2015_05
30
(Sat)12:00

Love Triangle #13






【チョン・ユンホ】

その名前は僕達、二十代の間では知らない者はいなかった。

築き上げられた実績、そして臆する事なく物言うその姿勢に若くして本社の営業部の室長を任せられたその人。


けれど。

「いらっしゃい」

この扉を開けた先には。
目尻を下げたり、時には拗ねてみたり。
会社における重責を外した。

素のチョン・ユンホが待っている。

僕だけが知るユノ。
可愛くて。嫉妬深くて。独占欲が強くて。
そして。

僕を大好きなユノ。

出会った頃の尖った表情も。
誰かが深く踏み入れる事を拒むような冷たい口調も。
僕を一方的に追い詰めた行為も。

全て何処かへ置き忘れたように。

彼は僕に甘い表情を向けて。
僕の為にうんと尽くしてくれる。

会社では見せないその甘えた表情。
その柔らかい話し方。
常に僕の体温を求める体。

その全てが僕に…彼の想いを伝えて来るんだ。

社内で時折緩む頬は多分。
僕の事を考えているんだなと、垣間見る彼の素顔に気持ちが癒される。

会議室に鍵を掛けてまで。
リスクに脅かされてまで僕を欲するなんて。
その行為だけが目的なら良かったんだ。

なのに。
彼の愛撫は切ない程に優しくて。
愛おしそうに口に含んで僕を昇りつめさせるその表情が泣けるくらい甘くて。

いっその事。
体だけを求められていたのなら。

良かったのに、と思う…

僕のアパートでキッチンに立つ僕を後ろから包む彼はとっても甘え上手だから。
ついつい好きな物を作って喜ばせようとしてしまう。

そして。
ベッドでは…

彼は僕を抱きながら。
耳元で。

「愛してる…」

そう、囁く。

けれど僕は聞こえない振りをして。
行為に没頭をするんだ。

『好き』
その言葉でも、目を見て答える事が出来ずに。
一度顔を伏せてから想いを抑えて

『僕も好き』
そう言うのが精一杯なのに。

『愛してる』なんて…

そんな事を彼に見つめられながら言われたら。

僕は…もう。

だから。
恥ずかしいけれど自らお尻を突き出して。
彼を求めて受け入れるのを待つ。

絶対に彼の目を見て抱かれるのは避けたいんだ。

彼には帰る場所があって。
彼をその人の元へ返さなければならない。

僕は少しだけその人から彼を借りてるだけ。

そう。
だから僕は決して彼に「おかえり」とは言わないんだ。

指にリング跡の残る彼を僕は愛せないから。
それに僕は彼を愛する資格は無いから。

「また明日」

そう言って。
名残惜しそうな彼を玄関で見送る。

僕は彼を愛せないのに。
どうしてこうも胸が押し潰される程…苦しくて。
鼻の奥がツンとするんだろう。

彼を見送った扉が冷たくて良かった。
この火照った顔を冷ましてくれるから。

これで。

僕は明日もちゃんと彼の前で笑える。









基本、ユノが主役のお話ですが。
少しだけチャンミンの胸の内を明かしました。
不倫だからと割り切るチャンミンの健気さが。
いつも俯く理由なのだと、お伝えしたかったのです。
チャンミン…そんな貴方が大好きだよ。





ブログランキングに参加しています。
皆様に応援して頂けると励みになります♡




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
関連記事

C.O.M.M.E.N.T

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/05/30 (Sat) 12:51 | # | | 編集 | 返信

ひま***様

こんにちは*\(^o^)/*コメント有難う御座います♡
そうなんです〜自分の中で処理をしようとするチャンミンが何ともまぁ…。
ユノを愛してるが故になんでしょうね。
もう!!大好きチャンミン・゚・(。>Д<。)・゚・!!
そうそう!ひま***さんの仰るように馬鹿ストレートに想いを口に出しちゃうのかユノらしくて(;-ω-)ゞ
でもだからこそ、チャンミンも愛しちゃうって…まさにその通り!!
いやー。チャンミンの魅力は恐るべしですね♡
で・も・映像化出来るひま***さんも凄いですよ〜\(//∇//)\
わはは(笑)長編行ってますか〜光線強過ぎて火傷しちゃいません??
どれがお気に召しますか(。 >艸<)楽しみです♡

どのお部屋かと言うと〜
素敵な先生とダサい大学生のお話の所です(笑)
秘密をあっさりと暴露しちゃいます(笑)

2015/05/30 (Sat) 16:01 | shin #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック