2015_05
22
(Fri)12:00

Love Triangle #5





退社時刻を迎えてもアイツは席を立たずにパソコンと向き合っていた。

そして。
チラリと俺を見てまた少し俯く。
その耳は赤く染まり上がっていた。

可愛い。

素直に心に湧き上がる感情。
それが何なのかとうに分かっている。

「少し席を外す。直ぐに戻るから待ってろよ」

そっと肩に手を置き、軽く耳に触れた。

「…はい」

片眉を下げて瞳を潤ませて頷くアイツ。

あぁ、本当に可愛いな。

自惚れそうだった。
アイツも俺と同じ感情だと。

その仕草に心を躍らせている自分が少し可笑しく思えて。
心を落ち着かせようとした。



◆*◆*◆



「室長!?辞めたんじゃないんですか?」

ふらりと訪れた喫煙室に先客。
ドンへだった。

まだ残っていたのか。

「まぁな、今日は特別だ。残業前の一服ってやつかな」

今もざわつく心を静める方法が思い付かずに足が自然と此処へむいた。
かなり前に辞めた筈の煙草を吸いたいと思う程に心が動揺をしている証拠。

カチッとライターを鳴らし。
久し振りに吸い込む懐かしい香り。

くゆりと煙りを吐き出し、心の荷をも吐き出す。

これで少しは軽くなれたのだろうか。

「シムさんとですか?」

どうしてその名前が出るのか。
一瞬、体が揺れた。

「あぁ…」

その返事に酷く大袈裟に溜息を吐きながら。

「これから独身達で飲みに行くんですよ。室長のような幸せな家庭を求めたいんです、俺ら!だからそこにはシムさんが来てくれたら場が盛り上がるかな~って思ったんですけど…」

合コンに行くって意味か。

「もう少し、仕事したいからって断られました」

残念そうな顔におちゃらけが見える。

「そうか振られたのか。悪いなドンへ」

合コンよりも俺を優先した。
それだけで顔が緩んだ気がして煙草を吸う振りをして口元を手で覆った。

落ち着かせる筈が返って煽られてしまったようだった。

「シムさんにも飲ませてあげて下さいよ~ではお先に失礼しま~す」

軽口を叩いてひらひらと手を振って去るドンへの背中に舌打ちをした。

それはお前に言われなくても分かっているんだよ。



◆*◆*◆



フロアに戻るともう既にグループの者は退社していた。

俺とアイツの2人だけ。
心臓がドクンッと跳ねる。

「チェックをお願いします」

渡された書類に目を通して、何箇所か訂正するように伝え。
またその仕上りを待つ。

高層ビルの上階から眺める景色よりもその窓ガラスに反射して映るアイツを見つめていた。

「終わりました」

パタンとパソコンを閉じて。
俺と目線を合わせる。
窓ガラス越しに見つめていたのが分かっていたのか…

思わずその腕を引き寄せて唇を触れ合わせた。

けれど。

少し眉間に寄る皺に体が離れる。

「どうした…」

こんな風に以前はアイツの表情を伺う事なんて気にも留めなかったのに。

「…煙草…吸われるんですか?」

唇から残り香が鼻を掠めたのか。

「あっ、いや。辞めたんだが…久し振りに吸ってみたんだ」

もしかしたら。

「嫌いなのか?」

俯いて丸っこい頭を縦に振る。

「悪い…もう吸わない」

俺…らしくない。
誰かの意見に左右されるなんて。

「なぁ、でも」

ついでに。
いや、勢いでこのまま聞いてしまいたい。

「…俺とのキスは嫌か?」

バッと顔を上げて潤んだ視線が絡み合う。

「い…やじゃ、ないです…」

そんな。
簡単な一言だけで。

胸が一杯になる事なんてあっただろうか。

「今日だけは許して欲しい…」



溶け合う舌に熱が籠もって。
漏れる吐息に甘く心まで溶かされるようだった。

アイツを抱き締めたまま夢中でお互いの唇を求め合う。

高層から眺める夜景をバックに
熱を帯びたチャンミンの姿は
艶やかに美しさを放ち。

俺は確実にこの男に堕ちている。

そう、心が震えた。



◆*◆*◆



アルコールでとろんと蕩けた瞳で。

「僕、酔ってませんから…」

そんな風に呟かれても。
可愛いだけだ、なんて。

「ん、分かってる。でも、これで終わりにしよう。な?」

自分の口からこんなに柔らかい響きが出るのかと。
不思議に思えて。
擽ったさで口元が緩んだ。

「室長…?笑うと…あれですね……」

ふふっと肩を揺らす姿に。
思わず。

「ん?」

聞き返したのが間違い。

「可愛い…です…」

首を傾げて微笑むその仕草に。

心がぎゅっと。

掴まれた。

「…可愛いのはお前だろ…」

ムードも何も無い居酒屋の個室で。
そっと唇を重ねた。


軽く触れてその顔を覗き込めば。

"もっと"

と。
大きな瞳が揺れる。




その瞳を引き寄せて上唇にしっとりと吸い付き。

優しく後ろ髪を撫でる。


初めてチャンミンに
こんなに優しい口付けをした。

触れ合うだけの柔らかなキスに。

心が痺れた。









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2015/05/22 (Fri) 13:43 | # | | 編集 | 返信

ひま***様

こんにちは(*^^*)コメント有難う御座います♡
あぁ〜、それいい表現ですね( *´艸`)!!
確かに幼さも感じて…でも二人共いい大人で。
探るような恋心?ドキドキしますよねヽ(〃∀〃)ノ
何気に私もこの昼ドラに嵌っている一人です(笑)
気が向いたら更新するつもりが結局、毎日更新してますから(。 >艸<)
もっとキュンキュンさせたいですね〜♡

2015/05/22 (Fri) 15:39 | shin #- | URL | 編集 | 返信

No title

シムの3段活用ね。
えっと、悶えるシムが好きなので、4段活用に変更で。
5段6段と随時変更OKでいきませう。
なので、今回のシム、イイね。

2015/05/22 (Fri) 20:02 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

723621mam様

こんばんは(^。^)コメント有難う御座います♡
はは(笑)悶えるシムですか〜(*/∀\*)イヤン
結論。活用法は無限大と言う事ですね。
ここのシムいいですか?ふふ、良かったです♡
あぁ〜ユノ室長になりたい!!私もぎゅって掴まれたい!!

2015/05/22 (Fri) 21:31 | shin #- | URL | 編集 | 返信

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