2015_04
15
(Wed)00:00

陽だまりの中 episode 17






迎えに来たチャニョルの車に乗り込み、ふと先程の女性の事を思い出す。

歳は俺やユノとそう変わらない位か?
そもそもユノは何歳なのかも分からないが。

恐らくその女性も20代だと見えた。

一瞬、ユノの恋人かと考えたけれど。
あの様子はきっと違う…

女性はユノを慕う目をしていた。

どんな関係にせよユノが生きている事を知って涙を溜めるなら、確実にユノの過去を知っている筈。

女性の追跡をしたい反面、やはりそれを知ってしまえばユノは自分の元を去るかもしれない。

そんな不安がよぎっては俺を葛藤の渦の中に沈めてしまう。

もうユノを手離したくない…

はっ、これも俺の我儘なのかもしれないな。



ふわりと太腿に触れる手に視線を車窓からその手の主に移す。

"どうしたの?"

隣にユノが居るのも忘れる程、考え事をしていたなんてな。

ぎゅっと手を握り締めて手の甲にちゅっとキスをした。
すると目を細めて嬉しそうに微笑む。


黒目がちな瞳が俺を見つめる内は俺の元から絶対に離さない。

けれど。

この瞳がいつか俺から逸れる日が来たとしたら。



俺はどうするのかな。









「ヒョン…………ヒョンってば!!」

おっと。
ユノの唇に夢中になっていて、運転するチャニョルの存在をすっかり忘れてたな。

「悪い、着いたか?」

返事の代わりに大きな溜息が返って来る。

唇をユノから離すと目の前の瞳はとろんと蕩けていて。

本当に愛おしい。

早くその続きを、そう思い車から出ようとすると。

そこは俺のマンションじゃ無かった。

「お帰り、ヒョン」

そう、そこは俺の生まれ育った家だった。




戸惑う俺の手をユノはきゅっと握り締め。

"さぁ、帰ろう"

そんな目をして俺を見つめるんだ。

「ユノはここが何処なのか分かるのか?」

瞼を閉じて頷く。

"知ってるよ"

ってか。

「ヒョン、早く行こう」

けれど俺はその一歩が踏み出せない。

何故なら俺は家族の顔を見るのが怖かった。

どんな面して会えばいいんだろうか。

ぐっと拳を握り締める。


するとくすくすと聞こえる笑い声。

「ユノ…?」

不思議そうに俺の顔を覗き込み。

ちゅっ。

ちゆっ、ちゅっ。

顔のあちこちにキスをしてくるんだ。

そのふわふわと触れる感触はとても擽ったく、俺は思わず。

「やめろ、ユノ!」

吹き出しながらユノの顔を押さえる。

それはまるでいつも2人でじゃれ合う様な自然な流れで。

さっきまで抱いていた葛藤は温かい気持ちに変わっていた。

「ユノ…」

俺の重くなった心を察して。

そんな思い遣りが…堪らなく嬉しかった。



もう一度、ユノの手を握り締めて玄関までのアプローチへ歩み出す。

俺にはユノが付いてる。

その安心感が何よりの支えだから。

だから逃げずに向き合おう。

自ら手離した家族に。

自分が愛する人だと、ユノをちゃんと紹介するんだ。

俺が愛する人はこの人だと。

俺の口から伝えよう。







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C.O.M.M.E.N.T

No title

自分が置いてきた過去と向かい合えたチャンミン。
ユノの過去とも向かい合わないとだね。
不安だけどね。
でもここがチャンミンの踏ん張りどころだ。

2015/04/15 (Wed) 07:39 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

Re: No title

723621mam様

おはようございます(*^^*)コメント有難う御座います♡

そうですね。
チャンミンが決別した過去をユノが引き寄せた、それをどう乗り越えるのか。
そしてユノの過去へどう踏み込むのか。
幸せの裏には必ず苦難が付きものです。
チャンミンさんはどうするのかな…。

2015/04/15 (Wed) 08:52 | shin #- | URL | 編集 | 返信

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