一通り筋トレメニューをこなして軽く水に入って、その日の練習は終わった。

カイ君のお陰でなんとか部員っぽく振舞えそうな予感。



ふふふ、ちょっと嬉しいな。




だって今までの僕は運動なんて無縁の人生。

親友のキュヒョンといっつもゲームばっかり。

だから腹筋なんてある筈も無い。


あぁ…明日は筋肉痛確定だなぁ…




なんてボーッとしながら塩素で乾いた唇をリップクリームで潤していると。


「チャンミン、ちょっと来て」

そう部長さんに呼ばれてリップクリームは鞄に仕舞い込んだ。


そして部長さんとウェアの話なんかしていたらなんか変な視線を感じて。

横に視線をずらすと。



ユノ先輩がガン見。




まじか。



固まって動けない僕を見つめたまま



「唇、ツヤツヤしてて羨ましい」



って。

そんな所、見てたんだ////

えへ。嬉しい♡



「あっ、使います？リップクリームありますよ」


動揺せずにサラッと言えた。

間接キスの予感♡♡♡♡



「いや、いい」



うっ、断れた。

地味に傷付く…






ちゅっ



「これで充分、サンキュ」



「・・・・・・」





「ユノ～横着にも程があるだろう（笑）なぁ、チャンミン。…チャンミン？」
















「また会ってしもうたなチャンミン」


前回とは違ってもう慣れた様子のお祖父ちゃんはやたら嬉しそう。


「ごめん、また来ちゃった…直ぐ帰るから」


天国ってこんなに近い所だっけ？


「まぁまぁ、そんなに急がんでも迎えに来たら帰ればいいじゃろ。それよりも…」


なんかさっきからお祖父ちゃんがにやにやしてる気がする。


「何…？」

「お前、ファーストキッスだったんじゃろ？」


ドキィ！！



「わっははは！図星か（笑）青春じゃな～」



あー、あー、あー・・・

そうだった。僕はまだキスの経験が無かった。

だからあれがファーストキス。




しかもユノ先輩と…




「ほれ、噂をすれば来たぞ。キッスの相手が…ぷくくっ」


じいちゃん！！///////











「チャンミン？大丈夫か？」



ユノ先輩…大丈夫じゃないです。

貴方のお陰で何度天国へ行ったと思ってるんですか？


でも、いいです。


ファーストキスを貴方に捧げられて僕はもう思い残す事はありません。



さようなら…




「わぁー！！チャンミン！！死ぬなー！」




むにゅ





って、これ！マウストゥーマウス！！？？？








僕、命が幾らあって足りないかも…







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