2015_04
13
(Mon)00:00

陽だまりの中 episode 15






手術が終わって目を覚ますと何故かいつものあの愛しい顔が見当たらない。

看護師に尋ねても何だか曖昧な答えしか返って来ない。

まさかユノまで倒れたとか。
そんな変な不安まで脳裏をよぎる。

痺れを切らした俺は謝絶を解いて、チャニョルを呼びつけた。


「ユノはどうした」

開口一番でこれは流石にチャニョルにしてみれば呆れる話かもしれなかったが。
チャニョルは呆れるどころか俯いて何も発しなかった。

明らかにおかしい。

まさか。





「ユノが…?」


お腹の傷に触れる。



顔を上げたチャニョルは静かに頷く。



なんでそんな事を。

体を起こしてユノの元へ連れて行けと騒ぐ俺を医師は宥める。

「彼の傷は僅かな物です。入院もそんなに掛かりませんから、貴方は暫く安静にしていて下さい」

その言葉に、ようやく気持ちを落ち着け。
一日でも早くユノの回復を願ったんだ。


3日後、ユノはひょっこりと病室に現れ。
その姿はとても健康的で手術の経過が良好だと知らせていた。

俺の手に擦り寄るユノはいつものあの穏やかな甘えた顔をしていて。
ここが病院である事も忘れさせてくれる。

ユノに助けられて今の自分が居る。

手術の後、チャニョルから事の経緯を聞いた。

駆け付けた家族を俺が謝絶をしていた為に移植提供すら出来ない状態にあり、それでも他にドナーが見つからなければ…
チャニョルを含めた家族が哀しみの中に居た。

その様子を見ていたユノが俺の家族と病院側に掛け合い、自分がドナーになりたいと申し出たと言うのだ。

俺は家族以外のドナーからの移植に同意する書類を提出していた事。
そしてその病院は家族以外の健康的な体から移植手術を可能とする病院であった事。

その二点が合わさり、ユノは直ちに検査入院となり、検査の合間に俺の病室へ来ていたらしかった。

そして他にも驚くべき事があったんだ。

チャニョルの話ではユノは手話を覚えていて、それが分かる看護師と手話でやり取りをし。
医師と意思確認を行なっていたと言う。

チャニョルから

「ヒョンは知ってたの?」

と、聞かれ首を横に振った。

確かにスマホを与えてから時々、ヘッドホンを付けて何か熱心に画面を見ているとは思っていた事があったけれど。
まさかそれが手話を覚えていたなんて。

知らなかったんだ。

ユノはもしかしたらいつかこんな時が来るかもしれないと考えていたんだろうか。
あの笑顔の裏に隠された聡明さに心が打たれる。

そしてもう一つ。

ユノは俺の家族に打ち解けたらしい。

医療を専攻した上の妹がたまたま大学で手話の授業を受けていたらしく、ユノの話を妹が通訳をし。
父や義理の母へ手術への同意を説得し続けた。

そしてそのユノの熱意と人柄に家族はユノを迎え入れたと言う。
やはりユノは人を惹き付ける魅力を持っていて、俺が手離した家族の愛をまた取り戻したんだ。

それからはユノの病室へ毎日の様に妹達がお見舞いに来ていたらしい。

一番下の妹は姉から教えて貰った手話で必死にユノと会話をしてるとか。

なんとも微笑ましい話だった。







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No title

ユノ。
いてもたってもいられなかったんだよね。
何ができるか、一生懸命だったんだよね。
よかった。よかったね。

2015/04/13 (Mon) 21:57 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

Re: No title

723621mam様

こんばんは(^-^)コメント有難う御座います。

ユノは常にチャンミンさんの事を一番に考えています。
どうしたら何も出来ない自分が力になれるのか。
その想い、痛い程伝わりましたよね?

チャンミンさんの為なら、自分の体だって…。
ユノはチャンミンさんが大好きなんです。

2015/04/13 (Mon) 22:23 | shin #- | URL | 編集 | 返信

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