さに気付く。

「そうか。いきなり来て悪かったな」

彼の顔を見る事なく、くるりと背を向けて歩き出す。

そんな俺にチャンミンは何も言わなかった。
そして追い掛けても来なかった。

妻と同じ。

急に虚しさが込み上げる。


またタクシーを拾いに大きな通りを目指す。
程よく酔っ払ったサラリーマンと擦れ違う。
気持ち良さそうに鼻歌なんか歌って。

今の俺の気分とは正反対。

俺だって一杯やったらあんな風に気分がスカッとするんだろうか。

いや…
やけ酒になるだけだな。

先程まで隠れていた月がぼんやりと姿を現した。
けれど、生温い風は相変わらずで。
更に気分を沈めてゆく。

何やってんだ…




◆*◆*◆




深夜2時。

他に行く宛なんて。
ホテルでも行けばいいものを。
何でだろうな。

兎に角、1人で居たくなかった。

「ん~・・しつ…ちょう?こんな時間にどうしたんすか?」

寝ていた所を起こされて。
寝惚け眼。

「悪い、ドンヘ泊めてくれ」

前に一度だけ泊めて貰った事がある。
他の部下の家は知らない。

こんな時、頼れる友人も思い浮かば無かった。
仕事ばかりで最近は疎遠になっていたからな。
会社の同期は皆んな敵だと思っていてあまり交流が無い。

案外、俺の人生は…つまらない。

チャンミンに会わなければそれにも気付かなかった。

「…振られた男を慰めろよ」

自分で言って失笑してしまう。

「えっ!?奥さんに追い出されたんですか!!」

はぁ。

「まぁ、そんな所だ…だから頼む」

コンビニで買ったビールを目の前にぶら下げて。
もう既に半歩、玄関に入り込む。

「えっ?あぁ、はい…どうぞ…」

何が何だか訳がわからないって顔をして。
けれども俺を拒む事をしないドンヘに感謝した。

どうせ飲むなら誰かが隣に居て欲しい。
俺はいつからこんなに人恋しくなったんだろうな。

こんな時でもやっぱり。

思い出すのは…チャンミンで。



彼の温もりが恋しかった。









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C.O.M.M.E.N.T

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2015/06/01 (Mon) 14:36 | # | | 編集 | 返信

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2015/06/01 (Mon) 14:39 | # | | 編集 | 返信

ゆ***すみ様

こんにちは(^o^)コメント有難う御座います♡
あっ、やはり(笑)
昨日記事をあげた時点で「こりゃ苦情ものかな(≡Д≡;)」と思ってたんですけど。
誰からもそんな物も無く…逆に心配してました。
そうですよね、それが素直な反応ですもの(笑)
悶えますよ、ヨジャ絡みは(;-ω-)ゞ
ゆ***すみさん♡御年齢は明かさなければ皆んな乙女なので御座います( *´艸`)うふふ。

上目線〜(笑)
ほら見た事か、ですね(T▽T)アハハ!
本当、仰る通り!!だから寂しくてドンヘの所に押し掛けたんでしょうね(笑)
リアルもそうだと思います(笑)

2015/06/01 (Mon) 15:19 | shin #- | URL | 編集 | 返信

ひま***様

こんにちは(^o^)コメント有難う御座います♡
結局、行く宛もなく彷徨うカリスマ室長。
寂しくてドンヘの所に押し掛けちゃいました(≡Д≡;)独りぼっちは耐えられないのかぁ〜。
ふふふ、チャンミン色に塗り替えられ中って事ですね??はぁー、また名言頂きました♡
明日はちょこっと視点を変えて。
息抜きしましょう(笑)

おおっ!陽だまり追い付きました!?
わは(笑)ひま***さんは悪くないのに倒れちゃうユノ(笑)
実は『寵愛』の単語を使いたくて花言葉から探したら向日葵に辿り着いたんですよ〜。
ふふ、運命かなヾ(*゚ェ゚*)ノ
へー、へー、ひま***さんの名前の由来もちょっと面白いんですけど(笑)
私は目に残る名前で好きですよ♡

ふふ、変態は私も同じ事。
共有共存で行きましょう\(//∇//)\

2015/06/01 (Mon) 15:25 | shin #- | URL | 編集 | 返信

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