2015_04
14
(Tue)00:00

陽だまりの中 episode 16






「なぁ、ユノ…有難うな」

手話も手術も家族も全て。

その色んな想いを含めてその言葉を口にする。


俺の手に擦り寄っていたユノは顔を上げて嬉しそうに目を細める。

そしてそっと俺のお腹の傷に触れて愛おしそうに見つめるんだ。

そんなユノを見ると熱いものが込み上げ。

「俺の中にユノの物があるんだよな」

そっとユノの手に自分の手を重ねて。
見上げるユノに触れるだけのキスを落とす。

唇が離れて見上げるユノの目からは一筋の涙。

その涙を指で拭い。

もう一度、唇を重ねる。



俺が倒れてからユノはどんなに不安な思いでいたんだろう。

ユノを家族と言いながら、また孤独にさせてしまう所だったのに…それでもユノは俺を許して助けてくれた。

それだけでは無く、自分の我儘を通して突き離した家族ともまた引き合わせてくれた。

いくら感謝してもしきれない。

けれどユノはいつも自分は何も出来なくてチャンミンさんに迷惑ばかり、そんな風に申し訳なさそうにしていた。

俺はそんなの全く気になんてしていなかったのに。

ユノが思う想いの方が俺より深かったんだと今更、身に沁みて分かった。


だから。

もう二度と。

この手を離してはいけない。


もう二度とこの愛しい人を不安にさせてはいけない。

俺はこの時、心の底からユノへの一生の愛を誓ったんだ。






ようやく自身の退院の日を迎え、ユノと一緒に病院でお世話になった方々に挨拶をしていた。

ユノは先に退院をし、毎日俺の見舞いに来てくれていて。
見舞いの花束をにこにこと両手に抱える姿はナースの間でちょっと有名になっていたんだ。

たまたま俺がナースステーションの脇を通り過ぎる時に

「シムさんの所に毎日来てる花束の彼!何だかいいわよね~♡青年の中に見え隠れする幼なさが堪らないわぁ♡♡」

へぇ。

「でも、彼ってシムさんとどんな関係なのかしら…」

おっと。

「この前、検温で覗いたら何だかいい雰囲気だったのよねぇ…」

はは。

「やっぱり!?私もこの前、手を握り締めてたの見たのよねぇ…」

ほぉ~。

「「もしかして…そう言うこと!?キャー//////♡♡」」

くくくっ、あー腹いてぇ。

女子はいいねぇ、平和で。
今度、わざと検温の時間にキスシーンでも見せてやろうかな。



だからそんな訳で俺の退院の今日も傍に付き添うユノと俺のやり取りをナース達は興奮気味に見つめていたんだ。

笑えるだろ?

そして担当では無いナース達にも見送られながら俺達は病室を後にした。





1階の受付に向う途中、擦れ違った女性が

「ユ…ノ…さま…?」

とてもか細く、やっと聞き取れた言葉に俺は思わず振り向く。

その女性は確かに「ユノ」と名前を口して、今にも涙が溢れそうな瞳でユノの背中を見つめていたんだ。

もしかしたらユノを知っている?

そう思った俺はその女性に声を掛けようとすると、俺に気付いた女性は慌てて来たばかりのタクシーに乗り込んで行ってしまう。

くそっ。

「ヒョン?どうしたの?」

迎えに来たチャニョルに続いてユノも駆け付ける。

「いや、何でもない」

ユノの記憶の手掛かりかもしれない女性。
まだユノに話すには早い気がしてこの時、その事を伏せてしまった。

それは多分、ユノに対する不安もまたあったのかもしれなかった。








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C.O.M.M.E.N.T

No title

ようやく・・・
なるほど、青年のなかに幼さが見えかくれする年令なのね。
それはナースの注目だわ。
ふむふむ。
でも、あーでこーで、あーみたいだし、
で、ゆ・・の・・さま?

また一日これだな。(笑) ……って、なんてコメだ(笑笑)

2015/04/14 (Tue) 07:55 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

Re: No title

723621mam様

おはようございます*\(^o^)/*コメント有難う御座います!
えっ!?年齢…。
イメージ写真の年齢からして、20代後半の設定でした( *´艸`)
見た目は立派な青年なのに、くるくる変わる表情が少年のようで愛くるしいユノ。
声に出せない分、瞳が多くを語ります♡だからナースもハマる♡

初の一人ツッコミコメント頂きました!(笑)(笑)(笑)
どんな過去なんでしょうね(。 >艸<)
沢山時間はありますから沢山予想しておいてください(笑)

2015/04/14 (Tue) 08:50 | shin #- | URL | 編集 | 返信

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